個人事業主/フリーランスになって良かったことは?

会社員や雇われ士業をしていると「独立開業したい」と考えてしまうことがあります。ただ、独立開業したとして「やって行けるのか」と不安になり、一歩を踏み出せない方もいらっしゃることでしょう。

「やってみたい」という気持ちより不安の方が大きく独立開業への第一歩を踏み出せない雇われ士業や会社員は少なくありません。実際に私もそういった方々を見てきました。

この記事では独立開業した行政書士が、主にメンタルや生活面で「独立開業して良かった」と感じたことをまとめました。

独立開業したいと思っていながら第一歩を踏み出せない会社員・雇われ士業の方は、「やって行けるか」という不安だけでなく、先に独立した人間の「やってよかった(メリット)」にも目を向けてはいかがでしょう。

会社員や士業が個人事業主/フリーランスになった良かったこと

個人事業主やフリーランスになって良かったことは、主にメンタルや生活面です。

メンタルや生活に具体的にどのような良いことがあったのか、順番に説明します。

良かったこと①好きなだけ仕事ができ、好きなだけ稼げる(収入の天井なし)

道立開業してよかったのは収入がアップしたことです。

雇われ士業だとよほど恵まれた状況でなければ手取りで1,000万円超え、そろそろ2,000万円という状況にはならないことでしょう。独立開業した場合、業種やどのような資格を持っているかによりますが、雇われているより「自分の意思」「やる気」「仕事の能力」などで収入を上げやすくなります。私の場合は、実際かなり収入がアップしました。

事務所や会社で仕事をしていて「もっと仕事をしたい」と申し出た場合、仕事量を増やしてもらうことは可能です。しかし、仕事量を増やしたとしても、けっきょくそれは事務所や会社の利益になり、自分が受け取るのは決まった額の給料。多少色がついたとしても残業代くらいでしょう。

個人事業主やフリーランスとして独立すれば、仕事を増やすのも自由。仕事をした分の利益も自分です。好きなだけ仕事ができて、好きなだけ稼げるというメリットがあります。

収入に余裕があると生活にも余裕が出てきますし、「光熱費の支払いをどうしよう」「税金の納付締め切りまでお金を作らなければ」「生活費が苦しい」などの悩みからも解放されます。税金や生活費がある以上、完全に開放されることは無理ですが、それでも気持ちはかなり楽になります。

また、仮に悩んだとしても「じゃあ仕事を増やそう(収入を上げよう)」で解決するので、やはり気持ち的にはかなり楽になりました。

良かったこと②決まった時間に仕事をする必要がない(就業時間が存在しない)

個人事業主やフリーランスとして独立すると、就業時間に縛られることはありません。自分で会社や事務所としてのかたちを作る場合は就業時間・営業時間を決めることはあるでしょうが、個人で仕事をするなら就業時間・営業時間はあってないようなものです。

来客対応や電話対応さえできる状況にしておけば、就業時間・営業時間に何をしていても特に問題ありません。急ぎの仕事がない場合や切羽詰まった忙しい状況でなければ、就業時間や営業時間に好きなドラマを見たり、音楽を聴いたりすることも可能です。

私などは半日仕事をして、午後からは好きに資格試験の勉強をしたり、為替相場や株式相場を見たりと、かなり自由にやっています。午前中に仕事を終わらせて、午後は時間的に余裕を持たせるようにしているのです(もちろん来客や急ぎの仕事があれば別ですが)。

自分で独立開業して仕事をすると会社や事務所に所属しているときのような「時間に縛られる」という窮屈さがなくなるので、メンタル面はかなり楽になります。もちろん、その分だけ柔軟に生活できるため、生活面も開放的かつ自由になります。

良かったこと③今日できることを明日やり、明日できることを今日やれる(予定は自由)

仕事をしていると「今日は調子が良い」「仕事がさくさく進む」という日もあれば、「今日は調子が悪いな」「仕事に集中できないな」という日もあることに気づきませんか。これは会社員、フリーランスに関わらず、人である以上仕方のないことではないでしょうか。体調やメンタル、疲労の度合いなどから仕事の進む日とあまり進まない日がありますよね。

会社や事務所に勤めているのであれば「今日は仕事があまり進まないのでやりません」とはいきません。肉体やメンタルに負担を強いてでもやらなければいけないケースが多いことでしょう。

独立開業すると「今日は仕事が進まないから」という日に自分自身へと鞭を入れる必要はありません。今日できることは明日やることも可能です。反対に、今日は仕事の進捗がスムーズだからと「明日の仕事を今日やってしまおう」も可能です。さらに言うなら、明日の仕事を今日やって、「明日はほぼお休み」という仕事の仕方でも問題ありません。

予定は自由。自分の体調や仕事の進捗度にあわせて柔軟に決められますので、肉体やメンタル面がかなり楽になりました。

良かったこと④会社という組織から心が解放される(会社や上司にあわせる必要なし)

会社や事務所に所属していると、どうしても組織や上司にあわせなければいけません。会社や上司によっては「自分ルール」「ローカルルール」を強要してくることもあります。会社や事務所に所属している以上、「嫌だな」と思っても、ある程度上司や組織にあわせなければいけません。

独立開業して仕事をすると、「嫌だな」「ストレスだな」と思いながら会社や上司にあわせる必要もありません。結果、ストレスも減り、精神的にもかなり楽になりました。

会社や事務所で働いていると、仕事以外のストレスも発生します。独立開業すれば、組織のしがらみからくる上司・対人関係・独自ルールなどから解放され、気持ちが楽になります。

良かったこと⑤悪夢を見なくなり、寝つきがよくなった(会社関係の夢を見なくなった)

周囲の人と話をすると「遅刻すると慌てている学校の頃の夢をよく見る」「大学の単位を落とし留年する夢を見る」「会社に遅刻し、商談を駄目にする夢を見て飛び起きたことがある」など、学校や会社関係の悪夢(あるいは冷や汗の出るような夢)を見る方は一定数いるように感じました。

かく言う私も、仕事の夢をよく見ていました。仕事で失敗する夢や会社に遅刻する夢などです。仕事の約束の時間に間に合わず「やばい」と思って跳ね起きたら実は日曜日で仕事は休み、ということもありました。こうした経験を持つ方は少なくないはずです。SNSなどでもたまに見かけます。

独立開業後は「会社が」「任せられた仕事が」というプレッシャーがなくなったせいか、この手の夢を見る機会もほぼなくなりました。もちろん、日曜日に慌てて目を覚ますこともありません。

悪夢を見なくなり、寝つきも良くなったと感じています。

最後に

個人事業主/フリーランスになって圧倒的に良かったことはメンタル面のストレスや圧迫感、束縛感が消えたことです。それにより生活にも良い影響が出ていると感じます。会社や事務所に勤めている方で現状が辛いと感じている方は、意外と独立開業が向いているかもしれません。

独立開業に一歩踏み出せない方、迷っている方は、こうしたメンタル面や生活面の「良いところ」が自分にとってメリットになるか考えてみてはいかがでしょう。独立開業を決める際の判断材料になるかもしれません。