FIREとは「経済的な自立を果たして早期リタイアすること」です。早期リタイアだけでは生活資金面で不安が残ります。FIREの場合は経済的な自立を果たして、「リタイア後も生活できる」という段階で早期リタイアするため、通常の早期リタイア(早期退職)とはやや違います。
FIREを達成することにより、早期リタイア後は自分の趣味に没頭するなど悠々自適に過ごすことが可能です。また、FIREによる早期リタイアは経済的な自立をしているため、生活リズムや生きがいの範囲で仕事もできます。生活費が確保できており、自分の好きに生活できる。忙しい現代の日本において、こういった生活は大きな魅力であり、憧れではないでしょうか。
FIREを達成したい。FIRE達成により憧れの生活を手にしたい。このような場合、FIRE達成のための経済的な自立をしなければならないことは理解できても、「では、何からはじめるべきか?」で迷う方は少なくありません。
この記事ではFIRE達成を目指している行政書士が、FIREをはじめるときに「まず何をすべきか」について解説します。FIREをはじめようと思っている方はぜひ参考にしてください。
目次
FIREに着手する際はまずすべきことは5つ
FIREの達成を目指す際に手始めとしてすべきことは5つあります。
・FIREの考え方を理解する
・FIREにために必要な資金を知る
・FIREのために収入と支出を見直す
・必要な資金確保のため仕事や収入を検討する
・資格の取得などFIREを達成しやすい状況を作る
5つのことは同時並行やばらばらではなく、以下の順番で行うことをおすすめします。その方がスムーズにFIRE達成のためのスタート地点に立てるはずです。
まずはFIREの考え方を理解する
FIRE達成のためには、まずはFIREの考え方を知る必要があります。FIREは早期リタイアと経済的自立です。経済的自立の意味を理解していないと、「どのような準備をすべきか」が分かりません。
ただ早期リタイアするだけではFIRE達成できません。経済的自立とはどのような状態を意味するのか。そのうえで経済的自立を果たす。そして早期リタイアする。これがFIRE達成ですから、FIREを目指すためには、まずはFIREについて理解を深めておくべきでしょう。
FIREの「経済的自立」とは、早期リタイアしても生活費を賄える状態のことです。つまり、働かなくても生活できる状態を意味します。
働かなくても生活できる状態と言うと「預金をたくさん準備して、切り崩して生活する」と考える人もいます。FIREの場合は預金を何千万、何億円と準備して早期リタイア後に切り崩すのではなく、資産運用の運用益で生活費をまかないます。
たとえば月20万円の生活費が必要なら、この20万円を運用益でまかなうわけです。FIREの経済的な自立とは、「早期リタイア後に働かなくても生活できる」状態であり、「生活費を運用益でまかなえる」状態のことです。
FIREを達成するためにはリタイア後の生活費全額を貯めておくのではなく、投資の資金準備をして、金融商品を選び、実際に投資をして、資産運用により予定の運用益を出せる、という状況にしておく必要があります。このプロセスをすべてこなしてはじめてFIRE達成です。
FIREは経済的な自立を伴う早期リタイアである。経済的自立とは早期リタイアのために生活費が捻出できる状況にしておくことである。このように、FIREについて理解を深めておくことが重要です。
次にFIREにために必要な資金を知る
FIRE達成のためには「生活費(運用益)」を得るためには具体的にいくら準備しなければならないか、計算しなければいけません。そのため、FIREについて理解を深めたら、次は生活費と資産運用の準備資金について計算します。
FIREの生活費、準備資金には独自の計算方法があります。基本的にこの計算方法で年間の必要生活費を算出し、そこから資産運用に必要な資金を割り出すという流れです。
FIREに必要な資金を割り出したいときは、具体的に次の流れで行います。
・月あたりの生活費を確認する
・年間生活費を算出する
・年間生活費の25倍の額を算出する
