個人事業主や起業家はステータス性の高いクレジットカードを持つべきである。
ブラックやプラチナなどのステータスの高いクレカはビジネスに役立つ。
よくこんな話を耳にしますが、個人事業主や士業、起業家、フリーランスなどは実際問題としてクレジットカードのステータス性に注目してカードを選ぶべきなのでしょうか。ビジネスに役立つという話も聞きますが、実際のところはどうなのでしょう。
FIRE達成を目指している独立開業の行政書士が「ステータス性の高いクレジットカードを持つべきか」「ビジネスに役立つか」の2つのポイントについてお話しします。
クレカ選びで迷っている。
個人事業主として稼げるようになってきたから、クレカのランクを上げるべき?
悩んでいる方は、この記事を参考にあらためて考えていただければと思います。
目次
個人事業主や士業はステータス性の高いクレカを持つべきか?
個人事業主や士業、起業家、フリーランスの中には「稼ぎも増えてきたし、今使っているクレジットカードよりワンランク上を使ってみようかな」と思う方もいるのではないでしょうか。
ブラックカードやプラチナカードなどの審査をパスするということは、クレジットカードの会社から「この人なら大丈夫」というお墨付きを受けるということですから、独立独歩で仕事をしている方にとっては「誇らしい」という気持ちがあることでしょう。
しかし、ステータス性の高いクレカは、
・周囲にステータス性をアピールできる
・各種の特典を利用できる
などのメリットがある反面、デメリットもあります。そのため、ステータスカードにランクアップする際は悩む方も少なくないはずです。
結論から言うと、士業や個人事業主、フリーランス、起業家などがステータスカードを持つかどうかは「仕事内容やニーズ次第」です。
取引先や仕事内容が富裕層の実相手にする場合やステータス性を重んじる場合、ステータスカードを持っている層との社交が絡んでくる場合などは持っていても良いかもしれません。しかし、反対に仕事内容やニーズに関係ない場合はステータスカードを持つ必要性は薄いと言えるのではないでしょうか。
個人事業主や士業はクレカのステータスにこだわらない方が良い理由
FIREを目指している個人事業主である私としては、通常のクレカとステータスカードを比較検討してみて「ステータスカードにはあまり魅力がない」と感じました。「クレカのステータス性にこだわる取引先ばかり」という事情でもなければ、ブラックやプラチナといったカードは特におすすめしません。
おすすめしないのは次のような理由があるからです。
・通常カードで足りている
・ポイント還元
・会費
・営業に関係ない
・FIRE達成のためにはマイナス
クレジットカードは通常のカードで足りている
クレジットカードの最大の目的は「決済」ではないでしょうか。現金の代わりにクレジットカード決済。これはクレカの主な使い道です。
クレカが一般カードだからといって決済ができないわけではありません。限度額などの問題もありますが、毎月のように何百万円も使うわけでもなければ、決済の限度額を一時的に大きくしてもらう手続きなどでも十分に対処できます。
ステータス性の高いクレカも一般カードも決済をする上では特に違いはないため、決済が目的であればあえてステータス性の高いクレカを持つ必要はないという結論になります。
ランクの高いクレカだからと還元率が良いわけではない
クレジットカードを利用する目的のひとつにポイント還元があるのではないでしょうか。
ポイント還元率はクレカによって異なります。
ただ、ブラックやプラチナといったステータス性の高いクレカだからといってポイント還元が優れているわけではありません。
一般カードの方がポイント還元に力を入れているクレカもあります。ポイント還元を重視するならステータス性の高いクレカではなく、ポイント還元に力を入れている会社のクレカを持てば良いわけです。
ブラックやプラチナにランクアップすればポイント還元が目に見えて増えるということであれば検討の余地もあります。ですが、特にそのようなメリットもないため、ポイント還元を重視するならステータス性の高いクレカよりポイント還元を売りにした会社のクレカを持つ方がお得になる可能性があります。
実際にポイント還元率を比較すると「一般カードで十分ではないか」というケースも少なくありません。
ステータス性の高いクレカは会費が高い
ブラックやプラチナといったステータス性の高いクレカの場合、基本的に数万円ほどの年会費が必要になることも少なくありません。
クレジットカードに付帯しているサービスやポイント還元を年会費に見合う分使いこなせればいいのですが、「サービスはあまり使わない」「それほどポイント還元も受けていない」というケースも少なくありません。多機能のスマートフォンを持っていても通話やネット、会話アプリくらいしか使わないことと同じです。
サービスやポイント還元をお得になるほど使えないのに高い年会費を払い続けることは無駄以外の何ものでもありません。
高い年会費に見合ったものがあるか。
年会費のもとが取れているか。
このような視点でクレカを見ると、ブラックやプラチナを持っても「マイナスになる」というケースが少なくないはずです。
クレカのステータス性と営業に因果関係はない
ビジネスの内容や人にもよります。富裕層を相手にする仕事や高級店での社交が重視されるような仕事の場合は、ブラックカードなどのステータス性の高いクレカが役立つことも考えられます。
接待に使えるレストランや料亭などに関するサービスがついているクレカもあるため、ビジネスの内容によってはプラチナやブラックの方が使いやすいかもしれません。
また、ブラックやプラチナのクレカを持っているからといって、特に仕事の受注には関係ありません。たとえば士業に仕事を依頼するとき、その士業のクレカのランクを見て決めるでしょうか。クレカランクで仕事を依頼する士業を選ぶ人はまずいないでしょう。
仕事の取引先や依頼人の前でクレカ決済するような機会があっても、これみよがしにクレカのランクや券面をちらつかせるようなことも、まずないはずです。
クレカのランクは仕事の受注や営業には特に関係ないので、付帯サービスをさほど使わない、あるいはまったく使わないのであれば「不要」でいいのではないでしょうか。
ブラックやプラチナはFIRE達成のためにはマイナス
もとが取れていない状況だと考えた場合、FIRE達成のためにブラックやプラチナなどの年会費が高いクレカはマイナスです。
FIREを目指しているなら投資や預金にお金を多く割り振りたい状況ではないでしょうか。年会費がなければ、あるいはもっと安ければ、その分をFIRE達成のための投資や預金に回せます。
ブラックやプラチナでプラスになっているなら良いのでしょうが、そうでもなければFIRE達成のための資金にした方が、生き金を使っていると言えるかもしれません。
FIREを目指しているなら、特になっていない出費は切り捨てるべきではないでしょうか。
最後に
クレジットカードのブラックカードやプラチナカードには魅力を感じるかもしれません。そのステータス性に憧れる方もいらっしゃることでしょう。しかし、ブラックやプラチナといったカードの取得を考えているなら、
・年会費のもとが取れるか
・サービスを使うか
・自分にとって得になるか
を考えて決めることをおすすめします。
個人的には、FIREなどの目的があるなら目的達成を優先するべきだと考えます。年会費が高いと感じたら一般カードにして、年会費分をFIREに回すなど有意義なお金の使い方をするのも方法のひとつです。
ステータス性の高いクレカを持つべきなのかについては「それで仕事が増えるわけでも、営業が成功するわけでもないので、FIREなどの目的があればステータス性よりお得さや使い勝手を優先した方が良い」が結論です。
→ブラックやプラチナなどのカードを持つべきなのかという疑問
よく「クレカの上ランクカードはステータスになる」という話を聞きますが、実際にそうなのか
→行政書士さんの話を伺ってまとめたいと思います