フリーランス・個人事業主のトラブルを無料で解決できるサービスがある!行政書士が解説

フリーランスや個人事業主をしていると、取引先とのトラブルで困ってしまうことがあります。

たとえば会社員の場合は上司に相談すれば会社として対応してくれることでしょう。しかしフリーランスや個人事業主は会社という組織の後ろ盾がありませんから、何かトラブルが起きたら自分で対処するしかありません。

フリーランスや個人事業主などの場合、組織の後ろ盾がないために、取引先に舐められて未払いなどのトラブルに泣くことも実際にあります。フリーランスや個人事業主歴の長い方の場合は一度や二度は、未払いなどのトラブルを経験していることでしょう。

この記事では、フリーランスや個人事業主が使える トラブルを無料で解決できるサービス をご紹介します。実際に利用した知人(個人事業主)に使用感や感想も訊いてみましたので、個人でお仕事をされている方の参考になればと思います。

フリーランス/個人事業主によくあるトラブル

フリーランスや個人事業主のよくあるトラブルとしては支払いや契約関係のトラブルが挙げられます。

取引先が支払いをしてくれない

フリーランスや個人事業主が仕事をしても(納品しても)、取引先が支払いをしてくれないケースがあります。

支払いをしない理由はさまざまで、中には単純に「忘れていた」というケースもありますが、悪意を持って「踏み倒そう」と考えているケースなどもあります。また、取引先の資金繰りが苦しく「支払いたい気持ちはあるが、現実的に支払いは難しい」といったケースも事例として少なくありません。

取引先の事情や悪意により払ってもらえるはずの報酬や商品代金を払ってもらえない、あるいは滞納されているというトラブルです。

取引先との契約内容で揉めている

取引先との契約関係でのトラブルは主に3種類あります。

そもそも契約書をもらえない

フリーランスや個人事業主の場合、仕事の約束をしても契約書をもらえないことがあります。

いざというときの責任の範囲や報酬、仕事の範囲などを明確にするために「契約書が欲しい」と思っても、個人事業主/フリーランスの場合は取引先に「契約書をください」と言い出せないことも少なくありません。特に取引先が力のある会社だと、何か言うと面倒がられて関係を切られてしまうのではないかと不安になることでしょう。

ご自身で契約書を用意しても、取引先が迷惑がって応じてくれないケースなどもあります。

契約書の内容を守ってもらえない

個人事業主/フリーランスが取引先と契約書を取り交わしていても、その内容を守ってもらえずトラブルになることがあります。個人事業主/フリーランスは会社などの後ろ盾がありませんから、取引先が法人/会社だと、どうしても力関係の面で取引先の方が強いことが多いのです。

契約書があるからと主張しても、後ろ盾のない存在(弱い存在)と甘く見られ、内容を守ってもらえずトラブルになるケースや、泣き寝入りになるケースなどがあります。

口約束で仕事をしてしまった

口約束での契約・仕事は、フリーランス/個人事業主の間で少なからず行われています。

すでに説明したように、契約書を出してもらおうとしても「嫌がられるかもしれない」と強く出られないケースの他、「いつも口約束で受けているから」「この取引先とは関係が長いから」と口約束で仕事をし、トラブルになってしまうようなケースがあります。

取引先の主張に悩ませられている

取引先の仕事に対するクレームや注文に辟易し、トラブルになってしまうケースがあります。取引先がつけてくる注文やクレームはさまざま考えられます。

・何度も何度もやり直しをさせられる

・後出しで注意事項や条件を追加する

・取引先から値引きを迫られる

・やっぱりいりませんと言われ、注文自体をなかったことにされる  など

・仕事の途中で追加があったにも関わらず、最初に約束した金額しか払ってもらえない

このような取引先の言動によりトラブルになってしまうことがあります。

フリーランスや個人事業主が未払いなどのトラブルで悩んだときは?

フリーランスや個人事業主が取引先との未払いなどトラブルに悩ませられた場合、主に3つの窓口への相談が考えられます。

未払いなどのトラブルは弁護士に相談できる

フリーランス/個人事業主の未払いや契約トラブルなどは弁護士に相談可能です。

弁護士事務所によっては無料相談にも対応していますので、どのような対処法で解決すべきか迷ったら活用してみると良いでしょう。

なお、弁護士事務所すべてが無料相談に対応しているわけではありません。有料の相談しか行っていない弁護士事務所もありますので、事前に相談料や相談時間などはしっかり確認しておいてください。

また、弁護士事務所によって得意分野も異なります。離婚問題などに注力しているところなどもありますので、フリーランス/個人事業主の仕事・契約・未払いなどのトラブルに対応しているか、そして得意としているかなどもチェックしておきましょう。

未払いなどのトラブルは相談会も利用できる

いきなり弁護士事務所に相談するのは「敷居が高い」という方もいらっしゃるはずです。

本格的な相談の前にまずは少しだけ話を聞いてみたい(そもそも法律問題なのか分からない)という方の場合は弁護士会や自治体などが行っている無料相談などを活用する方法もあります。

福井弁護士会にも無料相談(電話や相談会など)の情報がありますので、気になる方はチェックしてみてください。

https://fukuben.or.jp/

トラブルは「フリーランス・トラブル110番」にも相談できる

フリーランス・トラブル110番とは、第二東京弁護士会が運営しているフリーランス/個人事業主のトラブルの相談窓口です。

https://freelance110.jp/

フリーランス・トラブル110番では個人事業主/フリーランスに関するルールについての紹介や、実際にあったトラブル事例の紹介などを行っている他、トラブル解決のための無料相談などにも対応しています。また、実際にトラブルを解決するための「和解あっせん」にも対応しています。

フリーランス・トラブル110番のトラブル解決方法は?

