補助金や助成金の手続きを行政書士に依頼すべき理由

補助金や助成金の手続きを行政書士に依頼すべき理由

補助金や助成金の申請時は行政に必要書類を提出するのが基本です。そのため、補助金や助成金申請の手続きのプロといえば行政書士になります。

ただ、補助金や助成金は「必ず行政書士に依頼すること」というルールはありません。個人事業主や法人の経営者などがご自身で申請書や必要書類を準備し、手続きすることも可能です。現に、少数派ではありますが、ご自身で申請する個人事業主や法人の経営者もいます。

これから補助金や助成金の申請をしたいと考えている個人事業主や法人の経営者の中には「自分でやりたい」「自分でできるだろう」と考えている方も、いらっしゃることでしょう。行政書士をしていると「自分でやってみたいのだが、できるか」という問い合わせを受けることもあります。

実際にご自身で補助金や助成金の手続きをする方もいらっしゃるのは事実ですが、行政書士としては、ご自身での手続きはおすすめしません。なぜなら、行政書士に依頼した方がいい理由があるからです。

補助金や助成金の手続きを行政書士に依頼すべき理由や、補助金や助成金を申請するときの行政書士の選び方について解説します。

補助金や助成金はなぜ行政書士に依頼すべき?

補助金や助成金の申請を行政書士に依頼すべき理由は4つあります。

理由①補助金や助成金の条件が難しいから

補助金や助成金の情報をご自身で細かに理解する必要がない。行政書士に「利用できるか」など、細かに教えてもらえる。だからこそ、行政書士への依頼がおすすめです。

補助金や助成金は誰でも申請できるわけではありません。申請できる人/法人の条件が細かに定められています。補助金や助成金を申請する際は第一に「自分は申請できるのか」「自社は申請の条件を満たしているのか」を判断しなければいけません。

自分で判断できる。条件を読めば合致しているかどうか判断くらいできる。補助金や助成金を申請したことのない個人事業主や法人の経営者は、「条件の理解など簡単だ」と思うことが多いようです。しかし実際に補助金や助成金についてまとめてある政府や省庁、自治体などのホームページを見ても、意味が分からず頭を抱えてしまうことも少なくありません。

補助金や助成金は、「どのような支援を受けられるか」の中身を把握することも困難ですが、申請の条件を理解することも難しいと言えます。そのため、最初から補助金や助成金の各制度内容を細かに理解している行政書士に頼った方が準備も、そして手続きもスムーズです。

補助金や助成金の制度内容をしっかり理解するため。申請条件をスムーズに把握し、準備や手続きをするため。補助金や助成金の制度内容や申請条件は個人/法人の経営者が細かに把握することは難しいため。以上のような理由から、行政書士に任せることをおすすめします。

理由②補助金や助成金の申請準備に時間がかかるから

行政書士に依頼すれば、補助金や助成金の申請書、必要書類などはすべて準備してもらえます。これが、行政書士に依頼すべきふたつ目の理由です。

補助金や助成金の申請では、申請条件や申請のために準備しなければならないものを確認し、それから準備に入ります。ただ申請書を出せば補助金や助成金を受け取れるというわけではなく、申請書の他に指定されている必要書類も準備しなければいけません。

必要書類によっては書き方が難しいものもある他、準備に時間がかかるものもあります。補助金や助成金の申請条件を理解できても、必要書類の準備の段階で挫折する個人事業主や法人の経営者は少なくありません。また、法人の経営者から経理担当などの社員が「申請して欲しい」と言われ、今度は経理担当者などが必要書類の準備に着手したもの、業務の傍らに準備するのは難しく、頭を抱えるような事態になってしまうこともあります。

補助金や助成金は「お金を受け取れる制度」です。これは、利用する側にとってみれば、美味しい話ではないでしょうか。ただ、政府や自治体、官公庁がそう簡単にお金をくれることはありません。

ここ数年、コロナなどの社会情勢も踏まえて個人への支給なども行われましたし、自治体単位でも支援がありました。ですが、こうした支援の多くは「黙っていたらもらえないよ」「しかるべき手続きをしてね」というものであったはずです。個人単位で政府や自治体、官公庁などからお金を受け取ることすらこれだけ面倒なのですから、補助金や助成金の申請準備/手続きが面倒でないはずはありません。

助成金や補助金の申請書や必要書類の準備に想像以上に時間がかかり、業務を圧迫する。書類の準備をしようと思ったが、準備すべき書類のことで分からないことが多い。準備が大変で挫折してしまった。申請書の書き方が分からない。このような事情から、着手してから「無理だ」と判断し、行政書士に依頼する法人の経営者や個人事業主も少なくありません。

