FIREにおすすめの金融商品は?株式・不動産・債券・投資信託ならどれ?

FIREにおすすめの金融商品は?株式・不動産・債券・投資信託ならどれ?

FIRE達成のためには金融商品に投資して資金準備をしなければいけません。たとえば5,000万円準備するのに、すべて自分の収入から積み立てると、かなりの時間がかかってしまいます。しかし、投資で効率よく元手を増やせれば、すべて収入で資金準備するよりも短期間でFIREの準備が完了します。FIRE達成のために効率の良い投資は欠かすことのできない要素だと言えるでしょう。

FIRE達成後は年4%で運用し、運用益を生活費に充てます。資産運用に重点を置かないと、FIRE達成後の生活が破綻する可能性もあります。FIREにおいて投資、ならびに資産運用、そのための金融商品選びは極めて重要です。

私もFIRE実践者で、FIREについては当初の計画通りかなりスムーズに進んでいます。当然ですが金融商品は「FIREを達成する」という目標のもとで、しっかりと選んでいます。

近年、個人事業主やフリーランスの知人から「FIREを検討しているが金融商品選びで悩む」と相談を受ける機会が多くなりました。ですので、私の経験も含めて、FIREにおすすめの金融商品を「債券」や「投資信託」など、大きなカテゴリで紹介したいと思います。FIRE達成を目指している方はぜひ参考になさってください。

FIREにおすすめの金融商品は?

FIREにおすすめの金融商品は「ある程度のリターンを見込める金融商品」です。

たとえば、預金も抗議の意味では金融商品(金融サービスと言った方が良いかもしれませんが)に入ります。

ただ、預金の現在の性質としては「貯める」「保存する」「生活のために使う」ことに重点が置かれているのではないでしょうか。金利が底をついているこの時代に預金で積極的にお金を増やそうという人は、まずいないでしょう。

増えないということはFIREに必要な資金準備の際に多く割り振ると、資金準備の効率が下がってしまいかねないということです。また、FIREは年4%の運用益を生活費にするため、最低でも4%の運用益を出せるよう金融商品に投資しなければいけません。

預金はほぼお金が増えませんので、FIREのために積極的に活用することは、あまりおすすめできないと言えるでしょう。ただし、準備した資金をプールすること、生活に必要な支払いの引き落としに使うこと、個人事業主やフリーランスの報酬用口座として活用することはあり得ます。

FIREのために投資する金融商品を選ぶときは「ある程度のリターンを得られる」ことを念頭に選ぶことが重要です。ただし、リターンの多い金融商品はそれだけリスクも高くなります。リスクとリターンのバランスには注意が必要です。極端にリターンを追求すれば高リスクを取ることになるため、リスクとリターンはセットであることを理解し、リスクとリターンのバランスが取れている金融商品を選ぶことが重要です。

債券・投資信託・株式・不動産の中でFIREにおすすめなのは?

金融商品には大きなくくりで債券や投資信託、株式、不動産などがあります。不動産などはRIET(不動産投資信託)もあれば、不動産そのものへの投資などもあります。金融商品は大きなくくりからさらに個別銘柄などに細分化できるわけです。

ここでは金融商品をあまり細分化せず、大きなくくりでの金融商品ごとの特長とFIREへのおすすめ度について説明していきます。

債券の特長とFIREにおすすめか

債券とは「お金を貸して償還日に返済してもらう。返済までの期間に、あらかじめ約束した利息を払ってもらう」という金融商品です。

たとえば、企業が発行した債券に100万円を投資したとします。金利は1%でした。この場合は約束の日に投資した100万円を返してもらうことが可能です。さらに、年あたり1%の利息を受け取れるので、1年貸せば101万円、2年貸せば単純計算で102万円になります。返してもらったうえに利息で利益を得られるのが債券投資の魅力です。

また、債券の場合は償還日の前に市場で売却することもできます。100万円投資した債券が市場で105万円になっていたら売却し、5万円の売却益を得るという方法も可能です。

債券は日本の国や自治体、企業だけでなく、海外の国や団体、企業なども発行しています。海外で発行した債券は外債(外国債)などと呼ばれ、貸し付けに外貨を使うタイプも少なくありません。

債券は投資した分が返済されるという点でリスクの低い金融商品と言われることがあります。ただ、金融商品においてリスクとリターンはセットです。リスクが低いとそれだけリターンも望めません。現に日本の債券の金利は低めに設定されているため、大きなリターンを期待することは難しいと言えるでしょう。

債券投資はおすすめしない、とまでは言えませんが、リターンを考えると、主として投資したい金融商品ではありません。他の金融商品に投資した際に安全性のメリットを活かすかたちで補助的に投資することをおすすめします。

