NISA/積立NISA/ジュニアNISAとは?違いや使い方

投資をしようと調べているとNISAという言葉に突き当たるのではないでしょうか。

NISAは投資の際に使える口座タイプのひとつです。個人事業主もNISA口座は使えますので、投資をするときは「NISAを使うべきか」「どのタイプのNISAにするべきか」「NISAを使う場合、どこの金融機関に申し込むべきか」などに悩むことになります。

今回は個人事業主の投資で知っておきたいNISAについて解説します。

・NISAの内容

・NISAの種類と違い

・NISAのメリット、デメリット

・NISAの使い方

基本的な4つのポイントについて説明します。

NISAとは?

NISAとは「非課税口座」のことです。

株式や投資信託に投資をすると、利益に対して一律20%の税金がかかります。これはどの証券会社、銀行、信用金庫の口座を利用しても同じです。ただし、NISAを利用すれば別。NISAで口座を作れば、その口座に関しては一定額まで投資の利益が非課税になります。

投資の利益が非課税になる口座。そして、投資の利益を非課税にして資産運用や投資を推進するための制度がNISAです。

NISAの種類と違い

NISAには3つの種類があります。

・一般NISA

・つみたてNISA

・ジュニアNISA

3つのNISAは対象や非課税枠、非課税の対象にできる投資商品などの違いがあります。また、現在NISAの見直しが進んでおり、2024年以降に新しいNISAが登場する予定になっています。

一般NISA

一般NISAはNISA口座の中で最もスタンダードなタイプです。

一般NISA口座で投資している株式や投資信託の譲渡益や配当金が毎年120万円(最大600万円)まで非課税になります。株式に非課税で投資したい。投資信託と株式どちらもやりたい。こういった場合は一般NISAが向いています。

一般NISAの口座を作れるのは日本に住んでいる20歳以上の人です。1人1口座しか作れませんので注意してください。また、一般NISAの最長期間は5年になっています。

つみたてNISA

つみたてNISAはNISA口座の中でも長期積立による資産運用に特化した口座です。

口座を作れるのは日本在住の20歳以上で、1人1口座という点は一般NISAと変わりません。ただ、つみたてNISAの場合は投資信託の譲渡益や配当が対象になっています。株式などで積極的に利益を狙うのではなく、こつこつと投資信託で長期的に資産を育てたいときに有用な非課税口座がつみたてNISAです。

つみたてNISAは年40万円が非課税枠で、非課税枠の限度は800万円になっています。一般NISAと併用することはできず、つみたてNISAと一般NISAのどちらかを選ぶことになります。

また、つみたてNISAの最長期間は20年です。積立による資産形成を目的としているため、一般口座より期間が長くなっているのです。

ジュニアNISA

一般NISAとつみたてNISが20歳以上を対象にしていることに対し、ジュニアNISAは未成年を対象にしています。子供が「株式投資をしたいな」という場合はジュニアNISAを利用可能です。

ジュニアNISAの対象は株式や投資信託の譲渡益や配当なので、一般NISAと対象に関してはほぼ同じになっています。1人1口座しか作れないところも一般NISAやつみたてNISAと同じです。こどもNISAの非課税枠は毎年80万円になっています。期間は最長5年です。

ジュニアNISAの最大の特徴は、お金の引き出しに制限があることと、口座の運用管理者が親族になっていることです。

ジュニアNISAは18歳までお金の引き出しが制限されています。一般NISAやつみたてNISAは口座を作った本人が管理運用をしますが、こどもNISAは子供用の非課税口座になっているため、管理運用は両親や祖父母など2親等内の親族がおこないます。

2024年にはじまる新しいNISA

より多くの人に使ってもらうため、NISAの見直しがおこなわれました。2024以降は見直し後の新しいNISA口座を利用できる予定です。

新しいNISA口座は、つみたてNISAと一般NISAを混ぜたような口座になっています。

新しいNISAは2階建てで、1階の非課税枠は毎年20万円で最大が100万円。2階の非課税枠は毎年102万円で、最大500万円になっています。

また、1階の非課税対象は投資信託の配当や譲渡益で、2階の非課税枠の対象は株式や投資信託の配当や投資信託です。1階がつみたてNISAに似ているタイプ、2階が一般NISAに似ているタイプだと考えれば分かりやすいのではないでしょうか。