フリーランス・トラブル110番はフリーランス/個人事業主の仕事上のトラブルに関して、メールや電話での無料相談に対応しています。契約や報酬の未払い、無茶な注文をつけられるなど、仕事上のトラブルに関して幅広く相談できるところが特徴です。

フリーランス・トラブル110番への相談は弁護士がワンストップで対応してくれるところが特徴になります。まずは電話やメールで相談し、必要に応じて法的手段や和解あっせんなどの解決策を法律のプロである弁護士に案内してもらうという流れになっています。

「名前を知られずに相談したい」という方は、匿名での相談も可能です。

フリーランス・トラブル110番は弁護士による「和解あっせん」が使える

フリーランス・トラブル110番の最大の特徴は「和解あっせん」というフリーランス/個人事業主のトラブル解決手続きが使えるところです。

フリーランス・トラブル110番の「和解あっせん」とは、無料で使えるトラブル解決の手続きになります。10年以上のキャリアを持つ弁護士がフリーランス/個人事業主と取引相手との間に入り、双方の話を聞いて和解を目指す手続きです。

フリーランス・トラブル110番の和解あっせんには次のような特徴があります。

・争うための手続きではなくトラブル解決(和解)を目指すための手続きである

・和解あっせんは無料で使える

・10年以上のキャリアを持っている弁護士が担当してくれる

・和解あっせんは裁判や調停などと比較して短期間で完了する

・和解あっせんの手続きは非公開で行われる

・休日や夜間、web上でも可能なので、地方都市に住んでいる方でも使える

フリーランス/個人事業主が和解あっせんを申し立てた場合の解決率は6割ほどになっています。

フリーランス・トラブル110番の和解あっせんの使い方

フリーランス・トラブル110番の和解あっせんの利用方法は次の通りです。

1.必要書類を提出し、和解あっせんの申し立てをする

2.第二東京弁護士会仲裁センターから相手方へ連絡が行く

3.和解あっせん期日(2時間程度)

和解あっせん期日は弁護士が担当し、双方の話を聞いてトラブルの解決を目指します。

トラブルが解決すればそこで終了です。

複雑なトラブルの場合や話し合いが長引く場合は、和解あっせん期日が複数回指定されることもあります。

フリーランス・トラブル110番を利用するメリット/デメリット

フリーランス・トラブル110番で使える和解あっせんにはメリットとデメリットがあります。

和解あっせんのメリット

和解あっせんには4つのメリットがあります。

・法律のプロである弁護士が担当してくれる

・裁判や調停より迅速にトラブルを解決できる

・忙しい方でも使いやすい(休日や夜間、webなどにも対応している)

・無料で使えるトラブル解決方法である

和解あっせんは経験を積んだ弁護士がトラブル解決のために間に入ってくれます。また、弁護士が関与する手続きでありながら無料で使えるというメリットがあります。

さらに、裁判や調停などの法律手続きより時間がかかりません。弁護士が間に入ってくれることでトラブルの解決が期待できそうであれば、利用のメリットがあると言えるでしょう。

和解あっせんのデメリット

和解あっせんのデメリットは、解決にいたらないケースがある点です。

和解あっせんは裁判のように判決が出る手続きではありません。手続きで解決できなければ、別の法的手段などで解決を目指すしかありません。

すでにお話ししましたが、和解あっせんでの解決率は6割ほどになっています。

実際にフリーランス・トラブル110番を利用してどうだった?(感想)

知人のフリーランスが未払いトラブルの際にフリーランス・トラブル110番を利用したとのことで、「どうだったか?」感想を尋ねてみました。

結論から言うと「なかなか有益であった」「トラブルの際はまた利用したい」というものでした。

知人の抱えるトラブル内容は少額の支払いの未回収トラブルでした。取引先が数万円ほどの品物代金を3カ月ほど滞納しているというトラブルでした。フリーランス・トラブル110番は弁護士に無料相談できるとのことで、まずは電話で予約を取り、数日後に弁護士に電話でトラブル内容について相談したという流れです。

最終的に和解あっせんは使わなかったものの、今後のトラブル対策に使える有益な方法を弁護士からアドバイスしてもらえたとのことでした。弁護士さんもしっかり話を聞いてくれたとのことで、「困ったときはまた使いたい」との感想でした。

まとめ|未払いなどのトラブルの解決策としておすすめ

フリーランス・トラブル110番は、

・フリーランス/個人事業主がトラブルを無料で弁護士に相談できる

・弁護士が間に入ってくれるトラブル解決手続き(和解あっせん)が使える

などのメリットがあります。

フリーランス/個人事業主は会社という後ろ盾がないため、不安定な立場に立たされることもあるはずです。困ったことがあれば、こうしたサービスを利用してみてはいかがでしょう。