資格試験に合格したい!勉強の仕方のコツを現役士業が解説

資格試験への合格を目指す場合、多くの方が「どのような勉強をすればいいのか」「何かコツはあるのか」と思うのではないでしょうか。特に士業試験など難関試験に挑む場合は、合格者(経験者)の勉強のコツなどを参考にしたいという方は少なくありません。

そこでこの記事では、士業試験合格者の私が、合格のための勉強の仕方、中でも基本中の基本とも言えるポイントをご紹介します。

勉強の基本中の基本なコツを説明しますので、テキストをめくる前にさらっと目を通していただければと思います!

資格試験に合格したいときの勉強のコツ

資格試験に合格したいときは7つの基本的なコツがあります。

基本中の基本とも言えるコツについて順番に説明していきます。

コツ①睡眠時間はしっかり確保する

資格試験を受ける方の場合、睡眠時間を削って勉強するケースが少なからずあります。特に難関試験を受けるときは「睡眠より勉強」「できるだけ勉強時間を確保したい」という思いから、睡眠時間を削ってしまう方もいらっしゃるはずです。私の知人で国家試験に合格している方の中にも、睡眠時間を削って勉強していた人がいます。

ただ、この方法はおすすめできません。

睡眠時間を削って勉強すると、どうしても勉強の効率が落ちてきます。睡眠時間を確保できていないと、仕事の効率だって落ちてしまうはずです。ミスも多くなります。

資格試験の勉強も同じで、睡眠時間を削って勉強しても、知識がなかなか身に付きませんので、効率が落ちてしまうわけです。

私の知人の国家試験合格者は最初の頃こそ睡眠時間を削って勉強していたものの、「テキストの同じ行を何度も読んでしまう」「なかなか頭に入ってこない」などの理由から、結局効率が悪いと気づき、睡眠時間をしっかり確保するようになったそうです。

そうしたところ、模試の点数も上がり、テキストを勉強するペースもかえって上がったとのこと。私も資格試験の勉強をしているときは、しっかり睡眠時間を確保していました。

勉強時間を確保したい気持ちは分かりますが、勉強の効率が落ちてしまうので睡眠はしっかり取る。睡眠時間は確保する。基本中の基本ですが、大事なコツです。

コツ②試験勉強をはじめるならまずいきな過去問に挑む

試験勉強をはじめるときは「まずは初心者向けのテキストから勉強をはじめる」という方が多いのではないでしょうか。その上である程度勉強が進んだら「過去問に挑む」という流れで進める方も多いのではないかと思います。

個人的におすすめしたいのが、初心者向けのテキストを勉強する前、最初にいきなり過去問に挑むという勉強方法です。

最初に過去問に挑んでも「何も解けないのでは」と思うかもしれません。実際、その通りです。いきなり過去問に挑んでもまったく正解が分かりません。

ただ、過去問の内容や出てきた用語は何となく記憶に残ります。

最初に過去問に挑んでおくと、テキストで勉強するときに「この単語、過去問で見たな」「あのときの過去問、この知識で解けそうな気がする」「あの訳の分からない過去問はこういうことだったのか」と、テキストの内容をまた違った角度から理解できます。

何となく見た用語だ。何となく過去問と繋がる気がする。こういった見方で勉強できるので、勉強をはじめるとき、本当のスタートのときはまずは解けないことを前提に過去問に挑戦するという流れがおすすめです。

これも資格試験の勉強効率を高める意外なコツではないかと思います。

コツ③テキストと問題集はとにかく繰り返す

資格試験の勉強をしている方の中には、一冊のテキストの勉強が終わったら次のテキストへという流れで勉強する方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして、すでに一周したテキストは終わったものとして振り返らない方もいらっしゃることでしょう。

資格試験の勉強では、テキストや問題集は何周もすることがコツです。すでに国家資格など難関資格に挑戦したことのある方にとっては基本中の基本とも言える勉強方法ではないでしょうか。

資格試験ではテキストや問題集を一周したら終わりではなく、そのテキストの内容が頭に沁み込むまで、何周もします。

問題集も、それぞれの問題をほぼ暗記するまで、それこそ問題について「何を問われているのか」「要点は何か」を説明できるようになるまで、何周も何周も繰り返します。

テキストや問題集がボロボロになって「もう見なくても内容が分かる」くらいになったら次のテキストと問題集に挑戦するという流れが基本です。人によっては同時並行で複数のテキストや問題集を何周もやり込むこともあります。

テキストは一周だけで終了しない。頭に染み込むまで何周もする。資格試験の勉強では基本的なコツです。

コツ④苦手なところや覚えにくいところは手書きを活用

資格試験の勉強をしていると、「ここが苦手だな」「この分野はなかなか覚えられないな」という箇所がいくつか出てきます。このような苦手分野、覚えにくい分野は手書きを活用することがコツになります。

ただ、一言に手書きといっても、人によってやりやすさがあります。何度も書くと覚えられる人もいれば、自分なりにノートにまとめる方が覚えやすいという人もいます。自分のやりやすさ、覚えやすさに合わせてやり方を変えるといいでしょう。

