よく勉強をする方やメモ書きを活用する方にとって、
シャーペンと鉛筆のどちらを使うか?
は悩ましい問題です。
人によって「鉛筆はこまめに削るのが面倒」「やっぱり鉛筆が手に馴染む」など、さまざまな意見があることと思います。
実は鉛筆とシャープペンシルでは、記憶への作用が異なることをご存じしょうか?
資格試験にパスするための勉強や点数を上げるための勉強、ご自身がしっかり覚えておくためのメモ書きでは当然ながら「記憶すること」が重要ですから、こうした鉛筆とシャーペンの違いにも注目した方がいいかもしれません。
シャーペンと鉛筆の記憶への作用の違いや、それぞれの基本的なメリット、デメリットなどを比較しながら説明します。
目次
シャーペンのメリット・デメリット
まずはシャーペンのメリットとデメリットです。
シャーペンのメリット
シャーペンのメリットは、やはり「芯の交換が便利」「削らなくていい」などではないでしょうか。
鉛筆の場合、使えば尖った芯はすぐに丸くなり、芯の部分が無くなれば削らなくてはいけません。
対してシャーペンは鉛筆のように削る必要はありません。ノックすればすぐに書きやすい芯が出てきます。また、芯がなくなれば替え芯を補充できますので、鉛筆のように芯がなくなるということもありません。
- ノックすればすぐに芯が出てくる
- 替え芯を追加できる
- HBや2Bなど、自分好みの芯を自由に入替できる
- 一本あればOK
- 鉛筆のように小さくなることがない
シャーペンの魅力のひとつに、一本あればOKというところがあります。
鉛筆は削っていくとどんどん小さくなりますが、シャーペンはそもそも削ることもありませんから、小さくなって書きにくいということもありません。
鉛筆と比較して便利なのがシャープペンシルです。
シャーペンのデメリット
シャープペンシルのデメリットは3つです。
- 小さくなることはないが壊れることがある
- 芯が折れやすい
- 芯の詰まりが面倒
シャーペンは鉛筆のように削るたびに小さくなることがありませんが、代わりに壊れてしまうことがあります。
鉛筆よりも複雑な作りになっているので、部品のひとつが壊れてしまうと、もうそのシャーペン自体が使えなくなってしまうことも少なくありません。
また、芯の入れ替えで簡単に使える反面、芯詰まりが発生することもあります。シャーペンによっては芯詰まりがかなり頻繁に発生し、「さあ、勉強」というときに芯詰まりの改善からはじめなければならないため、勉強の意欲が萎んでしまうことや、イライラすることもあることでしょう。
シャーペンには芯が折れやすいというデメリットもあります。少し力を入れると芯がぽきぽき折れてしまうので、筆圧が強い方の場合は「使いにくい」と感じることもあるようです。
鉛筆のメリット・デメリット
次の鉛筆のメリットとデメリットです。
鉛筆のメリット
鉛筆のメリットは4つです。
- 筆圧が強い人でも使いやすい
- 絵や文字に関する多彩な表現が可能
- 文字のはね、はらいをしっかり書きやすい
- 芯の細さや太さを自分好みに調整できる
鉛筆は自分で削らなければならないという面倒さがあるものの、自分で芯の太さ・細さや長さを調節できるというメリットがあります。自分の書きやすいように、使いやすいように芯をカスタマイズできるところが鉛筆の魅力ではないでしょうか。
また、鉛筆は文字のはね、はらい、をしっかり書きやすいところもメリットです。文字の書きやすさにこだわる方にとっては、「鉛筆の方が手に馴染み、綺麗な文字を書きやすい」と感じるところがあるのかもしれません。
この他に、芯を横にして角度を調整して使うなど、文字・絵・色塗りなど、多彩な表現ができるところが鉛筆の魅力ではないでしょうか。
シャーペンは筆圧の強い方だと芯が折れやすいという特徴があります。対して鉛筆の場合、筆圧が強い方でも芯が折れにくいというメリットがあります。
鉛筆のデメリット
鉛筆のデメリットはシャーペンと比較して手間がかかることです。
鉛筆削りを使う。小刀を使う。何らかの方法で、自分で削らなくてはいけません。この点、ノックひとつで芯が出てくるシャーペンより手間も時間もかかります。
この他にも、手が汚れる、芯で筆箱なども汚れやすいといったデメリットがあります。
- 削らなくてはならないので手間がかかる、面倒
- 使うときに手が汚れてしまう、筆箱も芯で汚れやすい
- 削るとどんどん小さくなって書きにくくなる
また、鉛筆は使うとどんどん小さくなってしまいます。
小さくなった鉛筆は書きにくいため、鉛筆キャップなどを活用して長さを調節している方もいらっしゃることでしょう。かなり小さくなってしまった鉛筆は結局使えず、「もったいない」と思いつつ捨ててしまうことも少なくありません。
なお、資格試験の勉強をする方の場合、感覚的に鉛筆を好む方も多いのですが、「鉛筆は絶対嫌!」という方も一定数いらっしゃいます。
なぜ鉛筆が嫌なのかと言うと、テキストが汚れやすいからです。
鉛筆で書いた部分を擦ってページが汚れてしまう。鉛筆の芯の色がついて指や手の平でテキストが汚れるから。このような事情から、徹底的にシャーペン派という方も一定数いるのが現状です。
シャーペンと鉛筆の記憶への作用について比較
シャープペンシルと鉛筆では記憶への作用が違うと言われています。
シャーペンと鉛筆を比較すると、鉛筆の方が「より記憶に残る」と言われているのです。
なぜ鉛筆による勉強の方が記憶に残ると言われているのでしょう?
