50代でもFIREはできる!今からすべきことやおすすめのFIREタイプを解説

50代は退職を目前にした年代です。

そのため、「今から頑張ってもFIREは難しいだろう」と思うかもしれません。

50代でもやろうと思えばFIREは可能です。

この記事では50代でFIREに挑戦したいという方のために、今からやるべきことやおすすめのFIREのタイプについて解説します。

FIREについて知識を深め、ほんの少し早めに退職してみませんか?

FIREとは?意味やタイプなど

FIREとは、資産運用の利益で生活費をまかない、早期退職を実現する方法のことです。

50代の多くの方は生活のために仕事をしているのではないでしょうか。

仕事をしなくても資産運用で生活できる仕組みを構築できれば「そろそろ体が辛いので仕事を早めに辞めてしまいたい」「ずっと働き詰めだったので、家族でのんびりしたい」「体が元気なうちに仕事も楽しみたい」という方でも安心して早期退職できることでしょう。

事前に必要資金を計算して準備し、その準備資金を運用する。運用の利益を使って生活する。これがFIREの基本的な仕組みになっています。

FIREの具体的な方法とは?

FIREは3つのステップで進めます。

  1. まずは月/年あたりの生活費を計算する
  2. 年の生活費を25倍し、必要な資金を算出する
  3. 25倍の資金を4%ルールで資産運用し、生活費を捻出する

FIREを目指すにあたって、まずは生活費がいくらかかっているか計算します。

月/年あたりの生活費が分からないと、資産運用で月/年あたりどのくらいの運用益を捻出しなければならないか判断できないからです。

たとえば月30万円の生活費だった場合、年の生活費は360万円になります。25倍ルールで必要な準備資金を算出すると9,000万円です。月25万円だと年の生活費は7,500万円になります。月20万円だと6,000万円になります。生活費に応じた資金を貯蓄や資産運用などで準備し、その資金を4%で運用することで生活費を捻出するわけです。

なぜ4%の資産運用かというと、これはアメリカの経験則から生まれた数字です。4%の運用益を出せばその分を生活費に充てることが可能ですし、4%分の範囲内で生活できれば準備した資金を切り崩す必要もありません。

これがFIREの具体的な方法です。

FIREには5つのタイプがある

FIREには5つのタイプがあります。

タイプによっては無理のない範囲内で仕事をすることもあります。

  • ファットFIRE / FIRE達成後は資産運用の利益で裕福に(ファットに)生活するタイプのFIRE、例:国内不動産や海外不動産、債券などで必要な生活費をまかない余剰資産で旅行やグルメ、趣味を楽しむ
  • リーンFIRE / FIRE達成後は資産運用の利益内で慎ましやかに生活するタイプのFIRE、例:資産運用の4%の利益内で無理をせず、節約などもしながら生活する
  • コーストFIRE / 生活費は資産運用でまかなうが趣味の範囲で仕事をするタイプのFIRE、例:生活費には資産運用の利益を充てて、趣味で絵画の講師をやる
  • サイドFIRE / メインの生活費には資産運用の利益を充て一部の必要資金は自分で稼ぐタイプのFIRE、例:FIRE後に冠婚葬祭が相次いで支出が多くなったので資格を使って支出分をまかなう
  • バリスタFIRE / 資産運用で大部分の生活費をまかない足りない分は稼ぐタイプのFIRE、例:月あたりの生活費が20万円で資産運用の利益は月15万円なので足りない5万円分はパートで稼ぐ

FIREのタイプについては別の記事に意味、メリット、デメリットなどを詳しくまとめました。

参考にしていただければと思います。

FIREの5つの種類とそれぞれのメリットや難易度などを解説

50代におすすめのFIREの種類はどれ?

50代におすすめのFIREはリーンFIREやコーストFIRE、サイドFIREなどです。

リーンFIREやコーストFIREは資産運用の利益内で生活します。リーンFIREの方は仕事を完全に辞めてしまいますが、コーストFIREは趣味の範囲内で仕事をするところが特徴です。

今まで仕事が忙しかったから、自宅でゆっくり休みたい。もう仕事をしたくない。健康や体力に不安がある。このような50代の方の場合はリーンFIREがおすすめです。

今まで仕事が忙しく趣味に充てる時間がなかった。趣味関係の資格を持っていて、ぜひ活かしたい。仕事をしていた方が生活リズムが狂いにくい。このような50代の方の場合はコーストFIREがおすすめです。

