2024年の秋~冬にかけてビットコインが高値を更新し続けています。日本の新聞やネット媒体でも大きな話題になりました。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO84958130R21C24A1ENG000/
こういったニュースを見ると「仮想通貨をはじめてみようかな?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。また、資産運用の分散投資先として仮想通貨を検討する方もいらっしゃることでしょう。
ただ、仮想通貨は世の中でメジャーになっている株式や投資信託、債券などへの投資と比較し、難易度が高いと言われています。ネットを少し検索すると「やめておけ」「大損した」などの体験記もあふれているため、興味はあってもなかなか投資への第一歩を踏み出せない方も多いはずです。
この記事では、仮想通貨への投資で大損する原因を解説します。原因を知ることで、不安を払拭する一助になるかもしれません。損した原因を知り、その上で無理のない投資を考えてみてはいかがでしょう。
目次
仮想通貨とは?どのような資産なのか、投資方法など
仮想通貨とはインターネット上でやり取りできるデータ資産のことです。
通貨という名前がついていますが、日本円などのように貨幣や紙幣はありません。あくまでデータ(暗号、仮想)上のお金・価値・資産だからこそ、暗号通貨・仮想通貨と呼ばれています。
仮想通貨には次のような特徴があります。
・貨幣や紙幣など現物(通貨)はない
・データ(情報、仮想、暗号)の資産である
・電子的に記録され、または記録できる
・どこかの国が発行している通貨でもない
・国を超えて支払いなどに使える
代表的な仮想通貨が、高値で話題になっているビットコインです。
仮想通貨は2024年10月末日の時点で24,000種類以上の種類があり、時間と共にさらに種類が増えています。
仮想通貨への投資とは?投資できる仮想通貨の現状など
仮想通貨の投資では、こうした非常に種類の多い仮想通貨のどれかに投資することになります。
ただ、すべての仮想通貨に自由に投資できるわけではありません。仮想通貨には小規模・特定のコミュニティでのみ使われているものもあるため、種類によってはかなり閉鎖的です。株式の非公開株式を想像すれば分かりやすいかもしれません。閉鎖的かつ流通が限られているような仮想通貨はかなり多く、こうした仮想通貨には投資したくても基本的にはできません。ビットコインやイーサリアムなど、取引所で購入・投資できる銘柄を選んで投資するのが基本です。
仮想通貨への投資方法は専門の会社や口座を使う
仮想通貨に投資するためには取引所を使います。株式や投資信託、債券などは証券会社を使いますが、仮想通貨は証券会社で扱っていないので、注意してください。
仮想通貨にはいろいろな取引所があり、取引所によって取引時の手数料やサービス内容、取引可能な仮想通貨が異なります。
自分の取引したい仮想通貨を扱っている取引所を探し、口座開設する。仮想通貨を買う。以上が基本的な流れになっています。取引所を証券会社と読み替えると理解しやすいかもしれません。
仮想通貨が安いときに買い、高くなったら手放す。仮想通貨で利益を出す方法も、基本的には株式と同じです。
仮想通貨で大損!大失敗!後悔!やめとけと言われる理由と原因
仮想通貨で大損したという失敗談はネット上にあふれています。
なぜ大損や「やめとけ」という体験談が多いのでしょうか。
理由と原因について説明します。
1.そもそも成功(儲かる話)は教えたくない
ネットには投資で失敗しましたという情報はあふれていますが、詳細な成功談はあまりありません。
あるにはありますが、詳細な「これだけ稼いだ」「この方法で成功した」という情報はあまりないはずです(投資詐欺などではこういった情報が出てくることがあります)。
たとえば必ず稼げる方法や、儲かる可能性が高い方法、稼げるノウハウを自分が知っていた場合、その方法を人に教えたいでしょうか。私の周囲の話ですが、投資で成功している人はそう簡単に方法や情報を教えてくれません。仮に教えてくれるとしても「ここだけの話」として、ちょっと教えてくれるくらいです。
ネットで失敗談や大損した話ばかりが出てくるのは、成功している人はあまり方法や情報を話したがらないからです。そのため、仮想通貨で大損した話した失敗した話ばかり耳に入りやすくなります。