私の周囲では資格試験に手書きを活用している人が多いですが、それぞれ次のようなやり方をしていました。

  • 覚えにくい単語や重要用語を手書きの単語帳にまとめる。電車通勤や会社の昼休みに、ひたすらその手書きの単語帳を覚える
  • 広告の裏でもノートでも、とにかく何度も単語や用語を書きなぐる。コピー用紙(コピーをミスしたもの)の裏面を使ってとにかく書いて暗記
  • 覚えられない箇所は自分なりの言葉でノートにまとめた。時間が空いたらとにかくそのノートを本のように読んでいた
  • 特にノートなどは用意しなかったが、資格試験のテキストに自分なりの言葉で細かく補足説明を入れていった

私も士業試験の勉強をしているときは必要に応じて手書きをしていました。

勉強の際は「足りない知識の補足」「手書きの単語帳」「書いて覚える」など、自分との相性を考えながら手書きを取り入れていくことがコツです。

コツ⑤完璧主義にならないよう注意する

資格試験の勉強のこれまた基本的なコツですが、勉強中は「完璧主義にならないこと」が重要です。

たとえば一冊のテキストを勉強していたとします。そのテキストの内容を頭に染み込ませることはもちろん重要ですが、すべて完璧、完全を目指す必要はありません。莫大な時間がかかってしまいます。

また、特に士業試験などの難関資格では、覚えなければならない知識も膨大です。それぞれの分野・科目をとにかく完璧にやろうと勉強すると、一分野・科目だけであっという間に一年が過ぎてしまいます。ある程度「忘れることは仕方がない」「100%は有り得ない」と割り切ることも大切です。

難関資格試験では、本番で盲点とも言える知識が問われることもある他、テキストに書いていないような細かな知識が問われることすらあります。毎年のように引っ掛け問題があると言えるでしょう。

そのため、国家資格や難関資格を受験したことのある方は、基本的に「1問くらいは解けない問題や意地悪問題がある」と理解しているのではないでしょうか。基本的に100%はまず無理です。

資格試験も合格ラインに達すればいいわけで、満点を目指す必要はありません。完璧主義になり過ぎると勉強が進みませんので、ある程度割り切って勉強を進めることがコツになります。

コツ⑥勉強時間をこなすより勉強の質量が重要

勉強時間を毎日3時間と決めたら、その3時間をこなすことを重視するより、勉強の質を重視することもコツです。

たとえば3時間勉強すればいいと考えていると、その3時間を何となくテキストをだらだら読んで過ごしてしまうことがあります。ぼんやり数問だけ解いて、後は何となく解答を確認して3時間、ただ時間が過ぎるだけ待つというあまり質の良くない勉強をしてしまうことも少なくありません。

勉強は決めた時間やることより質が重要です。だらだら3時間過ごすよりであれば、ぎゅっと実の詰まった1時間の方が効率も、勉強の質も良いと言えるでしょう。

勉強時間をこなすことより、勉強の質を重視することがコツです。「今日はあまり集中が続かなそうだな」と感じたら、あえて「今日は1時間半だけ集中してやる。後は休む」と質重視の方に切り替えることもコツになります。

コツ⑦勉強のときは時間を区切ることもポイント

人間が集中できる時間は限られています。

資格試験の勉強時間を「1日5時間」と決めた場合、この5時間という勉強時間の間中ずっと集中していられるかというと、基本的には無理です。

人間が集中できる時間は15分くらいだと言われています。最も深く物事に集中できるのはたった15分くらいなので、この「15分」をベースに時間を区切ることがコツです。

たとえば、資格試験の中でも特に集中を要する分野があるとします。

人間が集中できる時間は15分なので、まずは最初の15分でこの集中を要する分野を勉強するという方法が考えられます。集中が途切れてくるあたりで資格試験の勉強の中でもすでに何度も復習しているところ、自分が得意なところ、簡単なところを勉強し、それから休憩を入れて、また深く集中できる15分間で難しい科目を勉強するという流れがおすすめです。

実際、「集中できる時間」を上手く利用して資格試験の勉強をし、見事に合格した知人がいます。

この知人は1日のうち勉強時間を90分+90分としていました。まずは朝起きてすぐ90分勉強します。うち、最初の15分は最も集中できる時間なので、難しい分野や科目を集中的にやりました。残りの75分はそれぞれ15分刻みに簡単な科目やすでに勉強を終えている科目を復習します。それから朝ご飯を食べて会社に行き、提示まで仕事をして帰宅するわけです。

帰宅したら今度は3時間くらい仮眠をとって、起きたらまた90分勉強します。最初の15分は苦手分野や難しい分野に集中して取り組む時間にし、残り75分は15分ずついろいろな科目の勉強に使いました。

こうして集中できる時間を効率的に使うことで資格試験に合格していますので、「集中できる時間にどのような勉強をすると効果的か」をよく考えてみることも勉強のコツだと言えるでしょう。

資格試験に合格したい!勉強の仕方を現役士業が解説|まとめ

資格試験に合格したいなら、その試験が難関であるほど工夫が必要になります。

士業などの難関試験に合格している方の多くは「とにかく勉強」だけでなく、「どうやって効率的に知識を身に着けるか」なども重要になってきます。当然、勉強しなければならない範囲も広くなっていますから、効率も重要です。

この記事では資格試験のコツとして、私の経験や、私の周囲で難関試験に合格した方の経験をもとにコツをまとめています。

資格試験に合格したい。難関試験に挑戦したい。こういった方にとっては基本中の基本的なコツになっていますが、今一度、勉強のやり方について考えていただくきっかけになればと思います。