資格試験の勉強に耳栓はおすすめ?士業や国家資格合格者に聞いてみた結果

資格試験の勉強に集中したいときは耳栓がおすすめ。

こんな話を聞いたことはありませんか?

実際に資格試験の勉強方法に、耳栓を使った方法が取り上げられていることがあります。

耳栓を使うと確かに周囲の音をシャットアウトできますから、資格試験の勉強に集中できるかもしれません。

ただ、実際のところ、耳栓を使った方法はおすすめなのでしょうか?

耳栓をして資格試験の勉強をする方法はおすすめなのかどうかを、私(行政書士合格者)が周囲の士業や国家資格合格者にヒアリングしてきました。

資格試験の勉強のために環境を整えたい方や、勉強方法の参考にしたい方に、耳栓を使った勉強方法はおすすめできるかどうかを解説します。

耳栓を使った方法はおすすめ?(結果)

行政書士や司法書士、税理士などの士業合格者、FP(ファイナンシャルプランナー)などの国家資格合格者に、

  • 資格試験の勉強をするときに耳栓をするのはおすすめ?
  • おすすめ(あるいは、おすすめしない)場合、理由はなぜ?

と尋ねてみました。

その結果、ほとんどの士業・国家資格経験者が「おすすめしない」という結論でした。

なぜ耳栓を使った勉強方法をおすすめしない方が多いかと言うと、次のような理由があるからです。

①    資格試験の本番では耳栓できないから

資格試験の本番では基本的に耳栓はできません。

実際に「耳栓不可」の旨を公言している資格・明記している資格はいくつもあります。

https://www.shiken.or.jp/shiken/faq/faq05/000361.html

https://cbt-s.com/examinee/ipa_pbt-faq/detail/4158.html

資格試験の本番で耳栓を使用すると、不正受験やカンニングを疑われる可能性があります。

また、耳栓をすることで試験官の「試験はじめ」といった指示が聞こえなくなってしまうため、そういった意味でも資格試験の本番では原則的に耳栓は使えません。

本番で使えないものを資格試験の勉強中に使いたくない。耳栓をして勉強していると、耳栓をしている状態が当たり前になってしまう。本番で耳栓が使えないなら、その状態を当たり前にしておきたい。本番で耳栓がないことに違和感を覚えるかもしれない。

このような理由から、私の周囲の士業・国家資格の合格者のほとんどは「耳栓を使った勉強方法はおすすめしない」という結論でした。

②    資格試験の本番で違和感が出てしまうから

資格試験の本番では耳栓の装着は許されません。しかし、いつも耳栓をつけて勉強していると、その耳栓をつけて勉強する、問題を解くという状態が当たり前になってしまいます。

本番で耳栓を着けられないなら、耳栓を着けていない状態を当たり前にしておくことが重要です。だからこそ、今回話を聞いた士業・国家資格の合格者の方々は、基本的に「耳栓はやめた方がいい」という回答でした。

難関資格はちょっとした体のコンディションの変化でもメンタル・思考に影響が出てしまいます。

耳栓を着けている。着けていない。これだけでメンタルやコンディションが変わってしまうわけですから、普段から耳栓を着けていると、耳栓を着けられない本番では違和感が出るかもしれない、メンタルやコンディションに影響が出るかもしれないと心配になるのは仕方のないことかもしれません。

また、普段耳栓をしていて本番に耳栓ができないと、周囲のちょっとした音が気になるかもしれません。周辺の音に慣れるためにも、音をカットしていない状態で勉強しておく方がおすすめだと言えるでしょう。

③    耳栓が頻繁に落ちてむしろ集中を削がれる

これはイヤフォンでもよくあることですが、耳の大きさや形などによって、頻繁に落ちてしまうことや、緩んでしまうことがあります。耳栓も同じで、耳の形などによって頻繁に緩んでしまうことや、落ちてしまうことがあります。

今回話を聞いた士業・国家資格の合格者の中には、「耳栓がずれるのが面倒だった」「耳栓が落ちたり、ずれたりすることでかえって集中を削がれた」という経験談がありました。

これはイヤフォンを使った勉強方法(環境音を流す、雨音を流す、音楽を聴きながら勉強する)なども、同じで、耳に装着したもののズレや落下が気になりかえって勉強の妨げになることから、おすすめしないという話です。

④    周囲の音や家族の声が聞こえなくて危険

耳栓をしていると周辺の音をカットでき、勉強に集中できるというメリットがあります。ただ、必要な音までカットしてしまうのが困りものです。

たとえば自宅で勉強している場合、家族から呼ばれても気づきません。外で勉強している場合、クラクションなど注意すべき音まで聞こえにくくなってしまいます。

注意すべき音や家族の呼び声なども聞こえにくくなってしまうため、耳栓をしての勉強はおすすめしないという結果です。

なお、今回話を聞いた方の中で、実際に最初の頃は耳栓を着けて勉強していた方がいらっしゃいました。

ただ、荷物が届いたときの呼び鈴が聞こえず不在扱いになってしまったり、家族の「ご飯だよ」という声が聞こえず家族側から「耳栓はやめて。何度も呼ばなければならず大変」と言われてしまったりと、困ることが多かったため、耳栓勉強法はすぐにやめたという話でした。