実際、私のところへも、途中まで集めた必要書類や書きかけの必要書類を持って「自分でやろうと思ったが、無理だった」という方がよくいらっしゃいます。行政書士に依頼すると制度内容の説明から必要書類の準備まで、すべて行政書士が行います。

申請の準備にかかる労力も時間も必要なくなる。「業務に支障が出る」といった困りごともなくなる。手間を省ける。だからこそ行政書士に依頼すべきなのです。

理由③補助金や助成金の手続きにも時間がかかるから

行政書士に補助金や助成金の申請を依頼することで、申請書を提出した後も手間なしになります。窓口からの問い合わせや呼び出しなどがあれば、すべて行政書士が対応してくれるからです。

行政書士に手続き後の対応もすべて任せられるという理由があることから、補助金や助成金の申請は行政書士への依頼をおすすめします。

補助金や助成金の申請は、申請書と必要書類を提出して終わりではありません。申請書や必要書類の提出後は、提出先の窓口、あるいはさらに上部の職員からのチェックが入ります。提出の過程でいろいろ質問されることもあれば、申請書などを受理してもらった後に問い合わせがくることも少なくありません。申請書や準備した必要書類の不備を指摘され、差し戻しされるケースもあります。補助金や助成金の申請は、各種書類を提出してからも非常に忙しいのです。

提出した窓口とのやり取りは、当然ながら業務を圧迫します。また、差し戻しがあっても、やはり業務を圧迫しますし、「どこを修正すべきか」「どのように修正すべきか」で頭を悩ませる事態になることも多いと言えるでしょう。申請書などを提出した後に「こんなに大変だと思わなかった」と困る個人事業主や法人の経営者は、決して少なくありません。

申請後のやり取りの面倒さなどは、助成金や補助金を一度申請したことのある個人事業主や経営者であれば、よく理解しているはずです。別の補助金や助成金を申請するときは、「もう二度とやりたくない」と、行政書士に依頼するケースが多いと言えます。

補助金や助成金の申請は、申請書などを提出後も面倒で手間がかかる。業務に支障が出る。純粋に、面倒で大変である。以上のような事情があるため、こうした手続きを専門にしている行政書士に依頼するわけです。手続き後の手間を省くため、が理由です。行政書士に依頼すると、申請書の提出だけでなく、手続き後のやり取りもすべてやってもらえます。

手続き後の手間を省けるため。差し戻しや問い合わせがあっても、行政書士がすべてやってくれるため。これが、行政書士に依頼すべき3つめの理由です。

理由④行政書士から今後のアドバイスや情報をもらえるから

行政書士に助成金や補助金の申請を依頼すると、今後も有益な情報やアドバイスを受けられるというメリットがあります。

一度自分に相談してくれた依頼者には「他にもこんな補助金がある」「2024年(仮)に、こんな補助金がスタートする」など、有益な情報やニュースを素早く教えてくれる行政書士は少なからずいます。私も過去に補助金や助成金の申請を受けたことのある法人の経営者や個人事業主などの顧客に対しては、事情に合った有益な情報を伝えるようにしています。

他に使える補助金や助成金があれば教えて欲しい。仕事や経営に役立つ制度があれば、情報が欲しい。法人の経営者や個人事業主の場合、このように考えることが多いはずです。行政書士と「補助金や助成金の依頼」というかたちで縁ができると、こうした情報を紹介してもらえるようになります。

また、行政書士と顧問契約などを結んでいなくても、ちょっとしたアドバイスを(行政書士の善意で)してくれるようになります。新しい助成金や補助金の情報を積極的に提供してくれるケースも多いと言えるでしょう。

専門的な補助金や助成金の情報を得られる。情報源や相談先として行政書士を有効活用できる。以上のようなメリットがあることから、補助金や助成金の申請は行政書士に任せた方がお得です。

補助金や助成金の申請を依頼したい行政書士選び

補助金や助成金は4つの理由から行政書士への依頼がおすすめです。

ただ、行政書士に依頼するとして、どのような行政書士に仕事をお願いすればいいのでしょうか?