成功する方法、儲け話はあまり他の人に教えたくない。結果、失敗談ばかり出回ってしまう。これが原因と理由のひとつだと考えられます。
2.仮想通貨は値動きが激しく投資初心者には難しい
仮想通貨はかなり値動き激しく、上がるときは一気に上がるという特徴があります。
ビットコインの値動きを見ていれば「かなり値動きする」「急に上がって急に下落する」ということがよく分かるはずです。
いきなりガンガン上がって急落する。仮想通貨は上手く売買できれば一気に大きな利益を得られますが、急な大きな損失を被ることも少なくありません。だからこそ「大損した」といった体験談がよく出てくるわけです。
仮想通貨はこのように値動きが激しいからこそ、初心者がいきなり手を出す投資先としては難易度が高くなっています。
初心者が「仮想通貨が高値らしい」「儲かるらしい」と話を聞いていきなり手を出してしまう。結果、値動きの激しさといった投資難易度の高さから、損失を被ってしまう。このような原因と理由から「仮想通貨はやめておけ」と言われます。
3.値上がりのニュースを見ていきなり手を出した
仮想通貨は儲かると言われ、とりあえず値動きや最新のニュース、投資情報などを調べてみる。
結果、これは儲かりそうだと考えて、すぐに仮想通貨の投資に手を出してしまった。
このようなケースでは「仮想通貨とは何か」を理解する前に投資しているため、基礎知識がついてきません。仮想通貨とは何か分からない。加えて基礎知識もよく分からない。結果、基礎知識不足により損失を被ってしまうことがあります。
値上がりの情報を見てすぐに手を出した。仮想通貨が何か、基本的なことを理解する前に手を出してしまった。こういったケースでは、仮想通貨への投資で大失敗することがあります。
4.資産運用の分散投資をしていなかった
仮想通貨で一度大きな利益を出すと「もっと投資すれば、さらに儲かるかもしれない」と考えてしまいます。そのため、自分の資産をまとめて仮想通貨につぎ込んでしまう人がいるのです。
いきなり競馬で大勝して、以降、競馬にどんどんお金をつぎ込んでしまうような事例と似ているかもしれません。儲かった。じゃあ貯金全部仮想通貨に入れてしまおうという流れです。
資産運用・投資の基本は分散投資です。
「いろいろな金融商品に資産を分散させ、リスク対策をするという考え方」が分散投資になります。資産運用や投資をしっかりやっている人は、基本的にこの分散投資の考え方に基づいて行っていると言えるでしょう。
仮想通貨にばかりお金をつぎ込んでいた。以前に儲かったから、仮想通貨に預金も何もすべて投資した。このように分散投資しなかったことが原因で、大損して「仮想通貨やめた方がいい」と後悔するケースがあるわけです。
5.仮想通貨の税金を勘違いしていた
資産運用には税金がかかります。
株式や投資信託、債券などを取引すると、一律20%の課税になっています。
仮想通貨も投資なので、過去に株式や投資信託への投資を経験している人は「同じ税率だろう」と勘違いすることも少なくありません。仮想通貨に関しては、株式や投資信託、債券などとは税率が違っているのです。しかも、仮想通貨の税率は株式の売買などと比較して、かなり高い税率になっています。
仮想通貨の税率は住民税も含めると最大で55%です。
この高い税率を知らず「株式などと同じだろう」と考えて取引すると、後から追徴課税で泣くことになります。
仮想通貨で大失敗したという体験談の中には、少なからず、「仮想通貨の取引は成功した」「しかし、その後に高い税率や追徴課税で泣いた」といったケースがあります。仮想通貨の税率について確認していなかった、あるいは税金の手続きについて確認していなかったからこそ、このような失敗に繋がってしまうわけです。
まとめ|仮想通貨をはじめるなら無理のない範囲で
仮想通貨をはじめるなら、大失敗しないように「なぜ失敗したのか(原因)」を学ぶことが重要です。
・仮想通貨の税金について確認しておく
・仮想通貨が「儲かる」と聞いていきなり手を出さない(仮想通貨の基本はおさえておく)
・分散投資する
・仮想通貨が難しい(投資難易度が高い)と感じたら、投資や資産運用の知識を深める
・世の中の失敗談と成功談に振り回され過ぎない(あくまで参考程度に)
・無理のない範囲で行う
以上のポイントが重要です。
この他にも手数料など、投資にかかる費用なども確認しておきましょう。