起業したばかりのときはどうしても資金が必要になることも少なくありません。
士業事務所の開業。個人事業主や起業者が仕事に必要な道具をそろえる。こういった仕事や事務所のための資金も必要ですが、起業したばかりのときはいきなり黒字になりませんので、赤字の補填や生活費についても考えなければいけません。
自己資金を切り崩しことも多いのですが、自己資金ばかりだと今度は生活できなくなってしまいます。開業時や起業すぐのときに融資を検討する起業者や個人事業主、士業は多いはずです。
そこで考えたいのが、早期の法人口座開設です。
起業時する、あるいは起業した早めに法人口座を開設すべき理由を説明します。
目次
起業者や個人事業主が早く法人口座を開設すべき理由
事業をはじめたばかりの個人事業主や起業者は資金が必要です。
だからこそ、起業者や個人事業主は早期に法人口座を開設すべきです。
法人口座の開設を急ぐべき理由を順番に説明します。
理由①法人口座を開設することで資金調達できるから
法人口座を開設すること、または開設が前提でその銀行のビジネスローンなどが使えることも珍しくありません。法人口座を早めに開設することで、「お金が必要になった」と困る前にビジネスローンの準備ができます。
ビジネスローンの場合、「業績が不安定な法人には貸してもらえないのではないか」「創業期の事業者は借入できないのでは?」などと不安がる方もいらっしゃいます。
都市銀行のビジネスローンなどは審査も厳しいでしょうし、起業してすぐの方などは断られることも多いと言えるでしょう。
ただ、これはあくまで都市銀行や有名地銀の場合で、ネット銀行なら創業期や赤字でも、問題なく資金調達できることも少なくありません。
たとえば、GMOあおぞらネット銀行。
https://gmo-aozora.com/promotion/lp/anshinwide/
GMOあおぞらネット銀行のビジネスローンは赤字や創業期でも借入OKになっています。
しかも、手続きはネットで完結する上に、担保や保証人も不要です。決算書や事業計画書も不要になっています。ただ、事前に法人口座を開設しなければ利用できません。口座を通じてお金の借入や返済をするわけですから、当然と言えば当然です。
法人口座さえ早めに開設しておけば、創業すぐに起業者でも使える資金調達方法が増えますので、早めに手続きしておいて損はありません。
理由②法人口座の開設が早い方が実績作りができるから
法人や個人事業主向けの資金調達方法の中でもローンは、借入時に審査が行われます。
審査で重視するポイントは金融機関によって異なりますが、法人・事業者の場合、主に次のようなポイントがチェックされます。
- 業績
- 実績
- 創業から何年経っているか
- 業種
- 代表者の信用情報
- 事業の実態
実績は事業の実績だけでなく、金融機関利用の実績もチェックポイントです。
たとえばA銀行から事業資金の融資を受けたい場合、A銀行の利用実績もチェックポイントになります。法人口座を申し込んでするは、銀行側も「この顧客は信頼できるのか」手探り状態です。ある程度の利用実績があれば、その人や法人が信頼できるかどうかの参考資料になるわけです。
法人口座を開設していきなりビジネスローンに申し込むことも可能ですが、銀行との良いお付き合いの実績を作っておくと、審査時にプラスに働きます。
実績を作るためにはある程度の時間が必要なので、個人事業主や法人が資金調達したいなら、早めに法人口座を作っておくことが重要です。早めに法人口座を開設することで、良いお付き合いの実績をどんどん積み重ねることが可能です。
すぐに資金調達する必要がなくても、そして法人口座を使ったこまめな取引がなくても、可能な限り早めに口座開設して「銀行とのお付き合いを積み重ねる」ことを意識した方が、いざ資金調達となったときにプラスになると言えるでしょう。
理由③法人口座開設でさまざまなサポートを受けられるから
法人口座を開設することでさまざまなサポートを受けられます。
受けられるサポートは法人口座開設先の銀行によります。
たとえば横浜銀行の場合、資金調達に使えるのはもちろんですが、法人などの事業支援に力を入れている点が特徴です。創業期の法人やベンチャーの支援も行っています。
https://www.boy.co.jp/hojin/index.html
創業期の法人などは「専門家に相談したいが相談料に悩む」ということも少なくありません。こうした創業支援や相談に力を入れている銀行に法人口座を開設することで、各銀行が提供しているサポート・無料相談・無料サービスを有効活用できます。
すぐに資金調達する必要がなくても、こうしたサポートを受けるために法人口座を開設しておいても損はありません。また、相談やサポート、サービスを活用することで、法人口座の実績作りもできます。
法人口座を早期に開設するデメリットはある?