FIREの資金や資産運用に関しては「25倍ルール」と「4%ルール」が基本的な考え方です。
25倍ルールとは、FIRE達成のためには年間生活費の25倍を資産運用の元手にするというルールになります。4%ルールとは、その25倍ルールで算出した元手を年4%で運用すれば生活費を無理なく捻出できるというルールです。FIREはこの2つのルールに基づいて必要資金を算出し、資金を準備します。
たとえば、確認したら月の生活費が30万円だったとします。30万円で年間の生活費を計算すると360万円です。25倍ルールで計算すると、「360×25倍」になります。25倍ルールで算出した金額を年4%で運用すると、月あたり30万円の生活費を捻出できる計算になるのです。
FIREの生活費、必要な金額計算については別記事に分かりやすくまとめました。参考にしてください。
FIREのために収入と支出を見直す必要がある
FIRE達成のためには、年4%の運用益を生み出すために資金(元手)を準備しなければいけません。FIRE達成のために必要な資金を計算したら、次に行うことは収支を見直すことです。
FIREのためには資金準備をする必要があります。そのためにも、支出を見直して、可能な限りFIRE達成の資金に回すべきではないでしょうか。FIRE達成のために収入が十分であっても、無駄遣いをしていてはFIRE達成が遅くなってしまいます。収入の多くを計画的にFIREの準備資金に回すことができれば、その分だけFIRE達成が早くなるというメリットもあるのです。
収入を見直し、改善できるところは改善する。そして、FIREの資金に回せるところは回してしまった方が良いでしょう。
必要な資金確保のため仕事や収入を検討しておく
FIRE達成のためには収入はないよりあった方が良いと言えるでしょう。収入が25万円の場合と30万円の場合で同じ生活をしていると仮定すれば、30万円の方がよりFIRE達成のための資金準備に有利だからです。
FIRE達成のためにも、必要な資金に対して収入が十分か計算してみましょう。あるいは、FIREをより効率的に達成するため、FIREの計画を練ると共に転職などを検討しても良いかもしれません。
FIRE達成のために収支を見直す場合は支出の見直しだけでなく、収入状況の見直しも行う必要があります。また、現在の収入と月あたりのFIRE進捗状況から、FIRE達成までにどれくらいの時間がかかるかも計算しておきましょう。
資格取得などFIREを達成しやすい状況を作ることも重要である
FIRE達成のために収入が心元ない場合は転職もひとつの方法ですが、このご時世ですから転職活動が成功するとは限りません。いきなり転職に踏み切るよりなら、資格試験の取得により収入アップを狙ってはいかがでしょう。
収入アップを狙える資格としては、独立開業を狙える資格や副業で使える資格がおすすめです。具体的には、私も仕事で使っている行政書士をおすすめします。
行政書士は独立開業でき、宣伝や仕事の仕方によっては収入アップを狙える資格です。他の士業のように顧問契約を前提としていないため、取引先にあわせる必要はまずありません。私などは午前中で仕事を終え、午後からはFIREのための投資にあてています。収入や仕事時間をコントロールしやすい士業だと言えるでしょう。
副業をするうえでも行政書士は取得して損はありません。案件を効率的にこなすことでまとまった副業収入を見込める仕事です。FIREに資格を活かすなら、行政書士を取得して、行政書士をしながら目指してはいかがでしょう。
最後に
FIREしたいときは5つのステップで進めます。この後に実際に投資をして資金を準備するという流れです。
私の場合は行政書士として仕事をして、投資や収支などを定期的に見直し、収入をコントロールしています。行政書士としてFIREを目指していると「FIREと行政書士は相性が良い」と感じられます。FIRE達成のためには、一度の収支の見直しだけでなく、定期的な見直しをしていきましょう。
・行政書士、実践者が「まずはこれをやろう」と説明する記事
・資金準備が必要なので、士業資格の取得など稼げるプロセスを身に着けることが重要
・行政書士をしながらFIREの実践を一例としてすすめる