日本の多くの企業は副業を推奨しています。
有名なところではソフトバンクやロート製薬などが「本業(サラリーマン)の他に副業をしてOK」となっています。この他に、キリンやみずほフィナンシャルグループなどもよく副業推奨の企業としてメディアに取り上げられますので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
日本は「本業の他に副業を推奨」という方向に動いていますが、人にはやはり向き不向きがあります。本業であるサラリーマンをこなしながら副業をすることが向く人と、本業一本に絞る方が向く人もいます。
本業であるサラリーマンをしながら副業をすることが向くのはどのような人なのでしょうか。FIREや資産運用の資金、家計のためなど、「働きながら別の業種で副業(個人事業主)を考えている」という人に、「ながら個人事業主(サラリーマン兼業個人事業主)」に向く人について解説します。
私も一時期「ながら個人事業主」をしていましたので、参考になればと思います。
目次
サラリーマンをしながら個人所業主になることも可能
会社員として働いていても、個人の副業で個人事業主をすることは可能です。
FPや行政書士などの独立開業可能な資格を持っている場合。あるいは、エンジニアのスキルや技術を持っていたり、手先が器用で物つくりが得意だったりするような場合は、「このスキルや知識、資格を活かして収入を得たい」「副業収入が欲しい」と考える方は少なくありません。
日本の法律は公務員など一部の仕事を除いて副業を禁止していません。むしろ、日本全体の動きとしては副業を推奨しています。
日本の働き方について日本という国がどのような方向性やスタンスで動いているかは、首相官邸のホームページなどで読み取れます。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/portal/new_workstyle/index.html
企業によっては事情から「副業禁止」の社内ルールが定められていることもありますが、基本的に日本は問題なく副業できる国であり、国全体としても副業推奨の方向に進んでいます。サラリーマンと個人事業主を兼業することも問題なく、実際に兼業している方も多数います。
サラリーマンをしながら個人事業主になる方法
個人事業主になるには特別な資格は不要です。「オフィスを持っていなければならない」「独立開業できる士業などを取得していなければならない」などの条件もありません。なので、サラリーマンをしながら別にお金を稼げるスキルや知識、資格、アイデアがあれば 今日から個人事業主になる ことも可能です。
なお、個人事業主は税務署に開業届を提出しなければいけません。ただ、開業届の提出は「個人事業主をやるので、その分の税金処理を行います」という意味で、個人事業主をスタートするための書類ではありません。提出していなくても個人事業主として仕事をすることは、理屈上は可能です。
サラリーマンをしながら個人事業主をやるメリット
サラリーマンをしながら個人事業主をするのは、経験上かなり大変です。
単純に仕事時間が増える(サラリーマンの仕事時間+副業の時間)という点でも大変ですが、収入が増えると確定申告などの税金の手続き準備も時間がかかってしまいます。「副業をしているから」で会社の仕事で手を抜くこともできません。サラリーマン一本で仕事をするよりも、時間や労力の面で大変だと言えるでしょう。
ただ、ながら個人事業主にはメリットも少なくありません。
・ながら個人事業主をすることで収入が増える
・ながら個人事業主でスキルや知識を習得できる
・ながら個人事業主でお得な節税方法が使える
サラリーマンと個人事業主の兼業により収入が増えます。また、本業であるサラリーマン以外に仕事を持つことでスキルや知識も増えます。仕事内容によっては人脈なども増えるかもしれません。さらに、個人事業主の仕事内容によっては、さらなる資格取得なども可能なはずです。サラリーマン一本で仕事をするよりも、金銭面やスキル面、資格面などのメリットがあると言えるでしょう。
また、個人事業主を兼業することで税制面のメリットを受けられる可能性があります。どのような税制優遇を受けられるかはケースによりますが、節税に繋がる可能性も高いと言えるでしょう。
サラリーマンが個人事業主を兼業することにより、スキルや知識、人脈、収入、節税などのメリットがあります。
サラリーマンをしながら個人事業主が向く人
サラリーマンと個人事業主の兼業にはメリットもありますが、人によっては「この働き方は辛い」と感じるかもしれません。
ながら個人事業主をすると、どうしても仕事での拘束時間が多くなります。加えて、体力も必要であり、サラリーマンと個人事業主の両方のスキルアップが必要になります。体力的に難しい人や仕事での拘束時間が長くなるのが嫌な人などは向いていないと言えるでしょう。
反対に、次のような人はサラリーマンと個人事業主の兼業が向きます。
サラリーマンの仕事時間に余裕がある人
個人事業主を兼業すると業種は何であれ仕事での拘束時間が長くなります。サラリーマンの仕事+個人事業主だからです。「土日だけ仕事しよう」と思っても、月あたりや週あたりの合計仕事時間は長くなります。そのため、サラリーマンとしての拘束時間が長い方や休日出勤が多い方、残業の多い方などには向きません。
仮に個人事業主と兼業する場合は、あまり副業での拘束時間が長くない業種での個人事業主がおすすめです。
仕事での収入を最優先で増やしたい人
仕事での拘束時間や労力よりも収入アップを優先したい人には兼業での個人事業主が向きます。
個人事業主は仕事内容や業種によりますが、自身の収入や仕事時間をコントロールしやすいという特徴があります。本業であるサラリーマンに時間を合わせつつも、収入を増やしたい人に向いていると言えるでしょう。
資格やスキルを増やしたい人
個人事業主をやるためには何らかの「稼げるスキル」を持っている必要があります。
たとえば小物を作るのが上手く、センスがある。小物作りに資格は不要ですが、スキルは必要です。個人事業主として稼ぐためには人に売れるくらいのスキルは必要ですから、稼ぐためにはあらかじめある程度のレベルのスキルを習得しているか、努力で磨くしかありません。個人事業主をすることでさらにスキルを磨けますし、自然とレベルアップもすることでしょう。
スキルを磨きたい人や、資格を増やしたい人など、成長したい人にはながら個人事業主が向きます。
将来的に独立開業したい人
サラリーマンをしながら「将来的には自分で事業をやりたい」「起業したい」と考えている方は少なくありません。
個人事業主とサラリーマンは資金準備や将来的な事業(起業)の予行練習という点で向いています。サラリーマンとして給与をもらいながら(収入の保証を受けながら)独立開業の準備や将来の練習ができるので、いずれ起業や独立開業でそちら一本の仕事に絞ろうと考えている方に向きます。
FIREなどのために資金を貯めたいと考えている人
個人事業主とサラリーマンの兼業は将来的にFIREを考えている人にも向きます。
サラリーマンだけでは早期退職やFIREの資金を貯めるのが難しい場合でも、副業とも言える個人事業主で稼げます。サラリーマンの収入は生活に回し、個人事業主の収入はFIREの資金に回すという方法も可能です。
早期退職やFIREを考えている人には兼業がおすすめです。
まとめ|FIREしたい人などには「ながら個人事業主」がおすすめ
個人事業主とサラリーマンの兼業(ながら個人事業主)は仕事での拘束時間が長くなるなどのデメリットもありますが、メリットも少なくありません。FIRE達成を目指す方や起業を目指す方などには、ながら個人事業主が向くと言えるでしょう。
現在の日本はさまざまな働き方ができるようになっています。ひとつの働き方として、ながら個人事業主 を考えてみてはいかがでしょう。