FIREのために知っておきたい投資信託の種類

FIRE達成のために投資する金融商品に投資信託を選ぶ人は少なくありません。

たとえば、FIRE達成者として知られている厚切りジェイソンさん。芸能人である厚切りジェイソンさんはすでにFIREを達成していることで知られます。メディアなどで投資についてのインタビューを受けることも多い方ですよね。

厚切りジェイソンさんがFIRE達成のために主に投資した金融商品は「投資信託」です。

投資信託は金融商品自体が分散投資になっており、仮に外国株に投資しても、個別銘柄の株価が買ったときより大幅にマイナス側へ動いてしまえばダメージは大きなものになることでしょう。しかし、金融商品自体がさまざまな銘柄や金融商品のセットメニューになっている投資信託であれば、組み込まれている銘柄のうちひとつが値下がりしても、他の銘柄がカバーしてくれます。仕組みの中にリスクヘッジと分散投資が織り込み済みになっているわけです。

今回の記事ではFIRE達成のための投資によく使われる投資信託の種類についてお話しします。FIRE達成のために投資信託に投資したいと思っている方や、これから投資をはじめたいと思っている初心者の方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

FIREの基本と投資の方向性

まずはFIREについて簡単におさらいします。

FIREは「経済的な自立と早期のリタイア」を両立する方法です。早期リタイアだけではFIREではありません。FIRE達成とは経済的な自立を果たし、リタイア後に年4%の運用益で生活できる状態を言います。年間生活費の25倍で計算した元手を年4%で運用すれば、元手を切り崩すことなく年4%の運用益だけで生活費をまかなえる計算になります。

たとえば、年300万円の生活費が必要なら、25倍ルールで計算すると7,500万円です。この7,500万円を年4%で運用することで、リタイア後の生活費にします。

FIREでは基本的に達成前の段階で元手を準備しますが、FIRE達成の難易度を下げるために、リタイア後も無理のない範囲で仕事をして生活費の不足分を補うという方法もあります。こちらは経済的な自立と早期リタイアというより、経済的な自立とセミリタイアという感じかもしれません。

FIREについては他記事で詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

FIREには4つのパターンがある!事例で徹底解説 FIREってなに?意味・考え方・方法を解説

FIREの達成、そしてFIRE後の生活のためには、目標のリターンを得なければいけません。投資においてリターンとリスクは表裏一体です。ある程度のリスクを取ってでもリターンを目指す必要があると言えるでしょう。

投資信託にもリスクは当然あります。しかしながら、投資信託は個別銘柄への投資ではなく、リスクやリターンを考えて多数の金融商品や銘柄が組み込まれています。ある程度のリスクを取りつつリターンを求めたいときに有用な金融商品が投資信託だと言えるでしょう。

投資信託には2つの区分がある

投資信託には大きく分けて2つの区分があります。

・公社債投資信託

公社債投資信託とは株式を一切組み入れずに運用されている投資信託のことです。

公社債投資信託の中心になっている金融商品は国債や社債、公社債などの債券になります。債券は金融商品の中でもリスクが低いと言われていますので、公社債投資信託は安定感のある債券ばかりを組み入れた手堅い投資信託だと言えるでしょう。

株式投資信託は株式を組み入れて運用している投資信託です。

外国株を中心にしている投資信託もあれば、債券と株式を組み合わせている投資信託もあります。アメリカや日本など特定の国の株式で構成している投資信託もあります。

また、株式を一切組み込んでいない投資信託もあるのです。ハイイールド債(リターンは多いがリスクも高い債券)で構成されている投資信託などが代表例です。これらは株式が組み込まれていなくても株式投資信託に区分されます。公社債投資信託以外の投資信託が株式投資信託に分類されると考えれば分かりやすいかもしれません。

日本には5,000以上の投資信託があると言われています。数多くの投資信託は大まかな分類として「公社債投資信託」あるいは「株式投資信託」に区分されています。

FIRE達成のための投資に使うのは、主に株式投資信託の方です。

投資信託の主な種類は5種類ある

投資信託には主に5つの種類があります。

・購入時期

・分配方法

・組み込まれている金融商品

5つの投資信託の種類は、以上の5つのポイントで分けられています。

MRF(マネーリザーブ・ファンド)

公社債投資信託の一種です。証券会社の口座は銀行口座と同様に資金をプールできます。そして、株式などを買い付けるときに口座からお金を引き出し決済できる仕組みです。ただ、証券会社の口座は、厳密には銀行の預金口座とは異なります。証券会社の口座は投資信託でできている口座なのです。

