現役行政書士が教える「仕事をしていて良かったこと」とは?

行政書士の仕事をしていると「仕事のやりがいは何ですか」「行政書士の仕事をしていて良かったことは何ですか」と尋ねられることがあります。行政書士の資格取得を目指している方にとって「やりがい」「仕事をしていて良かったこと」は確かに気になるポイントかもしれません。

今回は現役行政書士が「行政書士の仕事をしていて良かったこと」についてお話しします。これから行政書士の資格を取得したいという方や行政書士として独立開業を検討しているという方は、参考にしていただければと思います。

行政書士の仕事内容

行政書士の仕事をしていて良かったことを説明する前に、まずは簡単に行政書士の仕事内容に触れようと思います。

行政書士の仕事内容は「行政に提出する書類の作成」や「行政の許認可の代理申請」などです。たとえば、身近なところで言うと、婚姻届けや車庫証明などは行政に提出する書類ですから、行政書士の仕事内容になります。許認可に関する書類なども行政書士の管轄になります。

法律な士業といえば訴訟や登記などを想像するかもしれません。訴訟は弁護士の仕事範囲になり、登記は司法書士の仕事範囲です。行政に提出する書類作成、代理申請が仕事内容だからこそ、「行政書士」という士業名がついているわけですね。

行政書士の仕事に関しては別記事で紹介しています。別記事も参考にしていただければと思います。

行政書士の仕事とは?できること・できないことを現役士業が解説

行政書士の仕事の特徴

行政書士の仕事の特徴は一言でいうと「地味」です。

士業と言えばテレビドラマや漫画などで華々しい(そしてカッコいい)仕事として描かれがちですが、現実は漫画やドラマとは違っています。ひたすら書類作成。勉強。地道な営業活動。とにかく地味です。

書類作成などは地味さの最たるものと言えるでしょう。「週の四分の三は机に座って書類作成だよ」というケースも少なくありません。行政に提出する書類をこつこつ作成し、分からないことがあれば調べる。スーツで華々しく活躍という感じの仕事ではありません。

行政書士の仕事をしていて良かったこと

行政書士の仕事には魅力的なところが少なくありません。ただ、どのようなポイントを魅力的なポイントだと感じるかは人によるのではないでしょうか。

ここからは、私が感じている「行政書士をしていて良かったこと」についてお話しします。

行政書士は収入をコントロールしやすくて良い

行政書士の中には事務所に勤めているタイプの人もいます。この他に、個人事業主として資格を使って自分で仕事をしているタイプの人もいます。私は後者で、自分ひとりで仕事をするタイプの行政書士です。いわゆる個人事業主やフリーランスといったタイプに当てはまるでしょう。

勤め人である行政書士は収入が給与というかたちで決まっていますので、副業でもしない限り収入コントロールはできません。しかし、フリーランスや個人事業主の行政書士は自分で自由に仕事を受けることができるため、収入をコントロールしやすいのです。収入を多くしたいなら営業に力を入れて仕事を増やせば良いわけです。

行政書士はひとりで独立して仕事ができますから、収入のコントロールはしやすいと感じています。

私はFIRE達成を目指しているため、収入を増やしたいと思って頑張っています。今どのくらい収入をコントロールして稼げているかは別記事にまとめました。

士業の仕事内容と年収は?現役行政書士が年収を開示

収入に関してリアルに教えてくれる行政書士はあまりいないと思います。収入を増やしたい場合は営業に力を入れるとこのくらい収入コントロールできるという裏話として参考にしてください。

行政書士は仕事時間をコントロールしやすいので良い

行政書士の仕事をやっていて良かったなと思うことにひとつに「仕事時間を自分で決めてコントロールしやすいこと」があります。

個人事業主やフリーランスは仕事時間をコントロールしやすいと言われています。ただ、フリーランスや個人事業主だからと言って自分の好きな時間に必ず仕事できるわけではありません。相手がいる仕事や顧問契約を結ぶ仕事の場合はどうしても相手に合わせなければいけません。

