個人事業主やフリーランスは自分の収入をコントロールしやすい仕事です。
たとえば、早くリタイアしたくて資金準備をしているなら、案件を多く受けるなど仕事を増やすことが考えられます。
個人事業主やフリーランスは固定給の仕事ではありません。だからこそ、「働く時間を増やす」「仕事を多くこなす」ことで、基本的に収入を増やすことが可能です。早期リタイアの資金準備をしたいなら仕事を増やす(収入を増やす)ことで対処できますので、個人事業主やフリーランスはFIREを達成しやすい業種だと言えます。
ただ、給料を受け取るタイプの仕事の中にもFIREに向いている業種があります。公務員 です。公務員は個人事業主やフリーランスのように案件を多くこなすことにより収入を増やすことはできません。副業に関しても規定があるため、副業でがんがん稼ぐことも難しい業種です。しかし、公務員には ある特徴 があり、その特徴からFIRE向きの業種だと考えられます。
公務員にはFIREがおすすめです。現役公務員の方や退職が迫ってきた公務員の方はFIREを検討してみてはいかがでしょう。公務員にFIREをおすすめする理由を説明します。
目次
FIREとは?
FIREとは「経済的な自立と早期リタイア」のことです。
日本の一般的な退職年齢は60~65歳くらいですが、FIREでは一般的な退職年齢よりも早いタイミングでのリタイアを目指します。ただ、早いタイミングでリタイアしても、お金がなければ生活できません。多くの人は生活のための収入を得るために仕事をしているのではないでしょうか。
FIREの特徴は早期リタイアだけでなく、リタイアのタイミングで経済的な自立も果たすことです。FIREでは年の必要生活費を計算し、あらかじめ生活費の25倍を資金としてプールしておきます。この資金を年4%で運用し、運用益を生活費にするという仕組みです。そうすることでプールした分の資金を減らすことなく運用益を生活費に充ててリタイア後の生活が可能です。
お金を貯めて運用益で生活できる仕組みを作ってしまい、早期にリタイアする。これがFIREの考え方です。
FIREについては別記事で詳しく説明しています。ぜひご覧ください。
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FIREにも種類がある
FIREと一言にいってもいくつか種類があります。
基本的なFIREは早期リタイアと経済的な自立を両立させ、リタイア後は一切仕事をせず運用益を生活費に充てるタイプのFIREです。この他に、FIREには「サイドFIRE」という種類があります。
サイドFIREはリタイア後も無理のない範囲、生活に必要な範囲で仕事をするタイプのFIREです。たとえば、フルタイプ週5日の仕事を45歳でリタイアし、後はプールした資金の運用益と週2日の短時間の仕事をする、などがサイドFIREの具体例になります。
このように、FIREにもサイドFIREなどの種類があります。FIREの種類については別記事にまとめていますので、参考にしてください。
公務員におすすめしたいのはサイドFIRE
公務員におすすめしたいのはサイドFIREです。
公務員は給料が決まっていますので、完全FIREのための資金準備が難しい業種です。たとえば年300万円の生活費が必要になる場合、25倍ル―ルで行くと7,500万円の資金を早期リタイアまでプールしなければいけません。単身世帯でも、日本の平均収入や貯蓄を考えると、7,500万円をプールすることは不可能とはいいませんが、かなり大変であると言えるでしょう。家族がいればなおさらです。
こんなときに有効なのがサイドFIREになります。サイドFIREなら7,500万円全額をプールしてリタイアするのではなく、5,000万円などやや足りない額をプールして、運用益の足りない部分は無理のない範囲で仕事をして賄うことで早期リタイア可能です。
公務員は行政書士でサイドFIREがおすすめ
公務員には17年ないしは20年勤務すると行政書士を取得できるという特任制度があります。
公務員の間は行政書士を兼任できません。しかし、公務員としてFIREの準備をして、ある程度の金額を貯めてリタイアするなら、以降は行政書士(個人事業主)として無理のない範囲で仕事をして収入を得るというサイドFIREが可能です。
