FIREを目指している方の多くが疑問に思うのは「いくらあれば早期リタイア・FIREを実現できるのか」ではないでしょうか。少ない金額でFIRE達成にしてしまうと、後から「お金が足りないので再就職しよう」となってしまいますよね。かといって、あまりにも高額の目標を立ててしまうのも大変です。
ぶっちぇけいくらあればFIRAできるの?
これはFIREを目標にしている方にとって重要な命題だと言えるでしょう。
この記事ではFIRE達成目前の行政書士が、
・50歳リタイアを目標にした場合にお金はいくら必要か
・50歳リタイアを目標にした場合にどのくらいのペースで資産形成が必要か
・FIRE達成のための必要資金を計算する方法とは
・FIREの資金を貯めるときの注意点
3つのポイントについて説明します。
FIREを目標にしている方、FIREで「早めにリタイアしたい」と考えている方は、資金準備や資産運用の参考にしていただければと思います。
目次
いくらあればFIREできるのか?【50歳リタイアの事例】
ぶっちゃけいくらあればFIREできるのか?
よくある疑問に「50歳にリタイアすること」を事例に試算してみました。
FIREで必要な資金を計算する方法については後から説明しますので、まずここでは結論からお話しします。
50歳でFIREを達成したい場合に必要な金額は次の通りです。
・生活費が月10万円の場合は3,000万円
・生活費が月15万円の場合は4,500万円
・生活費が月20万円の場合は6,000万円
・生活費が月25万円の場合は7,500万円
・生活費が月30万円の場合は9,000万円
・生活費が月35万円の場合は10,500万円
・生活費が月40万円の場合は12,000万円
試算した場合、ぶっちゃけるとこのくらいの金額が必要になるという結果でした。
FIREを達成する場合、年齢よりも「月の生活費がいくらか」が問題です。
仮に50歳でのFIRE達成を目標にする場合は、月の生活費が30万円までは数千万円~9,000万円、生活費が35万円を超えると必要金額は1億円を超えるという結果でした。
40代や30代でFIREを達成する場合も大体同じ金額になるため、FIREを目標にしている方は目安にしていただければと思います。
どのくらいのケースで資産形成が必要なの?【50歳リタイアの事例】
50歳でFIREを達成する場合はどのくらいのペースでお金を貯めなければならないのでしょうか。
FIREを目標にする場合、多くの方は基本的に投資で増やす方法を使うはずです。ただ、投資で増やす場合も元手になるお金は必要ですから、ある程度の金額を準備しなければいけません。
FIREを50歳で達成する場合、どのくらいのペースで資金準備をしなければならないのか、試算してみました。
20歳から50歳のFIRE達成を目指す場合
20歳から50歳でのFIRE達成を目指す場合は、準備期間が30年あります。
FIRE達成のためには基本的に「投資でお金を増やす」という方法を使いますが、仮に全額自分でまかなう場合は年あたり次の金額を準備しなければいけません。
・生活費が月10万円 / 3,000万円の場合は年100万円
・生活費が月15万円 / 4,500万円の場合は年150万円
・生活費が月20万円 / 6,000万円の場合は年200万円
・生活費が月25万円 / 7,500万円の場合は年250万円
・生活費が月30万円 / 9,000万円の場合は年300万円
・生活費が月35万円 / 10,500万円の場合は年350万円
・生活費が月40万円 / 12,000万円の場合は年400万円
20歳から資金の準備をはじめれば30年の期間があるため、年あたりの準備資金がその分だけ低くなります。
ただ、生活費が多いと必要資金も多くなるため、年あたりの準備資金もかなり増える計算です。
なお、これはあくまですべて自己資金の準備する場合の金額なので、投資を上手く活用することにより、年あたりに準備すべき金額を減らすことが可能です。
30歳から50歳のFIRE達成を目指す場合
30歳でFIREの準備をはじめて50歳を目標に自己資金だけでまかなう場合は、年あたり次のようなペースでお金を準備しなければいけません。
・生活費が月10万円 / 3,000万円の場合は年150万円