士業などの資格を持っている方は、自分の生活に合わせて柔軟に仕事ができます。もしものためにある程度たくわえを増やしておきたいという方や支出に合わせて収入をコントロールしたいという方の場合は、資格を活かせるサイドFIREがおすすめです。

50代でのFIREのために今からすべきこと

50代でのFIREを目指すなら、やっておきたいことが3つあります。

  • 生活費の計算をする
  • 資産運用を学ぶ
  • FIREのタイプを選ぶ

①    月/年あたりの生活費を算出し資金計画を立てる

FIREを達成するためには年齢に関係なく「資産運用のためにどのくらいに資金が必要か」把握する必要があります。そのためにもまず、月あたりの生活費と年あたりの生活費を算出しなければいけません。

50代でFIREを達成するための計画を立てるためにも、まずは生活費の算出からはじめてはいかがでしょう。

40代や50代の方だと、まとまった額を貯金していることも少なくありません。

いざというときの資金としてプールする分と資産運用(FIREに回す用)をどうするか判断することも、真っ先に行いたいことです。「今後いくら準備すべきか?」という資金計画に関係してくるからです。

②    FIREのために資産運用について学ぶ

FIRE達成のためには資産運用の知識が不可欠です。

FIREのためのポートフォリオは自分で組み立てなければいけません。株式や投資信託のどの銘柄に投資するか。どのような組み合わせで投資するか。これは資産運用の知識がなければ決められないことです。

ただ、「50代になるまで銀行預金がメインで、資産運用はあまりやったことがない」という方も少なくありません。資産運用の経験がほとんどない方や、あまり経験や知識のない方は、まずは「資産運用とは?」「金融商品の種類とは?」といった基礎的なところからはじめることをおすすめします。

まずは証券会社の口座をひとつ開設し、少額で株式や投資信託の取引をしてみる方法もおすすめです。少額で練習してみれば、少しずつ金融商品の特徴や銘柄のこと、ポートフォリオのこと、手続きのことなどが分かってくるはずです。

③    どのタイプのFIREを選ぶか考える

すでに説明したようにFIREにもタイプがあります。

50代でFIREをはじめる場合、20代や30代ではじめる場合と比較すると、どうしても資産運用の期間や資金準備の期間が短くなってしまいます。

そのため、現在の資金状況や生活費に合わせて無理のないFIREのタイプを選ぶことが重要です。

おすすめはサイドFIREやリーンFIRE、コーストFIREですが、資産状況によってはバリスタFIREもおすすめです。

バリスタFIREは資産運用で生活費をある程度まかないつつ、足りない分は仕事で稼ぐというタイプのFIREになります。

仕事で稼ぐと言われるとフルタイムの仕事を想像する方もいらっしゃるかもしれません。バリスタFIREでの仕事は、特にフルタイムである必要はありません。資産運用の利益が月あたり10万円で生活費が月15万円であれば、残り5万円稼げるくらいの仕事で問題ありません。

50代でフルタイムの仕事をしていて体力や精神面で苦しさがあるなら、「勤務時間を減らすなど、生活費を稼げるくらいに仕事を減らす(=バリスタFIRE)」を目標にするという方法もあります。

どのFIREを選ぶかによって資産運用や今後の生活が変わってきますので、よく考えることが重要です。

50代でFIREを目指すときに注意すべきこと

50代でFIREを目指すときに注意したいのは、今後の健康状態のことです。

50代になると健康状態に不安を抱えている方も少なくありません。また、50代、60代、70代と年齢を重ねるごとに健康へのリスクも高くなってしまいます。だからこそ、将来の病気や怪我などに備えてある程度の資金をプールしておくことも重要です。

  • 準備した資金で資産運用し、運用益を生活費にする。早期退職の退職金は将来の入院や介護の資金としてプールする
  • FIREはサイドFIREを選択する。生活費は資産運用の利益を使い、仕事で稼いだ分は将来の備えにする
  • FIREはバリスタFIREを選択する。足りない生活費は月5万円だが、月8万円稼いで3万円は積み立てておく

50代は健康リスクが高くなってゆく年代だからこそ、FIREの際にも考えておくことや、工夫が必要です。

50代でもFIREはできる!今からすべきことやおすすめのFIREタイプ|まとめ

50代からでもFIREは可能です。

FIREには達成後も無理のない範囲で仕事を続けるタイプもあるため、資金準備の際に「難しい」と感じたら、サイドFIREやバリスタFIREを選択し、退職時期を早めることも方法のひとつです。

早めに退職したいと思っている50代の方は、今から計画を立ててFIREに挑戦してみてはいかがでしょう。