ユニコーン投資とは?日本にユニコーン企業が少ない事情も解説

日本ではあまり使われていない投資方法に「ユニコーン投資」という方法があります。

「名前だけ知っている」という方もいらっしゃるかもしれません。

ユニコーン投資とはどのような投資方法なのでしょう。

日本ではあまり使われないユニコーン投資の意味や、個人が使える投資方法かどうかなどを解説します。

ユニコーン投資とはどのような投資方法なのか

ユニコーン投資とは、「ユニコーンに投資する方法」です。

ユニコーンと言えば、一本角を持った馬の姿の空想上の動物です。

投資や資産運用においてのユニコーンは、また別の意味で使われています。

ユニコーン投資とは?

ユニコーン投資とは、投資家がユニコーン企業に投資することです。

日本では「ユニコーン企業が少ない」などの理由から、あまり使われていない投資方法です。

ユニコーン企業とは?

ユニコーン企業とは「未上場で歴史が浅いに関わらず、評価が極めて高い企業」のことです。

具体的には次の3つの条件を満たす企業をユニコーン企業と言います。

  • 企業の評価額が10億ドル(日本円で約1,100億円)以上である
  • 創業から10年以内
  • 未上場のベンチャー企業である

つまり、創業して年数の浅い、極めて評価の高い未上場な超優良企業のことをユニコーン企業と言います。

ユニコーン投資とは、こうした企業を見つけて投資する方法です。

日本の代表的なユニコーン企業は?

日本の代表的なユニコーン企業にはメルカリがあります。

メルカリは日本唯一のユニコーン企業だと言われています。

日本にユニコーン企業が少ないのはなぜ?

ユニコーン企業は世界各国にありますが、特に多いのがアメリカと中国です。

世界のユニコーン企業の4割はアメリカにあり、残り6割のうちの3割~4割は中国にあります。

日本をはじめとした他の国にあるのは残り2割ほどです。

日本でユニコーン投資がほぼ使われていないのは、「ユニコーン企業が少ないから」です。

そもそもなぜ日本には投資先となるユニコーン企業が少ないのでしょう。

あるいは、ユニコーン企業が育たないのでしょうか。

理由①国の企業や事業の風土にマッチしないから

日本の企業や事業などへの考え方(風土)の関係でユニコーン企業が育ちにくいと言われています。

  • 日本は企業や事業に対して安全志向、堅実志向である
  • 日本は中小企業の多い国である
  • 日本は社風などもお堅い

日本は企業や会社、社風、事業などに対して安全志向でお堅いと言われます。

また、日本の企業は99%が中小企業です。

中小企業の中には地域密着型の企業や、親から子へ事業承継されているタイプの企業も少なくありません。

日本の企業や事業への考え方、風土、中小企業が多いなどの現状から、ユニコーン企業が育ちにくい、そして育てにくいと言われています。

野菜を育てようとしても、その野菜に土が合っていないと育ちません。

日本の土はユニコーン企業にはあまり合っていないということです。

理由②ベンチャー企業への投資が少ないから

日本はベンチャー企業への投資がアメリカなどの諸外国と比較して少ないと言われます。

また、ベンチャー企業への投資にあまり積極的でないとも言われます。

日本の家庭が投資に回す資産は全体の10%ほどだと言われているのが現状です。

もともと日本はあまり投資に積極的な国とは言えないわけです。

そこに、さらに投資方針が関係してきます。

たとえば老後の生活資金のために、堅実に資産を守りつつ増やしたいケースを想像してください。

ベンチャー企業への投資はリスクがあります。

堅実に資産を増やしつつ守りたい人が、果たしてリスクの高いベンチャー企業に投資するでしょうか。

日本ではもとから投資に回す資産が少ない上に、「堅実に行きたい」「リスクの高いところには投資したくない」という人はベンチャー企業に投資する機会があっても、投資を避けることがあります。

日本の投資に回す資産の少なさや投資への考え方により、ベンチャー企業が育ちにくいという理由もあります。

理由③斬新なサービスがなかなか出てこないから

ユニコーン企業は評価の高い歴史の浅いベンチャー企業のことですから、今までと同じサービス・商品では、すでに広いシェアを誇っている大きな企業には太刀打ちできません。

メルカリが急成長して日本唯一のユニコーン企業になったのは、ビジネスモデルや斬新なサービスも理由のひとつです。いろいろなサービスやビジネスモデルがあふれる今の世の中、「斬新なアイデアで起業して大勝利してやろう」と思っても、なかなか斬新なサービスは思い浮かばないことでしょう。

ベンチャー企業のビジネスモデルや、売りにする商品やサービスが思いつかないからこそ、なかなかユニコーン企業が育たないという事情があります。

理由④日本は「起業したい」という人が少ない

日本はアメリカなどの諸外国と比較すると「起業したい」という意欲が低いと言われます。

経済産業省の資料を見ると、確かにあまり意欲的とは言えない結果です。

https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/houkokusyo/GEM2023_report.pdf

ユニコーン企業が少ない以前に、「企業を作りたい人(起業したい人)」が少ないのが日本です。

当然ながらユニコーン企業も少なくなりますし、育ちにくくなります。

ユニコーン投資は個人で使える投資方法なの?

日本にはユニコーン企業自体がまずないことから、ユニコーン投資は個人では基本的に使えません。

今後仮にユニコーン企業が出てきて投資を募ったとしても、資金力のある投資家を頼ることでしょう。個人で「1万円分投資したい」など、少額で投資できるとは考えられないため、ユニコーン投資はできないものと考えた方がよさそうです。

エンジェル投資は可能

エンジェル投資なら日本でも可能です。

エンジェル投資とは起業して間もない「お金が必要」という企業に投資家がお金を出す(投資する)方法のことです。

https://fundinno.com/lp/salesgrowthlist_type1

ユニコーン投資とは?日本にユニコーン企業が少ない事情|まとめ

ユニコーン投資とは日本には数少ない(と言うか、ほぼない)ユニコーン企業に投資する方法です。

ユニコーン投資はあまり馴染がなく、資産運用をしている一般の方や、これから資産運用をはじめたい一般の方の場合、まず使わない投資方法です。

ただ、「ユニコーン企業」や「ユニコーン投資」という言葉を覚えておくことは、資産運用関連の情報収集する上で無駄にはなりません。

こういった投資方法があるということだけ頭の片隅に置いて、知識として役立てていただければと思います。