資格試験には、
・国家資格
・民間資格
の2つの種類があります。
資格試験を取得する際は「資格を取って何ができるのか」も重要ですが、民間資格と国家資格の違いも大切になってきます。資格試験を「受けてみようかな」と考えているときは、国家資格か、それとも民間資格かというポイントにも注目してみてはいかがでしょう。
この記事では、国家資格の有資格者が国家資格と民間資格の違いや、国家資格を取得するメリットなどを解説します。
国家資格の種類や取得するメリットなども説明しますので、「資格を取って独立開業したい」と考えている方や、「資格を取りたいがどの資格に挑戦するかで迷っている」という方はぜひ参考にしていただければと思います。
目次
国家資格とは?メリット・デメリット・主な資格など
国家資格とは国のルール・法律・基準によって試験・資格の認定が行われている資格試験のことです。
いわゆる「日本という国がやっている資格試験」になります。
代表的な国家資格
代表的な国家資格には、いわゆる「士業」があります。
行政書士や司法書士、社会保険労務士、気象予報士、社会福祉士など「士」のつく資格試験が多くなっているところが特徴です。また、知名度の高い資格であるファイナンシャルプランナー(FP)も国家資格になっています。
国家資格には300ほどの種類があり、行政書士やFPなどの知名度の高いものから、あまり知られていないマイナーなものまであります。ピアノ調律技能士やクリーニング師などは、世間的にはあまり知られていない資格かもしれません。
意外な資格が国家資格だったりするため、とりあえず資格試験を受けてもたら国家資格だったというケースも少なくありません。
国家資格を取るメリット
国家資格を取るメリットは3つあります。
・国からのお墨付きを得られる
・信用度が高い
・独立開業できる
国家資格を取るメリットは、第一に世間の信用度が高いというメリットです。
世間的にも国家資格には「難しい」「国の資格だ」「伝統的な資格が多い」といった印象があるため、「国家資格を持っている」と言えばやはり「凄い」と言われることが多いと言えます。加えて、国家資格は日本という国の資格なので、国からお墨付きを得られる点もメリットです。
国家資格には独立開業できる資格が多いというメリットもあります。行政書士や司法書士、FPなどは、独立開業できる代表的な国家資格だと言えるでしょう。
独立開業できるということは働き方の幅や人生の選択肢を増やせるということです。さらに年収を増やせるチャンスでもあります。独立開業できる国家資格の取得には、働き方・人生の選択肢・年収面のメリットもあると言えます。
国家資格を取るデメリット
国家資格にはデメリットもあります。
・全体的に難易度が高い
・世間的な印象と違っていることがある
国家資格には300もの種類があるので、そのすべてとは言いませんが、全体的に難易度が高くなっています。また、国家資格の中には飛び抜けて難易度が高く、難関資格の常連として名前を連ねているものも多数あります。全体的に難易度が高いというより、飛び抜けて難易度の高い資格が複数あるため、国家資格全体の難易度を底上げしていると言った方が正しいかもしれません。
国家資格には世間的な印象と違っているというデメリットもあります。独立開業できる反面、その資格だけで独立開業してもあまり稼げないというケースも少なくありません。単独で独立開業して稼げる国家資格と、単独で独立開業してもあまり稼げない資格が混在しています。
民間資格とは?メリット・デメリット・主な資格など
民間資格とは民間の企業や組織、団体が資格試験の実施・認定を行っている試験のことです。
民間資格の中でも知名度の高い資格は多く、中には会社の求人の条件になっている資格などもあります。
代表的な民間資格
CAD利用技術資格やインテリアコーディネーター、TOEICなどは民間資格になっています。漫画やドラマなどでよく出てくる知名度の高い資格であるソムリエなども代表的な民間資格です。
この他に、漢検や英検など、よく知られた資格も民間資格になっています。
民間資格を取るメリット
民間資格には3つのメリットがあります。
・挑戦しやすい
・面白い資格もたくさんある
・仕事にできる
民間資格には挑戦しやすい資格も少なくありません。
たとえば、趣味でハーバリウム作りをしている方には「ハーバリウム認定講師」の資格があります。このように趣味の延長上で取得できる資格が多いのが民間資格のメリットになっています。趣味の延長線上であれば、資格試験にも挑戦しやすいことでしょう。
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仕事に使える民間資格は少なくありません。また、就職や昇進のプラス評価になる資格もあります。副業としても使える民間資格は多く、活かし方次第で仕事や副業、収入面で大きなメリットになります。
民間資格を取るデメリット