・生活費が月15万円 / 4,500万円の場合は年225万円
・生活費が月20万円 / 6,000万円の場合は年300万円
・生活費が月25万円 / 7,500万円の場合は年375万円
・生活費が月30万円 / 9,000万円の場合は年450万円
・生活費が月35万円 / 10,500万円の場合は年525万円
・生活費が月40万円 / 12,000万円の場合は年600万円
30歳から50歳でのFIREを目指す場合は20歳でスタートするより年あたりの必要金額がかなり増えています。
この場合も投資で資産を増やすことで年あたりの準備金額を減らすことが可能です。
40歳から50歳のFIRE達成を目指す場合
40歳から自己資金でFIRE達成の準備をする場合は、年あたり次の金額が必要になります。
・生活費が月10万円 / 3,000万円の場合は年300万円
・生活費が月15万円 / 4,500万円の場合は年450万円
・生活費が月20万円 / 6,000万円の場合は年600万円
・生活費が月25万円 / 7,500万円の場合は年750万円
・生活費が月30万円 / 9,000万円の場合は年900万円
・生活費が月35万円 / 10,500万円の場合は年1,050万円
・生活費が月40万円 / 12,000万円の場合は年1,200万円
サラリーマンの年収が400万円前後だと考えた場合、達成は極めて難しい(金額によっては宝くじでも当たらないと無理)と言えます。投資などで自己資金を増やす工夫の他に収入を増やす工夫も必要です。
また、厳しい場合にはFIREのゴールをもう少し先に延ばしにすることや、サイドFIREを検討することも重要です。
FIRE達成のための必要資金を計算する方法とは
FIREの必要資金は、
・25倍ルール
・4%ルール
に基づいて計算します。
まずは月あたりの生活費を確認し、1年に必要な生活費の総額を算出します。年間の生活費を算出したら、その金額を25倍します。年間の生活費が120万円なら3,000万円。月の生活費が15万円で年180万円なら、25倍すると4,500万円です。前の見出しまでで使ったFIREの必要金額もこの計算方法で算出しています。
FIREでは必要な金額を「年間生活費×25倍」で計算するのが基本です。年間生活費を25倍ルールで計算し、算出された金額をベースにしてFIRE達成後に資産運用します。
FIRE達成後に3,000万円や4,500万円など25倍ルールで算出した金額を年4%で運用すれば、お金を切り崩さずに運用益を生活費にできる計算です。
FIREを目標にした資産形成で注意すべきポイント
FIREを目標にしている場合は資産運用・資産形成にも注意すべきです。
より早く資金を準備するため、よりスムーズに資金を準備するためには、どのようなポイントに注意したらいいのでしょうか。
FIREを目標にしている場合、注意したいポイントは次の通りです。
・投資は早めに活用する
・クレジットカードも活用する
・計画はしっかり立てる
・サイドFIREも検討する
投資をやったことのない人でもFIREを目指すなら早めにはじめることがポイントです。
自己資金でFIRE達成することは難しいですが、投資で増やすことができればそれだけ早く資金準備できます。FIRE達成後は運用益で生活費を捻出するのですから、早めに投資をはじめて「慣れ」と「勉強」を進めておくことも重要です。
ポイント還元を受けられるタイプのクレジットカードは節約に役立つので、積極的に利用することもポイントです。
FIRE達成のためには計画が重要になります。25倍ルールで目標額を計算し、そこに到達するためにどうやってお金を貯めるか、資産運用するかをよく考える必要があります。場合によってはサイドFIREを検討するなど、達成すべきFIREの種類についてもよく考えてみましょう。
最後に
ぶっちゃけいくらあればFIREできるのか?
について説明しました。
基本的には年間生活費の25倍を準備できてしまえば、後は4%ルールで運用して生活費を捻出するのがFIREです。なので、ベースになる大きな金額さえ準備できればすぐにでもFIREは可能です。
この年齢にFIREを達成したいという目標があるなら、計画や25倍ルールで算出した金額、そこに向かうための道筋や進捗状況をよく確認してみましょう。