2025年(令和7年)の法改正を現役行政書士がカンタンに紹介

法律は一度作られて施行されると、ずっとそのままというわけではありません。

時代が変わると考え方や世の中も変わってきます。そのため、法律も定期的に改正・見直しされるのが基本です。

今回の記事では2025年の先取りネタとして、2025年(令和7年)に変わる法律をご紹介します。

ネットのニュースなどで見かけたときは「あ、2025年の法律改正の話だ」と思っていただければ嬉しいです。

2025年に刑法が変わる!刑法の法律改正とは?

2025年に改正・施行が予定されているのは刑法です。

刑法は日本の犯罪と刑罰に関する法律です。ニュースでも刑法は頻繁に取り上げられますので、身近な法律のひとつではないでしょうか。

2025年はそんな刑法の懲役と禁固が改正される予定です。

刑法の懲役・禁固には、それぞれ次のような特徴があります。

懲役 / 刑務作業を行う刑罰

禁固 / 刑務作業が任意になっている刑罰

似ていますがそれぞれ違う刑罰です。

しかしながら長年「実際はほとんど同じ」「現場ではほとんど差がなくなってきている」などの指摘がなされていました。

結果、2025年に「拘禁刑(こうきんけい)」というかたちで法律改正・施行されることになりました。ほとんど違いがなくなっているから一本化するという流れになりました。

今までニュースで「懲役〇年」などと報じられていたところ、2025年の法律改正・施行からは「拘禁刑」というかたちで報道されるわけです。ニュースで文言が変わっていたら「あ、法律改正か」と思ってください。

2025年に育児や介護の法律も変わる!育児・介護の法改正とは?

2025年は介護・育児に関する法改正も予定されています。

今回の法改正の狙いは「男女ともに育児しやすく(介護しやすく)」です。育児・介護をより仕事と両立しやすくするように、残業免除の範囲拡大などが予定されています。

育児介護休業法等改正は2025年4月と10月に分けて行われます。

【育児介護休業法等改正(2025年4月)】

残業免除の対象範囲を拡大する、育休などを子供の行事の際も取得できるようにする、一定規模の会社は育休などの取得状況を公表する、介護離職を防止するための措置を講じる など

【育児介護休業法等改正(2025年10月)】

妊娠・出産時に仕事との両立に関する意向などを聴き取りする、働き方の柔軟化のための措置 など

高年齢者雇用安定法の変更点とは?法改正について

今までも高齢の方が継続雇用を希望する場合は、会社側は希望者を対象に雇用などの措置を講じてきました。

2025年は高年齢者雇用安定法の経過措置が終了するため、希望する高齢の方がいれば希望者全員を雇用の対象にしなければいけません。

高年齢者雇用安定法の経過措置中は「まだ様子見」「少しずつ準備」という感じでしたが、今後は「経過措置は終わったので、希望者は全員しっかり対象にしてくださいね」という方向にルールが切り替わります。

日本は労働力不足が問題になっています。そのため、高齢の方でも積極的に働き手として継続雇用・仕事を続けられるよう環境・ルールの整備が行われているのが現状です。2025年はその環境整備がさらに一歩前進するかたちです。

プロバイダ責任制限法の改正とは?従来の法律がパワーアップ

現在、仕事や生活にネットは欠かすことのできない存在です。ネットの誹謗中傷で起きた痛ましい事件についても、よくニュースなどで報じられています。

ネットの誹謗中傷の対策や、誹謗中傷が起きたときのためにプロバイダ責任制限法があります。プロバイダ責任制限法はネット上の誹謗中傷(要するに権利侵害)に対する手続きなどを定めている法律です。

プロバイダ責任制限法については総務省がQ&Aを出しています。

ネットを頻繁に使う方や、よくSNSを活用する方は参考のために一読をおすすめします。

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/ihoyugai_04.html

プロバイダ責任制限法は2025年に「情報流通プラットフォーム対処法」にパワーアップします。

情報流通プラットフォーム対処法にパワーアップすることで、主にSNSを運営する事業者向けにルールが増えました。

2025年の法律改正では大きなSNSとその運営事業者が対象になりますが、ネットでの誹謗中傷が問題になっている昨今、今後の状況次第ではルールが中小の事業者に拡大される可能性もゼロではありません。今のうちにおさえておきたい法律改正です。

まとめ|2025年はこの他にも法律改正・施行あり

2025年の法改正・施行についてまとめました。

2025年はこの他にもいろいろと法律の改正・改正分の施行がある予定です。細かな法律については「何それ?」という方もいらっしゃると思いますので、身近な法律の変更を中心にご紹介しました。

この他の法律改正としては、建設業関係の労働状況改善・賃金引上げなどの処遇改善などが予定されています。以前から「建設業界はブラックらしい」という噂がネットを中心にささやかれていました。

(私はそちらの仕事をしたことがないので真相はよく分かりませんが)

2025年は建設業の労働条件がより良くなる予定です。

2025年にこういったニュースが登場したら、ぜひ注目していただければと思います。