法人口座を早期に開設することで「資金調達できる」「資金調達のための実績作りができる」などのメリットがあります。ただ、早期に法人口座開設の手続きをすることにはデメリットもあります。
個人事業主や起業者が早期に法人口座を開設するデメリットが3つです。
① 法人口座の開設先の選択肢が狭くなる
起業してすぐに法人口座の申し込みをする場合、申し込み先の選択肢が少なくなります。
一般的にネット銀行より地銀、地銀より都市銀行の方が法人口座開設の難易度が高くなります。また、起業してすぐの法人は「実績がない」「実態が不明瞭」などの理由から、ネット銀行でも審査落ちしやすくなるのが現実です。
起業してすぐの法人でも受け付けてくれそうな銀行。ネット銀行の中でも審査が緩そうな銀行。このような視点で法人口座開設先を選んでいくと、自然と申し込み先の銀行が限られてきます。結果、起業してからある程度経ってから法人口座を開設するより、選択肢が狭くなってしまうのがデメリットです。
ただ、法人口座は複数の銀行に開設できますので、起業直後にネット銀行に1口座開設し、やがて事業を成長させたら地銀や都市銀行に法人口座を開設するという「事業の成長に合わせた開設」も可能です。
起業直後に口座開設すると選択肢が狭くなるといっても、2口座目の法人口座、3口座目の法人口座として開設することは可能なので、特に気にする必要のないデメリットかもしれません。
② 法人口座開設のコストがかかってしまう
法人口座の中には維持費がかかるものも少なくありません。
代表的な維持費にはインターネットバンキングの費用があります。法人口座を開設してその銀行のインターネットバンキングを契約すると、月あたり数千円~1.5万円くらいの費用がかかります。早期に法人口座を開設しても「インターネットバンキングをさほど使わない」という場合は、この分の費用が無駄になると言えるでしょう。
仮に半年あまり使わない場合、法人口座(インターネットバンキング込み)で数万円は無駄にコストがかかる計算になります。
法人口座を開設すると、別途、サービスの契約が必要になることがある。サービスを契約すると、その分の費用が発生する。よく考えたいポイントです。
ただ、法人口座を開設してすぐ「報酬や仕入れなど、頻繁に出入金する」という場合は、法人口座を開設しても無駄がないかもしれません。法人口座開設をいつにするかは、事業内容や法人口座を開設したときの利用頻度などに照らし合わせて検討する必要があります。
③ 法人口座開設の審査に落ちやすくなる
起業後や事務所開設後すぐに法人口座に申し込むと、法人口座開設時の審査に落ちやすくなります。
法人口座を開設するためには、原則的にどこの銀行も口座開設の審査があります。老舗だろうが、事業年数の長い法人だろうが、起業後間もない事業者だろうが、審査を受けてパスしなければ法人口座は開設できません。
法人口座開設時の審査では事業実績や事業の実態も審査対象です。起業してすぐは事業の実態があまり掴めないことから審査落ちするケースや、事業の実績が乏しいことから審査落ちすることも少なくありません。実績という点を考えると、起業してすぐはやはり不利だと言えるでしょう。
ただ、審査は事業実績だけ見られるわけではありません。将来性など他のポイントも含めた総合評価で決まります。そもそも、創業期の法人や起業者も申し込める法人口座である時点で「まだ実績が乏しい」と銀行側も分かっていますから、それほど厳しい目では見ない可能性があります。
起業したての法人や個人事業主にも優しい銀行の法人口座を申し込めばいいので、さほどデメリットにはならないかもしれません。
資金調達したい法人や個人事業主におすすめの法人口座は?
資金調達を考えて法人口座を開設する個人事業主や法人におすすめなのは、paypay銀行やGOMあおぞらネット銀行などです。
なお、法人口座を頻繁に出入金で使うという方の場合は、各銀行の送金手数料などもチェックしておくことをおすすめします。銀行によっては海外送金や他行送金が高額に設定されていますので、注意してください。
■paypay銀行
ネット銀行なので都市銀行などより審査が緩い
個人事業主も申し込みできる
すぐに使える資金調達方法(ビジネスローン)がある
https://www.paypay-bank.co.jp/business/index.html
■GOMあおぞらネット銀行
ネット銀行なので都市銀行などより審査が緩い
個人事業主も申し込みできる
すぐに使える資金調達方法(ビジネスローン)がある
https://gmo-aozora.com/business/
■SBIネット銀行
運転免許証だけで法人口座を開設できる
オンライン口座開設で、最短翌営業日から法人口座が使える
最短当日で資金調達できる
https://www.netbk.co.jp/contents/hojin/
起業者や個人事業主ほど早く法人口座を開設すべき|まとめ
起業後すぐの個人事業主や起業者の資金調達のためにも、早めに法人口座を開設しておくことが重要です。
いずれ「大きな銀行に法人口座を開設したい」と思っていても、まずはネット銀行に法人口座を開設し、事業に使えるように、そしてその銀行から資金調達できるようにしておくことをおすすめします。