FIRE達成後に生活を維持するためには?コツを紹介

FIRE達成者の中には、せっかく早期リタイアしても生活が破綻する方もいます。

せっかくFIREを達成しても生活が破綻しては意味がありません。FIRE達成前はFIREのために節約や資産運用など達成のために努力する必要があります。FIRE達成後は、今度は生活を破綻させないよう努力する必要があると言えるでしょう。

今回はDIRE達成後に生活を破綻させないためのコツについて解説します。

実際に周囲のFIRE達成者に「生活を破綻させないコツは?」とヒアリングしてきましたので、FIRE達成を目指している方は将来の参考にしていただければと思います。

FIRE達成後に生活が破綻する原因

せっかくFIREを達成しても、達成後に生活が破綻することがあります。

FIRE達成者の生活の破綻にはそもそもどのような原因があるのでしょうか。

FIRE達成後に生活を破綻させないコツの前に、参考までに破綻原因について見てみましょう。

原因①FIREの計算が甘かった

FIRE達成のためには資産運用の枠組み作り・資金作りが必要になります。

FIREではまずご自身の1年間の生活費を計算し、この生活費を25倍にします。いわゆる「25倍ルール」です。

年間生活費の25倍の資金を準備したら、その資金を4%の運用益を出せるように資産運用できる仕組みを作ります(金融商品や投資方法選びなど)。資金の準備ができて4%の運用益を得られるようになった段階で、基本的にFIRE達成になります。

FIRE達成を目指す際は年4%の運用益を得る生活が破綻しないよう、大元になる資金を準備します。このときに計算が甘いと、4%ルールで資産運用しても「生活費が足りない」となってしまい、FIRE生活が破綻するわけです。

原因②FIRE達成後に資産運用が上手く行かなくなった

資産運用において相場が上下することや相場状況が変わってくることは、よくあることです。

FIRE達成までには上手く行っていた資産運用が、FIRE達成後に相場状況の変化により上手く行かなくなることがあります。4%の運用益での資産運用はFIRE達成後の生活の大前提ですので、相場が変わる→4%で資産運用できなくなる→FIRE後の生活が厳しくなる、の流れでFIRE達成後の生活が破綻します。

原因③FIRE達成後に生活の状況が変わってしまった

FIRE達成後に資産運用・生活資金の前提になる条件が崩れてしまうとFIRE達成後の生活が崩壊します。

たとえば、ご自身と奥様の生活費を踏まえてFIREの準備資金の計算&資産運用計画立案を行ったとします。その後に子供が生まれて、資金準備の前提に使った生活費の額が変わってきてしまったわけです。

このようにFIRE達成後に生活状況や前提条件が変わってくると、その後の生活が破綻します。

FIRE達成後の生活を破綻させないためのコツ

FIREを達成したらその後にずっと何事もなく暮らせればいいのですが、すでにお話ししたように、生活や相場が変わってしまうことでFIRE達成後の生活が崩壊する可能性はゼロではありません。

FIRE達成後はどのように生活を維持するかが問題です。

FIRE達成後に状況を維持したまま暮らせている(つまり、FIRE達成後に生活を崩壊させず生活維持に成功している)方たちに「何に気をつけているか」をヒアリングしてみました。

FIRE達成後に生活を崩壊させないためのコツは5つあります。

コツ①FIREの資金準備&計算に余裕を持たせておく

FIREの資金準備の際に余裕を持たせておくことがコツのひとつです。

たとえば、1カ月の生活費が15万円だったとします。年で考えると180万円です。この金額を25倍ルールで計算して資金準備と資産運用の仕組みを整えるというのは、FIREの基本的な考え方には則っていると言えるでしょう。

ただ、ぎりぎりの生活費で計算した場合、冠婚葬祭や急な病気、家族の介護、家の修繕など、生活の変化や急な出費に耐えられず生活が破綻する可能性があります。

計算のベースにする生活費に余裕を持たせると資金準備は大変になりますが、FIRE達成後の資金にやや余裕が出ます。そのため、生活が破綻しにくくなります。

コツ②FIRE達成後の生活の基盤&事情を変えない

FIRE達成後に生活基盤や生活の事情を変えないこともポイントです。特に準備した資金や年4%の生活費に影響を与えるような事情変更は控えた方が良いでしょう。

たとえば、FIRE達成までは終生ひとり暮らしをするつもりでしたが、FIRE達成後に良い人と出会い結婚することになりました。FIREの計画は「終生ひとり暮らし」という前提で立てていますから、夫婦2人で生活するとなると生活費が変わってきます。基本的にひとり暮らしより夫婦2人で暮らす方が生活費も多くなりますから、このような事情変更があるとFIRE達成後の生活が根底から崩れてしまいます。

FIRE達成後も生活を破綻させず安定した生活をしたいなら、FIREの計画を根底から覆すような事情変更は控えるべきです。仮にどうしても事情変更が必要なら、「FIREを諦める」くらいの覚悟が必要です。

コツ③FIRE達成して終了ではないと意識する

FIREを達成すると「後は悠々自適な生活(辛い日々は終了)」と思ってしまいがちです。

FIRE達成後も人生は続きますから、達成して終了とはいきません。

よく「遠足は家に到着するまでが遠足」などと言いますが、FIREの場合は「FIRE達成後の生活も含めてFIRE」です。

FIREを達成して終わった気にならないで、達成後の生活もあることを意識しておくことがコツになります。

コツ④サイドFIREを想定して計画を立てた

FIREはFIREでも、FIRE達成後に無理のない範囲で収入を得るタイプの「サイドFIRE」という方法があります。サイドFIREは準備した資金を運用して得る利益の他に、アルバイトや資格を使った資格などで収入を得るFIREです。

完全なFIREだと仕事も完全に辞めてしまうため、生活や相場に変化があると生活が破綻する可能性があります。しかしサイドFIREの場合は収入を得つつも悠々自適の生活を送るため、金銭面でFIRE達成後の生活が破綻しにくくなります。

FIRE達成後の生活破綻が不安なら、完全なFIREではなくサイドFIREに切り替えることもコツです。

コツ⑤FIRE達成後は金のかかる趣味や遊びは控える

お金のかかる趣味を持っていると、どうしてもFIRE後の生活が破綻するリスクが高くなります。趣味にお金を使い過ぎる可能性があるからです。「趣味に使うお金はここまで」と断固としてお金の使い方を変えない方なら問題ないでしょうが、趣味に関してついズルズル財布の紐が緩くなってしまうタイプの場合は問題です。

お金のかかる趣味を持っているFIRE達成者の場合、はじめからサイドFIREを目指しており「生活費はFIREの運用益でまかなうが、趣味にかかるお金は資格を使って仕事をして、その収入から出している」という方もいました。自分の趣味にお金がかかることを想定し、生活が破綻しないように工夫しているわけですね。

また、FIRE達成者の中には「FIRE達成までの間に節約のためにガーデニングをやってみたら楽しかった。FIRE達成後は簡単に作れる野菜を栽培し、生活に役立てている」という節約方面の趣味に切り替えている方もいらっしゃいました。

自分の趣味やお金とルールを決めて付き合って行くことがFIRE後生活を破綻させないためのコツだと言えるでしょう。

最後に

FIRE達成後に「後はのんびり生活しよう」と思っても、生活が破綻するリスクはついて回ります。生活を破綻させないためにもコツが必要ではないでしょうか。

FIRE達成を目指している方は、達成後の生活について考えた上で計画を立てる必要がありそうです。今回の記事ではFIRE達成後のよくある破綻原因なども説明しました。コツや破綻原因などはFIREの計画に活かしていきたいですね。