新しいNISAは18歳から利用可能で、最長の期間は5年になっています。1人1口座という点は同じです。

NISAのメリット・デメリット

NISAの最大のメリットは非課税で投資できるところではないでしょうか。一律20%の課税がなくなれば、その分だけ手元に入る利益は増えます。

投資をしている人は「資産を増やしたい」「投資で成功したい」「投資の利益はできるだけたくさん欲しい」と思っているわけですから、非課税で投資できるのは魅力的です。ただ、NISAにはデメリットもあるため、使用に際しては注意が必要になります。

NISAをより理解するために、メリット・デメリットについて確認します。

NISAのメリット

NISAのメリットはすでにお話しした通りです。非課税で投資できる点が最大のメリットでしょう。

たとえば10万円の利益が出た場合、税金は一律20%なので、2万円を税金で持っていかれる計算です。しかしNISAで投資していれば非課税になりますから、利益である10万円を丸ごと受け取れるわけです。

税金分も自分の懐に入る。資産運用や投資において、この差は大きいはずです。

NISAのデメリット

NISAのデメリットは損益通算や繰越控除が使えないところです。投資をしていて損が発生すると、損益通算や繰越控除などを利用して損失を出したときの税金負担をおさえることが可能です。

NISA口座は非課税なので「非課税にしてやっているのだから、損を出しても他のプラスと通算してはダメ」と厳格になっています。損益通算や繰越控除を使うことで税金関係は複雑化します。非課税により税金関係が簡便かつ明快になっているNISAと損益通算や繰越控除は馴染まないともいえるでしょう。

NISA口座は損益通算などができないという前提で投資をする必要があります。また、ある程度の損で投資商品に見切りをつけるなど、自分なりの工夫も重要になります。

NISAの使い方

NISAの使い方はいたってシンプルです。基本的には証券会社や銀行に口座開設するときの流れと変わりません。証券会社や銀行にNISA口座の開設を申し込み、その口座内で株式や投資信託を運用するという流れです。

口座開設のときに「NISAで」と申し込まなければ普通の証券会社や銀行の口座になってしまうため、この点だけは注意してください。

・NISA口座のタイプを選ぶ

・証券会社や銀行などの中から口座開設先を選ぶ

・NISA口座の開設を申し込む

・開設した口座内で投資信託や株式を運用する

以上が基本的な流れになります。証券会社などに口座開設をしたことのある人は、おそらく迷わずにできてしまうと思います。

気をつけたいのは、NISA口座を開設する会社です。NISA口座を解説できるのは証券会社や銀行、信用金庫などです。金融機関によって取り扱い金融商品に差がありますので、選ぶ際は扱っている金融商品(かつNISAの対象になるもの)をチェックしておきましょう。

たとえば、株式の投資に興味があったのに、銀行に勧誘されてNISA口座を開設したとします。株式は基本的に証券会社ですから、「しまった。NISAで株取引ができない!」と後悔しました。「何となく」で口座開設をしてしまうと、このように後から頭を抱えることになります。

金融機関を切り替えることも可能ですが、その場合は相応の手続きが必要になります。面倒な手続きをせずに済むように、そしてスムーズに資産運用できるように、最初からそれぞれの金融機関をよく比較して口座開設することをおすすめします。

まとめ

NISAは個人事業主が投資をする際に有効活用したい制度・口座です。

非課税には枠があるため、NISAを使っても無限に投資の利益が非課税になるわけではありません。しかしながら、枠内であれば非課税で利用できるため、投資利益の手取りが増えることになります。これを利用しない手はありません。

NISA口座にも種類があります。自分に合った種類の口座を選択することが重要です。2024年の新NISA口座などもチェックしておきましょう。