⑤    純粋に耳に何かを装着するのが嫌い

今回話を聞いた士業・国家資格経験者の中には「耳栓を着けること自体、一切考えたことがなかった」という方もいらっしゃいました。「それはなぜか?」と尋ねたところ、「そもそも、耳に何かを着けることが苦手だから」だそうです。

世の中には「ピアスやイヤリングは苦手」「指輪は苦手」など、特定の部位にアクセサリーなどの物を着けることを苦手とする方がいます。

私の知人にも、「手に物を着けるのが苦手」という方がいます。その方は指輪だけでなく手袋すら嫌という方です。耳栓が苦手、耳に何かを着けるのが苦手という方も、世の中には当然いらっしゃるわけです。

こういった方の場合、耳栓を使うこと自体がストレスになりますし、そもそもやろうとも思わないわけですから、勉強方法としておすすめできないのは当然かもしれません。

⑥    他の勉強方法の方が自分には合っていた

資格試験の勉強方法には、耳栓を使った方法の他にさまざまな方法・コツ・ノウハウがあります。

集中したい方へのおすすめの方法としてはよく耳栓を装着しての勉強がおすすめされていますが、他にもいろいろな方法があります。

士業・国家資格合格者の中には、単純に「耳栓を使った方法より別の方法の方が自分に合っていた」という方が何人かいらっしゃいました。

⑦    そもそも耳栓をして勉強する方法を知らなかった

耳栓をして勉強することで周囲の雑音をシャットアウトできます。耳栓は資格試験の勉強などに「集中できる」として、よく使われる方法のひとつになっています。

ただ、士業・国家資格に合格した方の中には何人か、「耳栓をして勉強するという方法を知らなかった」という方がいらっしゃいました。

耳栓をして勉強をする方法を知らなかったわけですから、「おすすめする」「おすすめしない」もありません。こういった方たちの場合、資格試験に挑戦すると決めた段階でテキストを用意し、後は無我夢中でテキストや問題集で勉強していたため、耳栓を使った方法など勉強の環境づくりにはあまり興味がなかったようです。

テキストや問題集に集中して雑音など耳に入らなくなる。ある意味、最強の集中方法・勉強方法かもしれません。

耳栓をして勉強するメリットと使い方のコツ

今回、士業・国家資格に合格している経験者に話を聞いたところ、耳栓を着けての勉強は「おすすめしない」という結果でした。

ただ、中には「自分も耳栓を使っていた」「耳栓を着けての勉強がおすすめ」という方も何人かいましたので、その方たちの耳栓のおすすめ活用方法についてもご紹介したいと思います。

耳栓をして勉強するメリット

今回話を聞いた方の中には「耳栓をしての勉強がおすすめです」という方もいました。

おすすめしている方がどのような理由から耳栓をおすすめしているのか、さらに話を聞いてみました。

耳栓を着けて勉強していたという方が耳栓勉強法をおすすめしているのは、次のような理由からです。

  • 耳栓をすることで雑音に煩わされず集中できる
  • 耳栓をすることで「今から勉強」と自分を切り替えできる
  • 外出先の喫茶店(スタバなど)で勉強するときは、自分だけの空間にできる

資格試験の勉強で耳栓を有効活用するコツ

資格試験の勉強で耳栓を有効活用したいなら、使う場面・使わない場面を使い分けすることがコツです。

たとえば次のような使い分けが考えられます。

  • 外出先の喫茶店などで勉強するときは耳栓を有効活用する
  • 自宅で家族に呼ばれる心配のないときは耳栓で音をシャットアウトする
  • 気持ちを切り替えたいときに耳栓を使う

この他に、自宅の立地によっては耳栓を使った勉強方法がおすすめです。

今回話を聞いた士業・国家資格合格者の中には、「住んでいたところが線路の側だった」「駅も近く、よく賑やかなアナウンスが聞こえていた」という方がいらっしゃいました。

こういった賑やかな場所に住んでいる方や駅・線路の側に住んでいる方の場合、こうした騒音・賑やかな音をシャットアウトするために耳栓を活用するという勉強方法はおすすめです。

また、特定の時間になると帰宅や下校の音が賑やかという立地の場合、その時間帯だけ耳栓を使うという方法もあります。

耳栓を使って勉強していた方や、耳栓がおすすめという方の場合、時間帯や生活環境に合わせて使っているという方も多かったです。

資格試験の勉強に耳栓はおすすめ?|まとめ

資格試験の勉強方法としてよく紹介される「耳栓をしての勉強方法」。

この方法が実際におすすめなのか、士業や国家資格の合格者に話を聞いてみましたが、基本的には、

  • 資格試験の本番では耳栓が使えない
  • 耳栓を使わず環境に慣れておく必要がある
  • 家族などの呼びかけや注意すべき音に気付かなくなるため、危険
  • 耳栓のズレや落下でかえって集中を削がれる

などさまざまな理由から、私の周囲の多くの方は「おすすめしない」という結論でした。

私も耳栓を使って勉強したことがなく、使わない方が実践慣れできると考えていますので、基本的には同じ結論です。

ただ、中には騒音など環境・立地的な要因から耳栓を使っていた方もいましたので、状況次第によっては有効活用してもいいかもしれません。

資格試験の勉強に関しては、さまざまなノウハウがネット上で紹介されています。

その中から体験談なども参考にしつつ、ぜひご自身に合った勉強方法を見つけていただければと思います。