大手の銀行を中心に、住宅ローン金利引き下げの動きが出ています。住宅ローン金利に関しては新聞やテレビ、ネットのニュース媒体などでも取り上げられ、話題になりました。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024062801047&g=eco
住宅ローン金利引き下げに関するニュースでは、固定金利や変動金利など、さまざまな「金利の種類」が登場します。金利の種類をよく知らないと「それで、一体どういう意味?」「金利が下がるって、どの金利が?」と、ニュース自体をよく理解できないばかりか、自分にとってメリットがあるのかどうかもよく分かりません。
この記事では、金利の種類の中でも、よくニュースに登場するものを中心に、分かりやすく説明します。資産運用や投資、ローンなど、お金に関するニュースをチェックするときの参考にしていただければと思います。
目次
住宅ローン金利引き下げで出てくる変動金利や固定金利とは?
変動金利と固定金利は、それぞれ金利の仕組みにことです。
住宅ローンでは変動金利と固定金利のどちらも使われているため、ニュースや新聞で住宅ローンが話題になるときは「固定金利が~」「変動金利が~」など、よく一緒に話題になるわけです。
固定金利と変動金利について、それぞれ説明します。
住宅ローンの「変動金利」とは?
変動金利とは、住宅ローンを借りるときに選択できる金利種類のひとつです。
変動金利は住宅ローンの借り入れ期間内に、金利がころころと変わるタイプの金利になります。たとえば、最初1%の金利だったものが、社会情勢や日銀の動向、各種サービスの状況、相場などにより、金利の見直しがなされます。金利が2%に変動することもあれば、0.5%に変動することもあるわけです。
住宅ローンの借り入れ期間中に金利がころころ変わるため「変動金利」と呼ばれます。
住宅ローンで変動金利を選ぶメリット
住宅ローンの借り入れで変動金利を選んだ方がお得になることもあります。
たとえば、借り入れ期間中に金利が下がると、その分だけ返済する金額が減ります。金利が下がると返済総額も減りますので、住宅ローンの借り入れ/返済に有利になると言えるでしょう。
また、すべてのケースとは言いませんが、住宅ローンの金利種類の中でも変動金利は、適用金利が低めに設定されていることが多いのです。低い金利で住宅資金を借りられるため、お得な金利種類です。
住宅ローンで変動金利を選ぶデメリット
変動金利は借り入れ期間中に利用者の有利な方に金利が変動するとお得になります。借りる側にとっては、2%が1%に変動すると、返済総額がその分だけ少なくなるからです。
しかし、変動金利は逆のパターンも考えられます。
借りる側にとって不利な方に金利が変動する可能性があるのです。
変動金利を選択して、たとえば金利が1%から2%に変動してしまうと、返済総額が増えてしまいます。仮に大幅に金利が変動してしまった場合、返済総額も当然かなり変わってきますから、住宅ローンの返済自体に困ってしまう可能性があります。
住宅ローンの「固定金利」とは?
固定金利とは、住宅ローンの金利が固定されるタイプです。借りるときに金利が1%であれば、その金利に固定されるタイプの金利種類です。
金利がころころと変動するのが変動金利。その逆で、金利が変わらないのが、この固定金利です。
固定金利にはさらに2つの金利種類があります。
「全期間固定金利」と「当初固定金利」の2種類です。
- 全期間固定金利
固定金利のタイプのひとつである全期間固定金利とは、住宅ローンの返済中ずっと金利が固定される金利種類です。返済中の全期間ずっと金利が変わらないため、全期間固定金利と呼ばれます。
- 当初固定金利
当初固定金利も固定金利のタイプのひとつです。当初固定金利とは、一定期間(当初)だけ金利が固定されるタイプの金利種類になっています。
住宅ローンを借りてから一定期間だけ金利が固定されるため、当初固定金利と呼ばれます。
住宅ローンで固定金利を選ぶメリット
固定金利は住宅ローンの金利が決まっているため、返済計画を立てやすいというメリットがあります。
たとえば、金利が1%や2%などころころ変わってしまうと、変更後の金利により返済総額も変わってしまうため、返済計画を立てにくいのです。金利の変動に合わせて当初の計画を修正/変更しなければならないケースも少なくありません。
対して、最初から金利が決まっていれば「この額を返済すればいいのだ」という総返済額を算出しやすいため、返済計画を立てやすく、返済計画が破綻しにくいわけです。実際の返済でも「いくら返せばいい」と分かっていますから、返済苦に陥りにくいと言えます。
住宅ローンで固定金利を選ぶデメリット
住宅ローンで固定金利を選ぶデメリットは、金利の変更ができないことと、金利変動で有利にならないことです。
固定金利は金利が固定されるため、2%から1%というように金利が有利な方に変動することはありません。世の中の変動金利を選択した人たちが「金利が低くなった!」と喜んでいても、固定金利を選択した人には関係なし。ずっと同じ金利を適用され、住宅ローンを返済し続けなければいけません。
変動金利のような「途中で金利が低くなる」といったお得さがないのが、固定金利のデメリットです。
また、住宅ローンを固定金利で契約している場合、金利を変更したいときは別の住宅ローンの借り換えが必要になります。住宅ローンの借り換えには諸費用がかかりますので、金銭的な負担という点でもデメリットがあります。
住宅ローンに関するその他の金利|店頭金利や適用金利など
住宅ローンでは変動金利や固定金利の他にも「〇〇金利」という言葉がよく登場します。店頭金利や適用金利など、よく登場する金利種類/金利の名前を説明します。
店頭金利とは?
店頭金利とは、金融機関が設定している金利を言います。
たとえば、買い物で商品が「定価100円」と書かれていたとします。この「定価」は決めてある商品の価格です。店頭金利は商品の定価のようなもので、金融機関が決めてある金利(定価)だと考えると分かりやすいかもしれません。
銀行の店頭金利が1%になっている場合、これが金融機関の決めた金利(定価)だということです。
適用金利とは?
適用金利とは、実際に適用される金利のことです。
たとえば、買い物で商品が「定価100円」になっていた場合、この定価は店頭金利です。定価100円で物を買うときに、店側が「90円でいいですよ」と値引きしてくれました。この割引価格(実際に売買する価格)が適用金利のことです。
実際にサービスで使われる金利が金融機関の適用金利です。
引き下げ金利とは?
引き下げ金利とは、金融機関側が決めた条件を満たすことで引き下げられる(引かれる)金利のことです。
金利引き下げには、全期間通して金利引き下げが行われるタイプと、一定期間金利が引き下げられるタイプがあります。
まとめ|固定金利や変動金利など金利の種類を覚えておこう!
住宅ローン関係のニュースでは、よく固定金利や変動金利などの言葉が登場します。この他に、店頭金利など、別の金利の種類が登場し、ニュースを見ていて「ややこしいな」と感じてしまうことも少なくありません。
金利の種類を知っておくことで、住宅ローンなど各種ローン関係のニュースを理解しやすくなります。金利は資産運用にも関係してきますので、基本的な知識を資産運用関係のニュースを見るときにも役立ててください。