FIREとは「早期リタイア」のことです。
なぜ仕事を続けるのかというと、生活のため。もっと言えば、生活に必要なお金のためですよね。日本の定年は60歳以降で、多くの人が年金受給年齢あるいは年金受給年齢近くまで「生活のお金のために」働いている状況です。人によっては生活に必要なお金を稼ぐため、かなり高齢になるまで働き続ける人もいます。
生活のお金のために働き続けるということは、逆に考えると「生活に必要なお金があれば仕事をしない」ともいえるのではないでしょうか。生き甲斐のために働く人もいるでしょうが、生活費のために苦心して働いている人の場合は、生活できるお金があればあえて労働は選ばない可能性が高いでしょう。
FIREは投資などであらかじめお金を準備しておいて早期リタイアする方法です。お金の準備ができて「利息も含めて生活できる」と判断できた段階で早期リタイアします。投資が順調でお金さえ準備できれば30代や40代で早期リタイアしてもいいわけです。後は準備したお金でゆったりと生活できます。
今回の記事ではFIREを達成した人がどのようなことをしているのか見てみましょう。FIREを達成している人には共通点があり、私自身もその共通点は参考にしています。
目次
FIREの達成者がやっている5つのこと
FIREは投資によって将来の生活資金を準備して、早めにリタイアする方法です。何となく投資をしている。何となくお金を貯めている。このような「何となく」では、将来的な生活資金を早めに準備し、早期リタイアはできません。
生活のためのお金を稼ぐ生活から早めにリタイアするためには、FIREの達成者が実際にやっていることが参考になります。特に参考になる5つのことを順番にご紹介します。
FIRE達成後に「どんな暮らしをしたいか」を思い描く
FIREを達成している人たちがしている第一のことは、将来を思い描くことです。
FIREを達成して早期リタイアしたいということは、将来的に理想とする暮らしがあるからではないでしょうか。
たとえば、50代までで投資により生活資金を貯めて早期リタイアし、ガーデニングや旅行などを楽しみながら生活する。あるいは、40代で早期リタイアし、仕事とは関係なく美しい場所、好きな自治体を転々と自由に引っ越しして生活するのもいいでしょう。仕事と投資を45歳まで頑張って生活資金をため、以降は自分の趣味に生きるという生活でも良いかもしれません。「こんな暮らしがしたい」を思い描くことは重要なことです。
FIREを達成するためには、ときに買い物や生活の見直しも迫られます。人によってはモチベーションの維持が難しいという問題があります。将来したい暮らしを思い描くことができれば、FIRE達成のためのモチベーション維持に役立つはずです。
FIREを達成するためにも、まずは「FIREを達成しどのような暮らしをしたいか」を思い描いておきましょう。より具体的であればあるほど、FIRE達成のモチベーション維持にもプラスになるはずです。
FIRE達成のためにまずは生活費の計算をする
FIREを達成するためには「生活費がいくら必要か」をまず計算しなければいけません。何となく投資でお金を稼いで早期リタイアしても「実は生活費が足りなかった」となる可能性があるからです。生活費の計算に失敗して高齢になってから「やっぱり働くわ」では、FIREを達成したとはいえませんよね。
・生活費はいくら必要か(年間生活費)
・年間〇万円の生活費なら合計額はいくらになるか(早期リタイア後の必要生活費の総額)
最低でも、このくらいは計算しておくべきです。
たとえば、年間320万円の生活費が必要だとします。夫婦がリタイア後に必要な1カ月あたりの生活費は20万円ほどだといわれています。ゆったりと趣味などを楽しみたいならプラス10万円は考えておくべきだ、などともいわれますよね。
これはあくまで目安としての生活費で、実際の生活費は個人によって違うはずです。プラモデル作りが趣味の人と旅行が趣味の人では、必要な生活費も違ってくることでしょう。また、地方の一軒家に住んでいる人と首都圏のマンションに住んでいる人では賃料や固定資産税などの面で違いが出てきます。
目安はあくまで参考程度に。自分が納得できる生活をするためにはいくら必要か考えることが重要です。
FIRE達成のために目標金額を明確にする
FIREのためには将来的にいくら必要かを計算しておかなければいけません。闇雲に投資してお金を貯めようとしても、目標金額を明確にしておかなければ「足りなかった」「どれだけ貯めればいいのか分からない」となってしまうからです。
また、ゴールが明確でないと、ずっと走り続ける(お金を貯め続ける)ことになりますから、モチベーションの維持も難しくなります。ゴールのないマラソンをしているようなものです。
FIREではお金を貯めてひたすら切り崩すのではなく、年4%で運用しながら生活します。また、FIRE達成のために必要な生活費用は年間生活費の25倍といわれていますので、自分の生活状況から算出した生活費をベースにして目標金額を計算しておきましょう。
なお、FIREには、達成後に無理のない範囲で個人事業主や在宅ワークをしてお金を稼ぐサイドFIREもあります。サイドFIREの場合は無理のない範囲で仕事もしますので、FIRE達成のための目標金額も低くなるのです。どのようなFIREを目指すのか決めたうえで目標金額を計算すると、より明確なゴールが見えてくるはずです。
FIRE達成のために収支や買い物を見直す
FIRE達成のためには、生活や買い物を見直すことも重要です。たとえば、ストレスで買い物をしてしまうタイプや、特定の嗜好品などに目がないタイプなどは、ついついお金を使ってしまいがちです。FIREを達成するためには無駄な出費をおさえて、その分を投資に回した方がより効率的に目標達成できることでしょう。
節約のし過ぎでストレスを溜めてはモチベーション維持に関わります。なので、無理してまで現在の生活を変える必要はありませんが、最低限、無駄を削ることは重要です。
たとえば、サブスクなどに加入している場合は「使っているか」をよく考えてみてください。サブスクに加入している場合はお金を払い続けなければいけません。あまり使っていないのであれば解約してしまうのも手です。
この他にも不要なサービスにお金を払っていないか、いらない買い物をしていないか、収支状況や生活を見直してみてください。
早期FIREを達成するためにも、無駄な支出や買い物の分は投資の元手に回してしまうことが重要です。FIRE達成者は定期的な収支の見直しや、無駄な出費を削減して投資の元手に回すことを、実際によくやっています。
自分に合った投資・資産運用の方法を見つける
FIREを達成している人たちがやっているのは、自分に合った投資・自分に合った方法の徹底です。
たとえば、株式を中心に投資していたとします。知人から仮想通貨を勧められましたが、リスクやリターンなどの面からあまり乗り気ではありませんでした。自分向きではないという印象も受けました。ここで仮想通貨に手を出してみるのもひとつの手ですが、FIREを達成する場合は次から次へと新しいことに手を出すより、自分に合った方法を見つけて実践することが重要です。
投資は将来の生活資金を準備するためにも大切なことですから、FIREを達成するためにも、早めに自分に合った投資の取捨選択や方法の確立をしておきましょう。
まとめ
FIREの達成者がやっている5つのことについてご紹介しました。
5つのことはすべて基本的なことばかりです。目標を決め、資産運用にお金を回し、自分に合った運用や投資を見極める。基本的なことですが、重要なことになります。
FIREを考えている方は、まずはこの5つのことを実践、意識していきましょう。