たとえば、エンジニアとしてチームで仕事をしているとします。このような場合は、やはり相手にも合わせなければならないと言えるでしょう。弁護士や社労士、税理士のような顧問契約の多い仕事もやはり顧問先の営業時間に合わせなければいけません。

すでにお話ししたように、行政書士の仕事は地味です。依頼を受けてこつこつとひとりで書類作成し、代理申請する仕事です。士業の中でも顧問契約の少ない士業でもありますから、自分の好きな時間に書類作成や代理申請をして終了が基本的な仕事の流れになります。

私の場合は午前中だけ仕事をしています。午前中は役所の窓口が開いているので、代理申請しやすいからです。午前中にこつこつ仕事をして午後からは基本的に自分の時間にする。このように、仕事時間を好きにコントロールしています。顧問契約やチームで取り組む仕事であれば、私のような仕事時間のコントロールは難しかったことでしょう。

行政書士は他の物事と同時並行しやすいので良い

行政書士は時間や収入のコントロールがしやすいため、他のことと同時並行しやすいと感じています。

私の場合は仕事時間と収入をコントロールして1日半日を仕事時間にしているため、もう半日は自由時間です。この半日という自由時間で好きなことができるわけです。もう1つ独立開業できる資格を取得する。趣味を楽しむ。FIREなど将来のための時間にする。いろいろな時間の使い方が考えられます。

行政書士は収入や仕事時間のコントロールがしやすい。結果、他の物事と同時並行しやすいわけです。私の場合は行政書士の仕事を半日、残りの半日はFIREのための投資などをしています。

行政書士はFIREの実践がしやすいので良い

先の見出しで「仕事時間をコントロールして半日はFIREに使っている」とお話ししました。FIREが何かについては別の記事で説明していますので、まずはそちらをご覧ください。

FIREってなに?意味・考え方・方法を解説

FIREを達成するためには収入のコントロールはメリットになります。個人事業主やフリーランスの場合はどうしても収入が不安定になり、FIRE達成を目指していても「今月はお金がないからFIREに回す資金がない」となってしまいがちです。

しかし行政書士はフリーランスや個人事業主、そして士業の中では時間も収入もコントロールしやすい仕事になります。そのため、FIRE達成のための資金計画も立てやすく、「より多くFIREのために資金を回したい」ということであげれば、さらに収入をコントロールして収入アップを目指すことも可能です。

FIREを目指すうえで行政書士は取得しておいて良かったとしみじみ感じています。

行政書士は投資もしやすいので良い

FIRE達成のために投資は不可欠です。また、FIRE達成後は投資の運用益を生活費にするため、FIRE達成後の生活を考えても投資は不可欠です。ただ、より良い投資のためには情報収集や相場確認が不可欠になります。情報収集や相場の確認に割く時間がない、あるいは面倒で投資が難しいという人もいます。

行政書士の場合は仕事時間をコントロールしやすく、私自身、仕事時間をコントロールしてFIREのための投資をしている状況です。会社に勤めている場合は仕事中に投資の証券会社マイページを開いたり、情報収集をしたりも難しいのではないでしょうか。

行政書士は時間を捻出しやすく、さらに個人事業主ということもあり、投資のための情報収集や相場チェックも気軽にできます。かなり便利です。

最後に

行政書士は士業の中でも収入や仕事時間をコントロールしやすい仕事です。FIRE達成を目指しているなら、行政書士には魅力を感じるのではないでしょうか。また、収入や仕事をコントロールして自分の時間を充実させたい人も、行政書士には魅力を感じるはずです。

今回ご紹介したい「行政書士の良い点」はあくまで私が感じている魅力ですが、もし「良いな」と思ったのであれば、ぜひ行政書士として働いてみてください。

別の記事にも以前書きましたが、行政書士は若手が少なくブルーオーションとも言える仕事です。行政書士の資格取得を迷っているなら、併せてこちらの記事も読んでいただければと思います。

行政書士は20~40代の若手に大チャンスである理由

誰かの役に立てた……といった方向性ではなく「お金をためやすい」「仕事をコントロールしやすい」など、現実的なところを解説して「投資やFIREなら行政書士」という流れに繋げていきます。