FIREのメリット・デメリット

FIREとは経済的自立による早めのリタイアのことです。

日本では65~70歳頃まで仕事を続け収入を得て生活するのが一般的ではないでしょうか。FIREでは65~70歳の一般的な退職・リタイアの年齢まで働き続けるのではなく、45歳や50歳などリタイア年齢になる前に経済的な自立をして(仕事で収入を得なくても生活できるようにして)リタイアします。そのための一連のステップや計画、方法などを含めてFIREといいます。

FIREは個人事業主、会社員問わず注目されるライフスタイルです。自分流のライフスタイルを追求したい方にとってFIREは魅力的でメリットがあります。

しかし、FIREには魅力がある反面、どうしてもデメリットやリスクもつきまといます。FIREを選択し実践する際はメリット・デメリット両方を見て決めることが重要です。

・FIREのメリット

・FIREのデメリット

この記事ではFIREを実践している個人事業主が、FIREのメリット・デメリットを紹介します。

リタイアに向けてFIREを実践している者の視点で感じたメリット・デメリットなどもまとめましたので、これからFIREを実践しようとしている方や、FIREを検討している方はぜひ参考にしていただければと思います。

FIREのメリット

FIREのメリットは4つあります。

・早々にリタイアすることで悠々自適に生活できる

・リタイア後に仕事をしてもしなくてもいい

・場所や時間に拘束されず自分流の生活ができる

・節約思考が身に着く

FIRE実践者の実体験も含め順番に説明します。

メリット①早々にリタイアすることで悠々自適に生活できる

FIREは資金の準備をして早期に仕事をリタイアし、後は準備した資金を運用して不労所得で生活します。

たとえば年300万円の支出だとすれば7,500万円準備して、年4%で運用することにより300万円の不労所得を得るわけです。その運用益である不労所得でリタイア後の生活費をまかないます。

よって、生活費は運用益である不労所得で基本的にまかなえるため、仕事をする必要はありません。早々にリタイアして悠々自適に生活できるメリットがあります。

リタイア後は自分の好きに時間を使えるので、趣味や習い事など、自分のやりたいことを追求できます。FIRE達成を目的に生活していると「リタイア後はこんな生活をしよう」といろいろ想像でき、楽しくなりますよ。

メリット②リタイア後に仕事をしてもしなくてもいい

FIREで早々にリタイアした後は基本的に仕事をせず運用による所得で生活をします。しかし、仕事をしてはいけないわけではありません。

FIREにも種類があります。FIREの中にはリタイア後にも仕事をするサイドFIREなどもあります。完全に仕事を辞めてしまうことをフルFIREなら、サイドFIREは適度に仕事をするアーリーセミリタイアのような方法です。

サイドFIREについては別の記事で解説しています。

FIREでは運用益というある程度の不労所得があります。なので、仕事は支出でマイナスの出る範囲内や、生きがいや好きなことなど自分のやりたい範囲内で問題ありません。生活のためにフルタイムで仕事をする必要はなく、リタイア後に仕事をするかどうかも自由に決めることが可能です。

また、仮に仕事をする場合でも、生活費やローンのために仕事に励む必要はなく、必要な範囲内あるいはやりたい範囲内でマイペースに働けるというメリットがあります。

仕事が必須ではなく、仕事をするかどうか自分で自由に決められる。一生懸命根を詰めて働かなければならない状況ではないため、精神的にも肉体的にも負担がかなり軽くなるのではないでしょうか。

メリット③場所や時間に拘束されず自分流の生活ができる

仕事をしているとどうしても時間や場所に拘束されてしまいます。しかし、FIREを達成すれば後は運用によって生活できますから、仕事をしていたときのように仕事や場所には拘束されません。すべて自分の自由です。

FIRE達成後に仕事をするとしても、自分の生活スタイルに合わせて仕事を選ぶことが可能です。FIREのためにある程度資金を貯めており運用益もある状態ですから、無理して嫌な仕事やきつい仕事をする必要もありません。仕事、時間、場所のすべてから解放され、自分の好きに計画を立て、生活の場所を選べるというメリットがあります。

