個人事業主やフリーランスが「ビジネスでばりばり稼ぐぞ」と気合を入れて法人を設立しても、法人設立完了後に「失敗した」と後悔することがあります。
今回の記事では福井県で法人を設立した際によくある失敗事例について解説します。特に福井県にフォーカスした内容になっていますので、これから法人を設立したい同県の個人事業主/フリーランス、独立を考えている会社員の方の参考になればと思います!
目次
法人設立でよくある失敗事例【福井県版】
法人設立でよくあるのは次のような失敗事例です。
- 法人の共同経営者とケンカした
- 初期費用にお金をかけ過ぎて苦しい
- 資本金が少なく融資を断られた
- 資金不足になってから融資を頼んで断られた
- 取引先が廃業/倒産した
- いきなり人材不足になった
- お客さんが来ない
法人設立のよくある失敗事例について順番に説明します。
失敗事例①法人の共同経営者とケンカした
福井県に限らずですが、2人以上で法人を設立すると、よく「ビジネスの方向性で意見が分かれた」「ケンカした」「実際にやってみたら仕事のやり方や性格が合わなかった」と困った事態になり、設立後の法人のビジネス自体に影響を及ぼすことがあります。
共同設立はお互いの良いところや性格、得意分野を活かせるといったメリットもある反面、ケンカ別れのリスクが高いところも特徴です。
フリーランスとしてお互い仕事の愚痴を言い合う分には上手くいっていた。会社員として、ふたりで法人設立の夢を語り合う分には相性が良かった。しかし、一緒に法人を設立してビジネスをやっていくのは、また別の話だった。
こういった失敗事例はよくありますので、共同経営を検討している場合は「ケンカせずやっていけそうか」「そもそも自分(相手)は共同経営という形態に向いているか」をよく考える必要があります。
失敗事例②初期費用にお金をかけ過ぎて苦しい
法人を設立するときは設備の準備にお金がかかります。
「パソコンとネット環境があれば大丈夫」という法人の場合にも、法人設立のためには手続きがかかりますので、法人を設立する場合はある程度「お金がかかること」を覚悟しなければいけません。
これからどんどん稼げばいいからと思って初期費用にお金をかけ過ぎると、後から「赤字をいつまで経っても挽回できない」と困ることも少なくありません。
法人設立直後は売り上げが少ないことが多いので、初期費用だけで高額になると、その後の売り上げの少なさなどもあって早々に破綻することも珍しくありません。
初期費用については厳密に計算し、「この設備は後から余裕が出てからでも大丈夫」ということであれば、後回しにすることも重要です。
失敗事例③融資の問題(資本金が少なく融資を断られた、資金不足になってから融資を頼んで断られた、など)
法人設立後に融資の問題で失敗する事例があります。
法人設立時の資本金は1円で設定することも可能です。いわゆる「1円起業」です。ただ、融資を受けるときは資本金も審査の参考情報になっているため、資本金が少ないと融資を断られてしまうケースがあります。
資本金は1円でも大丈夫。ということで、1円起業したら、後から資本金の影響で融資を断られてしまい、後悔するわけです。これは法人設立の失敗事例というより、法人設立時に決める内容で失敗した事例かもしれません。
この他にも、法人設立でお金を使ってしまい、あまり売り上げがない時点で融資を申請して断られるなど、法人設立と融資で失敗する事例があります。
失敗事例④法人設立後に取引先が廃業/倒産した
フリーランスや個人事業主、会社員として仕事のお付き合いをしていた会社があったとします。法人設立後もその会社を主な取引先にする予定でした。しかし、その会社は経営者の年齢を理由に、すぐに廃業を決めてしまいました。そのため、法人設立後に大きな取引先を失ってしまい「早まったかな」と後悔する事例があります。
この他に、法人設立後に大きな取引先が倒産してしまい、影響を受けて法人のビジネスが難航するようなケースもあります。
失敗事例⑤法人設立後いきなり人材不足になった
法人設立後に「人を雇おう」と思っていても、なかなか働いてくれる人が見つからず人材不足や人手不足に陥るケースがあります。
各業界の人手不足が問題になっている昨今、「法人設立後に人を雇えば大丈夫」と甘く考えていると、人材が集まらないことも少なくありません。人手不足によって軌道に乗っていたビジネスを縮小しなければならないようなケースもあります。
東京や大阪あたりでは人材も集まりやすいかもしれません。東京や大阪と比較すると、地方都市のあたりでは求人を出してもなかなか人材が集まらない傾向がありますので、地方都市で法人設立する場合は注意する必要があります。
失敗事例⑥法人を設立したもののお客さんが来ない
会社員が「いずれ独立したい」という思いで一念発起、法人を設立しました。しかし、法人を設立したものの、お客さんもビジネスチャンスもやって来ません。法人を設立したのにお客さんや仕事が来ず、すぐに法人を畳む結果になってしまいました。
こういった失敗事例もよくあります。
会社員と経営者(あるいは個人事業主、フリーランスなど)は仕事のやり方が違います。会社員からの独立の場合、仕事は自分で営業してどんどん掴むもの、地道な営業努力が必要なもの、待っていても仕事やお客さんがどんどんやって来るわけではない、と考え方を変える必要があります。
会社員の仕事のやり方、意識のまま法人を設立し、失敗する事例は少なくありません。逆に、法人の経営者やフリーランス、個人事業主の意識や仕事のやり方のまま会社員になり、失敗するケースもあります。
法人設立での失敗を回避するためのコツ
法人設立にはある程度リスクがあり、「絶対に失敗しない」という保証もありません。
日本はコロナにより各業種/法人に影響を受け、中には廃業/倒産した法人もあります。そのときの政治や世界情勢によっても影響を受ける可能性があります。したがって、法人を設立する以上「絶対に成功する」「絶対に大丈夫」は有り得ないと言えます。
以上の念頭に、可能な限り失敗を回避するための対策をしておくことが重要です。
- 設立する法人の内容を決めるときは資本金など融資に関わる部分はよく検討する
- 積極的に営業して顧客を獲得する思考が重要
- ひとつの取引先だとリスクが高いため、法人設立後の新規開拓はこまめに行う
- 法人設立の初期費用についてはしっかりと計算し、厳密に検討する
- 人材不足や資金不足に対しては早めの行動が重要
- 法人設立の準備では「今、それが重要か?」を検討する(ときに節約も重要)
- 法人設立後の資金調達については、プロ(行政書士など)にもアドバイスを求めておく
- 利用できる補助金や助成金、創業融資は積極的に使う
福井県の法人設立でよくある失敗事例と回避のコツ|まとめ
法人設立でよくある失敗事例をご紹介しました。
失敗事例としてよくあるのは、共同での法人設立でのケンカや融資の問題、取引先の倒産/廃業リスクなどです。
今回は福井県の法人設立でよくある失敗事例を解説しましたが、これらはフリーランス/個人事業主、会社員の法人設立の失敗事例として他県(全国)でもよくあります。
法人を設立する以上、リスクや失敗はつきものです。あらかじめリスク対策についてよく考えておきましょう。