公務員にFIREをおすすめする理由
行政書士への認定制度があることなど、公務員はFIREを達成しやすいおすすめ業種だと考えられます。公務員にFIREをおすすめする理由について説明します。
公務員は計画的なFIREの準備がしやすい業種だからおすすめ
公務員は計画的なFIREの準備がしやすい業種です。
フリーランスや個人事業主は収入や仕事時間をコントロールしやすい反面、不安定さがあります。
たとえば、その業界が不景気なときは、どうしても収入が落ち込んでしまいます。最低保証もありませんし、給与という形態で収入を得ているわけでもありませんから、不安定なときはとにかく不安定です。計画的にFIREの準備をしようと思っても、収入が不安定というデメリットがあるため、思うように進まないことがあります。
対して公務員は給与があるため、収入状況は安定性があると言えるでしょう。会社の社員も給与を受け取っていますが、会社よりも自治体、自治体より国の方が、やはり安定という面では強いと考えられるのではないでしょうか。
安定してある程度決まった額を受け取れるからこそ、公務員はFIREの計画を立てやすく、準備もしやすい職種です。
公務員は特任制度があるためサイドFIREを達成しやすいからおすすめ
公務員は特任制度(17年ないしは20年勤めると行政書士の資格を取得できる)があります。
行政書士は基本的に資格試験にパスしなければならない資格です。しかも、士業と言われるだけあり、合格の難易度は高めになっています。しかし、公務員として仕事をしている場合は、一定年数勤めたら資格試験をパスしなくても資格を取得できる仕組みになっているのです。
FIREのサイドFIREのためには「リタイア後にどんな仕事をするか」という問題があります。
個人事業主であれば自分で仕事や収入をコントロールしやすいため、ある程度の資金が貯まったところで行政書士の資格を特任制度で取得し、行政書士(個人事業主)として仕事をするという流れは、おすすめのサイドFIREの流れです。
計画的に行政書士を取得でき、サイドFIREに移行できるという点で、行政書士はFIRE達成に向いていると言えるでしょう。
公務員は現職時の人脈があるため営業において有利である
公務員として仕事をしていると行政方面に人脈ができます。行政書士は行政の書類作成や許認可の手続き代理が仕事です。窓口で見知った人(かつての仕事仲間など)がいると、やはり仕事がスムーズになります。
元行政勤めだからといって許認可などの手続きで特段有利になるわけではありませんが、人脈があるという点で仕事や営業が有利という点はあり得ます。
公務員はサイドFIREからの完全FIREも達成しやすい業種である
公務員として仕事をしていて、特任制度で行政書士を取得してサイドFIREを達成する。公務員はこのような流れのサイドFIREが向いているわけですが、サイドFIREからの通常のFIRE達成もおすすめです。
たとえば、ある程度の(少し働いて補えるくらい)の資金を準備できたタイミングで早期リタイアします。その後に無理のない範囲で仕事をして生活費を補うと共に、完全FIREを達成するための資金準備も続けるわけです。資金が準備でき、4%の運用益だけで生活できるようになった段階でサイドFIREから完全FIREに移行します。
行政書士は収入をコントロールしやすい個人事業主ですから、働き方を工夫すれば無理のない範囲でサイドFIREから通常のFIREを達成することも可能です。
まとめ
FIRE向きの職種としてはフリーランスや個人事業主があります。これらの職種は仕事時間や収入をコントロールしやすいという点でFIRE向きです。
公務員は在職中に仕事時間や収入のコントロールが難しい職種ですが、特任制度があるためサイドFIREを達成しやすく、サイドFIREからの通常のFIRE達成にも向いている職種です。
公務員として働いている方や、FIREに向いている業種は何か考えている方は、公務員からのFIREを検討してみてはいかがでしょう。
→公務員が早期リタイアをするなら、リタイア後に行政書士として仕事をしてはいかがだろう
→公務員でFIRE→行政書士(ほぼリタイアでたまに仕事をする)というスタイルを提案する記事
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