補助金や助成金の申請を依頼する行政書士選びについて、行政書士の視点から説明します。

補助金や助成金をメインの業務にしている行政書士を選ぶ

補助金や助成金の申請を依頼する場合、こういった業務を得意としている、あるいはメインにしている行政書士を選ぶことがポイントです。なぜなら、「補助金などの申請業務は苦手」「やったことがない」という行政書士が少なからず存在するからです。

なぜ補助金や助成金の申請業務を経験したことがない、あるいはほとんどやらない行政書士がいるかというと、それは行政書士の仕事の範囲がかなり広いからです。

行政書士の基本的な仕事は「行政に提出する書類を作成すること」「手続きすること」「相談に乗ること」などです。行政に提出する書類と一言でいってもかなりの種類がありますし、その書類や手続きの相談に乗るとなると、さらに仕事の範囲は広くなります。特定の行政書類や手続きにだけ特化している行政書士もいます。こうした行政書士の場合、補助金や助成金の仕事をしていないこともある他、補助金や助成金の知識が欠如していることも少なくありません。

また、好んで離婚や遺言関係の仕事をしている行政書士もいます。こうした行政書士の場合も、補助金や助成金の申請は「やったことがない」「よく分からない」というケースが多いと言えます。

行政書士の仕事範囲は広いからこそ、行政書士によって「どの範囲を仕事にしているか」が違っているわけです。補助金や助成金の申請を得意としている、あるいはメインの業務のひとつにしている行政書士を選ぶことが重要です。

ネットでのやり取りに慣れている行政書士を選ぶ

行政書士でも「ネットやシステムをどれだけ仕事に取り入れているか」が違ってきます。行政書士の有資格者は比較的中年~高齢層が多いため、中にはアナログで仕事をしている有資格者もいます。

補助金や助成金の申請を行政書士に依頼するのは「時間や労力面での負担をカットするため」「面倒な業務は丸投げするため」「専門知識のある有資格者に、窓口との対応をしてもらうため」ではないでしょうか。

ネットでのやり取りに慣れておらず、直接の相談(面会)ばかり求めてくる行政書士だと、補助金や助成金の業務を丸投げできても、今度は行政書士とやり取りする際に手間と時間がかかってしまいます。

行政書士への依頼は手間や時間的な負担をカットすることが目的のひとつだからこそ、ネットでスムーズにやり取りできる行政書士や、ネットを活用して直接の面会の時間や労力をカットしている行政書士を選ぶことが重要です。

ネットでやり取りできる行政書士として、ブログやホームページがあるか、メールでコンタクトが取れるかなどを基準にすると良いでしょう。コンタクト方法が電話だけといった行政書士は避けた方が無難です。コンタクトを取るだけで時間がかかります。

なお、ネットでスムーズにやり取りできる行政書士は「最新情報を把握している」という意味でもおすすめです。補助金や助成金の新しい情報は政府や自治体、官公庁がネットで発表することが多いのです。ネットをスムーズに扱えるということは、そうした情報収集にも長けていることを意味します。最新情報の把握という点でも、安心して相談できる行政書士です。

ネットでやり取りする場合もあまりに遠方の行政書士は避ける

行政書士がネットでのやり取りに対応しており、補助金や助成金のやり取りもメールなどネットでできれば便利です。ただ、ネットでやり取りできるからといって、遠方の行政書士はおすすめしません。遠方の行政書士だと「どうしても手渡しで書類を渡さなければならない」など、直接会う必要のあるときに大変だからです。

直接会えるところで仕事をしている行政書士であれば「手続きの関係でどうしても対面で相談しなければならない」「どうしても急いで書類の受け渡しをしたい」というときに、すぐに行き来できるので便利です。普段はメールなどネットを使うとしても、あまりに遠方の行政書士は避けることをおすすめします。

情報面でもサポートしてくれる行政書士を選ぶことも重要

補助金や助成金の場合、次から次へと新しい制度が出てきます。週ごとに新しい情報が出てくることもあれば、追加の資料が出てくることも少なくありません。自治体や政府の公式ホームページなどに、補助金や助成金の事務に関する連絡事項が掲載されることもあります。

補助金や助成金の申請を得意としている行政書士は「情報は次々出てくるもの」「こまめにネットを調べないと、情報を見落とす」と理解しています。そのため、情報面にはかなり敏感です。

助成金や補助金は情報を見落とすと「申し込めなかった」「手続きを失敗した」などのリスクがあります。情報をしっかり調べている、助成金や補助金に詳しい行政書士に依頼することが重要です。

まとめ|補助金や助成金の情報が分からないときも行政書士へ

補助金や助成金は行政書士への依頼がおすすめです。

・補助金や助成金の申請条件など難しいポイントを説明してもらえる

・行政書士に依頼すると、準備を整える時間や労力をカットできる

・行政書士に依頼することで、申請後の対応まで丸投げできる

・行政書士から補助金や助成金に関する最新情報がもらえる

・補助金や助成金に関するサポートを受けられる

行政書士に依頼する最大にメリットは、何より準備段階から手続き、情報収集、窓口とのやり取りまですべて丸投げできることです。法人の経営者や個人事業主がご自身でやらずに済むので、その分だけ仕事に集中できます。

補助金や助成金は当事務所でも申請のサポートをしています。気になることや困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。