証券会社では口座にお金をプールする場合は現金でMRFを買い付け、株式などを購入するために引き出すときはMRFを解約するという仕組みになっています。

MRFは投資信託の一種である以上、値動きや元金割れのリスクがあります。ただ、現時点までMRFがマイナスになったことは一度もありません。今後も、日本が大事で傾くようなことでもなければ、まず元金割れなど起こさない投資信託だと言えるでしょう。なぜなら、MRFは「お金をプールしておく」「保存しておく」ことに力を入れている投資信託なので、組み込まれている金融商品は極めて手堅いものばかりだからです。

MRFではコマーシャルペーパーや格付けの高い債券などが組み込まれており、投資信託に組み込みできる金融商品には極めて厳しいルールがあります。

MRFは1円単位、手数料無料で買い付け可能です。元金保証はありませんが、証券会社の口座用投資信託なので、厳格な運用がなされているのがMRFです。

FIRE達成の際にMRFを投資用として利用することはまずないでしょう。リターンがほぼ見込めないからです。ただし、投資信託や株式の買い付け資金をプールするためにお世話になることはあるはずです。

公社債投資信託

公社債投資信託は安定性の高い債券が組み込まれている投資信託です。安全性とリターンに関しては「安全性が高ければリターンはあまり期待できない」という関係です。銀行預金が良い例です。

銀行預金は安全性の高いサービスですが、利息によるリターンは期待できません(バブル期はかなり期待できましたが)。公社債投資信託も同じで、投資信託の中では安全性の高い金融商品で構成されているため、リターンはほぼ期待できません。FIREでリターンを狙うためにはあまり縁のない投資信託かもしれません。

公社債投資信託は1口1円で、1万円単位から投資できます。基本的に手堅い投資信託ではありますが、金利上昇の局面では組み込まれている債券の価格が下落する可能性があるため、元金割れのリスクはゼロではありません。

外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)

MRFの外貨バージョンのような投資信託です。米ドルなど日本でよく投資にされている通貨を外貨のままでプールしたいときによく使われています。

たとえば、外債に投資したいと考えていました。しかし、すぐに投資したい外債が見つかりません。現在、外貨が安くなっているため、先に外貨だけ買い付けてプールし、投資したい外債はゆっくり見つけようと考えました。このようなケースで外貨建てMMFはよく使われています。

また、外貨建てMMFは日本円で運用するMRFより利息が高いため、利息目当てで運用する人もいます。外貨建てMMFの金利は、プールしている外貨と同水準だからです。

外貨の金融商品なので為替リスクはゼロではありません。しかしながら、外貨建てMMF自体は格付けが高く安全性の高い債券で運用されているため、比較的安定しており、リスクが低いタイプの投資信託だと言えるでしょう。

銀行の外貨預金に似ている(まったく同じではありませんが)投資信託だと考えれば分かりやすいかもしれません。

オープン型(追加型)株式投信

投資信託の中でも株式を組み込み、市場や相場などからタイムリーな銘柄を組みこんでいるタイプです。

すでにお話ししましたが、あくまで基本は株式を組みこんでいますが、中には株式を含まないタイプもあります。一般的に市場で売買できる投資信託の種類だと考えれば分かりやすいことでしょう。

オープン型の株式投資信託は市場や相場の「今」を見るため、積極的な値上がりやリターンを期待できるタイプです。今が狙い目である。今好調の銘柄や金融商品に積極的に投資したいということであればこのタイプがおすすめです。

なお、このタイプの投資信託は非常にバリエーション豊かです。申し込み時の条件やリスクの高さなどは投資信託によって異なるため注意してください。

スポット型(単位型)株式投信

同じく株式を組み込んだ投資信託です。オープン型と同じく株式投資信託ですが、中には債券などを中心にしているタイプがある点も同じになります。

スポット型の投資信託は、タイムリーな銘柄の中でも「成長性」を大切にしている投資信託が多いと言われています。現在の市場や相場に注目するのではなく、将来的な成長が期待できる銘柄や金融商品を組み込んでいる投資信託です。

この投資信託の場合、1回限りの公募になります。申し込み時の条件については投資信託によって異なるため注意が必要です。

最後に

投資信託と一言にいっても区分や種類があります。区分や種類が分かれば、投資信託の情報から「どのようなタイプか」読み取れますから、投資したいものをさらに選びやすくなるはずです。

投資信託を選ぶ際は情報を見ながら「どのような種類か」考え、参考にしてはいかがでしょう。

・投資信託にも種類がある。種類を解説し、FIREを目指すならある程度リスクを取ってリターンを得ることも重要だと説明する。

・最終的に行政書士さんがおすすめしていた投資信託の個別銘柄の説明に繋げたいと思います

https://www.jsda.or.jp/jikan/qa/052.html