理由は3つあります。
- 鉛筆とシャーペンでは握った感覚や筆圧が異なる
- 鉛筆とシャーペンでは紙に擦れるときの音が違う
- 鉛筆とシャーペンでは臭いも違う
鉛筆とシャーペンは握ったときの感覚や筆圧がかなり違います。鉛筆の方がやや筆圧が強くなり、この強い筆圧が記憶と連動するのではないかとの指摘もなされています。
また、書いた字の太さや濃さなどの面も鉛筆とシャーペンでは違いますので、こうした違いも「記憶と関連しているのではないか?」と言われているわけです。
さらに、鉛筆とシャーペンでは紙に擦れとときの音や臭いも違っています。
鉛筆の芯とシャーペンの芯にそれぞれ鼻を近づけてみると、シャーペンの方がやや濃い臭いがすると感じる方が多いのではないでしょうか。当然ですが、書いた文字も臭いが違います。こうした臭いも記憶と連動していますので、鉛筆を使った方が記憶に残りやすいと言われる一因です。
鉛筆とシャーペンでは、文字を書くときや線を引くときの音にも違いがあります。書くときの音も記憶と関係してくるわけですから、鉛筆を使ったときの音の方がどちらかと言うと強く記憶に作用しやすいというわけですね。
鉛筆とシャーペンにはこのように音、臭い、筆圧、使ったときの感覚などの違いがあり、この違いから鉛筆の方が「記憶に残りやすい」と言われるわけです。
こだわりがなければ鉛筆とシャーペンの使い分けがおすすめ
鉛筆とシャーペンでは向くケースがそれぞれ異なります。
したがって、シャーペンと鉛筆はそれぞれの向くケースに合わせての使い分けがおすすめです。
- 大量に書くときは削る必要のないシャーペン
- 記憶に特に残したいところは鉛筆
- 集中したいときは鉛筆
- あまり重要ではないメモ書きなどはシャーペン
- 大量の演習問題などを解くときはシャーペン
- じっくり考えて解く問題は鉛筆
- 暗記したい部分に線を引くときは鉛筆
- 大量の問題の丸つけ作業はシャーペン
このように使い分けをしてはいかがでしょう。
資格試験の勉強は鉛筆とシャーペンどっちがおすすめなのか?|最後に
鉛筆とシャーペンは記憶への定着に違いがあるという話をしました。
一般的には鉛筆の方が記憶に残りやすいと言われますが、シャーペンにもさまざまなメリットがあります。
生まれたからずっとシャーペンを使って勉強してきた人にとっては「やっぱりシャーペンの方が使いやすい」という事情もあるでしょうし、鉛筆・シャーペンの微妙な筆圧の違いなどはあまり気にしない方も多いのが現実です。これにはやはり個人差があるかもしれません。
ただ、私の友人で士業試験・国家試験にパスしている人などは、意外と鉛筆とシャーペンにこだわっている方も多いです。
たとえば国家資格にパスした友人は、「鉛筆の方が何となくしっくりきて、資格試験のときの勉強は鉛筆じゃないと嫌」と言っています。実際に、こだわる方はかなりこだわるようです。使うものによっても勉強時の感覚が違ってくると思いますので、当然のことかもしれないですね。
今回はシャーペンと鉛筆のメリットなども取り上げましたが、最終的には「どちらも使って勉強してみて、しっくりくる方を選ぶ」「使い分ける」が正解かと思います。