民間資格の取得には3つのデメリットがあります。
・趣味の資格が多い
・お金にならない資格も多い
・独立開業は難しい
民間資格には趣味で取る資格も多いというデメリットがあります。
特にこだわらない場合はいいのですが、資格を取る上は活かしたいと考える方も多いはずです。民間資格を取っても「あくまで趣味」で終わってしまい、仕事や収入面に活かせない(役に立たない)ことは少なくありません。仕事に活かしたいと考えている方にとってはデメリットかもしれません。
「取ったら凄いが、特に独立開業はできない」という資格が多いのも民間資格の特徴です。たとえば漢検や英検の難しい級に合格するのは凄いですが、それだけで独立開業できるわけではありません。
仕事に活かしやすい資格や就職・進学・転職などでプラスになる資格も多いのは確かです。ですが、単独での独立開業は難しいかもしれません。
国家資格と民間資格の違いは3つ
国家資格と民間資格には3つの違いがあります。
・資格を管轄している先
・資格の難易度
・独立開業のしやすさ
国家資格と民間資格では資格を管轄している先が違う
国家資格と民間資格では資格を管轄している先が違っています。
国家資格の場合は国のルール・法律で資格試験の開催や認定、管轄がなされています。国が管轄しているからこそ国家資格です。
民間資格は民間の団体や企業、組織が認定・統括しています。資格を作るのも民間の組織や団体などです。民間の組織や団体などが管轄している資格試験だからこそ民間資格になります。
国家資格と民間資格は取得の難易度が違う
国家資格には有数の難関資格が名を連ねています。
民間資格にももちろん取得の難易度が高い資格もありますし、資格に挑戦する条件が厳しい資格もあります。ただ、全体的に見ると民間資格には資格の延長線上のような資格も多いわけですから、挑戦に際しての敷居の高さや平均的な難易度では国家資格の方に軍配が上がるのではないでしょうか。
ただ、最終的には個別の資格によってかなり難易度が違うため、民間資格だから簡単、国家資格だから難しいという単純な話ではありません。国家資格と民間資格という括りで比較することはナンセンスかもしれません。
国家資格と民間資格は独立開業のしやすさが違う
国家資格と民間資格では独立開業のしやすさが違ってきます。
国家資格には独占業務の資格も少なくありません。また、士業や医師などは独立開業しやすい資格です。国家資格には独占業務が多い。独立開業しやすい有名資格が多い。以上の点で比較的、独立開業しやすいと言えるでしょう。
ただ、民間資格にも仕事に使える資格は多く、活かし方は資格を取得した人次第です。趣味の延長上のような民間資格でも、活かし方によっては独立開業や収入アップなどに繋がる可能性もあります。単純に国家資格や民間資格だけで比較はできないと言えるでしょう。
国家資格と民間資格の変わらないところ
国家資格と民間資格にも変わらないところがあります。
国家資格と民間資格の代表的な変わらないポイントは、
・資格を取るためには受験料や所定の手続き、資格試験が必要になる
・試験や基準にパスしなければ合格しない
以上の2つです。
国家資格も民間資格も資格試験であり、資格を取るためには受験料を払って勉強し、試験にパスしなければならないという点では同じになっています。
公的資格とは?2005年に廃止された資格|補足
2005年まで日本には国家資格と民間資格の他に公的資格もありました。
公的資格とは官公庁の後援を受けた団体・組織が実施していた資格のことです。
公的資格は2005年に廃止されていますが、現在もネットなどでたまに名前を見かけることがあります。また、資格試験によっては今もって公的資格のようなPRを行っていることがあります。
廃止された後もなぜ名称を見かけるかと言うと、官公庁が資格試験の後援しているケースがあることや、過去の公的資格を指して「公的資格」が使われることがあるからです。
https://www.mext.go.jp/a_menu/kouenmeigi/
注意したいのは公的資格の名称を使っているからと言って、特定の官公庁がその資格の取得を特別におすすめしているわけではないという点です。公的資格という言葉を使った過剰なアピールや、あたかも官公庁が推奨しているような宣伝広告には注意する必要があります。
また、公的資格だった証券外務員や簿記などを未だに公的資格と呼ぶこともあるため、公的資格という言葉は現在でも普通に使われています。
最後に|資格選びでは合格後に「何がしたいのか」が重要
国家資格と民間資格の違いについて解説しました。
国家資格と民間資格には管轄先の違いなどがありますが、どちらも資格であるという点では同じです。国家資格や民間資格という括りにこだわらず、「何がしたいのか」を踏まえて資格試験選びをすることが重要です。
別記事ではおすすめの国家資格を紹介しています。挑戦する資格で迷っている方は、ぜひ別記事もチェックしていただければと思います。