株式の特長とFIREにおすすめか

会社が資金調達などのために発行する株式への投資です。

株式投資の面白いところは、何といっても売却益ではないでしょうか。株価が1株100円のときに1,000株買えば10万円です。株価が1株150円に値上がりしたときに手放せば15万円ですから、5万円の利益になります。株式投資の魅力といえば、何といってもこの売却益を得ることではないでしょうか。株によっては配当や株主優待などもあるので、株主優待などを目当てに投資する人も少なくありません。

株式投資は比較的リスクの高い投資方法です。なぜなら、株式に投資したお金は元金保証がないからです。株式に投資した場合、値上がりすると売却により利益を得られます。しかし、株式は反対に値下がりすることもあるのです。値下がりすると元手はマイナスになります。債券のように投資した額を返済してもらえるという金融商品でもないため、元手がマイナスになったら赤字で、酷いときには元手がすっかりなくなってしまう可能性もあるのです。

銘柄によってもリスクはあります。小さな会社や新興企業の株式は値動きが激しくリスクが高いと言われています。しかし、大企業の株式や金融株などは比較的値動きが少なく、株式の中ではややリスクが低いと言われています。株式にはたくさんの銘柄がありますので、銘柄ごとに収益やリスクがかなり変わってくると考えた方が良いでしょう。

株式投資は株価の値上がりで大きなリターンを狙えるため、収益という点ではおすすめと言えるかもしれません。しかし、FIRE達成を目指す場合は株価の値動きにより資金がマイナスになる可能性もあるため、投資のリスクが不安でもあります。債券で安全性のバランスを取り、株式で収益性のバランスを取るなど、補助的に投資する金融商品として投資することをおすすめします。投資する銘柄としては、連続増配当株、高配当株、成長株などがおすすめです。

不動産の特長とFIREにおすすめか

不動産への投資方法にはさまざまな方法があります。ひとつは自分で不動産を購入し、より高い価格で売却して利益を得る方法があります。この方法は不動産投資の中でも多額の元手を必要とする方法です。利益も大きいのですが、不動産価格の暴落などがあると、その分損失も大きくなる傾向にあります。FIREのためにフリーランスや個人事業主が投資するには、あまり現実的とは言えない方法です。

不動産投資にはテナントや部屋、物件などを貸して賃料収入を得る方法もあります。

ずっと借りてくれる会社や人が見つかれば継続的に利益を得られる方法ですが、運よくそういった借主が見つかるとも限りません。また、貸すということは「使わせること」と表裏一体です。修繕や維持管理などに費用がかかるため、収益がマイナスになることも珍しくありません。FIREの資金調達を目的として、賃料収入を得られる投資方法もFIREではあまりおすすめしません。

自分が大家をやるタイプより、少額からできる不動産投資などを検討してはいかがでしょう。金融商品の中には不動産が組み込まれているタイプもあります。次の投資信託とも関係してきますが、REIT(不動産投資信託)などを金融商品のひとつとして検討してみても良いかもしれません。

投資信託の特長とFIREにおすすめか

投資信託とは各種の金融商品や銘柄のセットメニューのような金融商品です。プロの視点で投資方針にあわせて銘柄や金融商品を組み合わせたものが投資信託になります。株式などは投資家本人が運用しますが、投資信託の場合はプロの投資家が運用し、そのメニュー(投資信託)に1口1万円などその投資信託のルールに従って投資します。

投資信託も株式のように値動きします。価格が上がったときに売却すれば売却益を得られる金融商品です。また、投資信託はプロが株式や債券などさまざまな金融商品、各金融商品の銘柄を方針に応じて組み合わせた金融商品ですから、プロの運用成果によって配当などを受け取ることが可能です

投資信託は積極的に高リターンを目指すタイプもあれば、リターンはあまり期待できないがリスクの低いタイプなどがあります。

分散投資と言えば株式と債券など、金融商品ごとに資産を割り振ることを想像する人が多いかもしれませんが、投資信託の場合は株式中心のもとから債券中心のもの、値動きの激しいもの、値動きはあまりせずリターンも低めなものなど、さまざまなタイプがあります。そのため、投資信託の各銘柄に投資することで分散投資することも可能です。

投資信託は分散投資に使いやすく、株式の特定銘柄などに投資するわけではないため、アメリカ株式の投資信託などを中心にした運用がおすすめです。個人的には、FIREではぜひ組み込みたい金融商品です。

最後に

私は投資信託や株式などを中心に投資しています。

株式は成長株や連続増配当株、高配当株などを中心に投資しています。

投資信託については、リスクを抑えつつ投資リターンを狙える「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、ややリスクもありリターンも大きめの「iFreeレバレッジ S&P500」や「楽天レバレッジNASDAQ-100(レバナス)」などにも積立投資しています。

投資信託や株式に投資するなら、個人的にはこのあたりがおすすめです。

FIRE達成のために選ぶ金融商品は、個人の投資方針やリスク許容度によっても変わってきます。迷ったときの参考にしていただければと思います。