仕事の都合でA県に住んでいたが、リタイア後は自然豊かなB県でゆったり暮す。こんなふうにリタイア後に生活を自由に設計できるのがいいですね。

メリット④節約思考が身に着く

FIRE達成のためには運用のための資産を貯めなければいけません。その資産を運用してリタイア後に生活するわけですから、目標の額を準備することはFIREを実現するためには必須であると言えるでしょう。

ときにFIRE実現のために節約しなければならないことや、欲しいものを我慢しなければならないこともあります。

私も「この買い物は本当に必要か」をよく考えるようになりました。今までは何気なく使っていたお金でも、FIRE達成のためにお金を準備していると「それって本当に必要?」と考えるようになるのです。結果、FIRE達成のために節約することも少なくありません。

しかし、本当に必要か冷静に考える習慣がついたため、無理せずに自然に節約ができるようになりました。無駄遣いが減り、かえって良かったのではないかと思っています。

FIREのデメリット

FIREのデメリットは3つあります。

・リタイア後に生活の計画が破綻するリスクがある

・資金準備が大変で節約が苦になることもある

・仕事でキャリアを追求できない

デメリットは人によります。たとえばキャリアや役職などにこだわる人はFIREのキャリア追及が難しい点はデメリットです。しかし、役職やキャリアを特に気にしない人には特にデメリットにはなりません。

デメリットについてもFIRE実践者の体験談を含めて順番に説明します。

デメリット①リタイア後に生活の計画が破綻するリスクがある

FIRE達成後に急な大きな出費や投資への打撃によりリタイア後の生活が破綻するリスクがあります。

たとえば、年300万円の運用益で暮せるはずだったのに、急に病気をして治療費がかかるようになったらどうでしょう。家族の介護なども考えられます。また、投資により不労所得を得ているのですから、市況によってもリターンに影響が出てしまい、せっかく立てた計画が破綻する可能性があります。

サイドFIREとして短時間の仕事をするなど、リスク対策を考えておく必要があるのではないでしょうか。

デメリット②資金準備が大変で節約が苦になることもある

FIRE達成のためには運用のもとになる資金を準備しなければいけません。資金は25倍ルールで算出するのが基本です。年の支出が300万円であれば25倍ルールでいけば7,500万円になります。かなりの額だと言えるでしょう。

支出の25倍の額を苦もなく捻出できる人はいいのですが、そうでなければ節約や投資に励んで準備するしかありません。資金準備の際の節約などにうんざりして嫌になる人もいます。

ただし、あくまで人それぞれ。私などは「本当にこの買い物は必要か」と考えるようになったため、無駄遣いしなくなり良かったと感じています。普段から買い物を我慢することに苦痛を覚える方や買い物が趣味という方は辛いかもしれません。

デメリット③仕事でキャリアを追求できない

仕事でキャリア形成や昇格をするためには、ある程度の年数勤めていることや、その業種で働き続けることが必要なケースは少なくありません。FIRE達成の場合は仕事を途中で辞めてしまうため、キャリアや昇格を追求したくても難しいというデメリットがあります。

キャリア志向の方や将来的に役員など肩書が欲しい方にはあまり向かないかもしれません。しかし、逆にサイドFIREを達成して自分でマイペースに働ける会社を設立し、代表という肩書を得てしまう方法もあります。デメリットになるかどうかは人、あるいはその人の目標とするものや状況によりけりです。

そもそもキャリアや肩書を気にしない人の場合はデメリットにはなりません。

最後に

FIREの最大の魅力は仕事や時間、場所に拘束されず自由に「好きなように」生活できることではないでしょうか。自分の好きなように生活できることこそFIREの魅力です。しかし、そのためには節約するなど、人によっては辛いことも頑張らなければいけません。

メリットにどれだけ魅力を感じるか。

デメリットを受容できるか。

以上のポイントで考えてみたらいかがでしょう。

FIRE達成後の生活を思い描いて魅力を感じるなら、計画だけでも立てて「自分にできるか」「やれそうか」など、達成への道を探ってみてはいかがでしょう。

→FIREにはメリットとデメリットあり。メリット、デメリットを分けて解説