ゆうちょ銀行が2026年にデジタル通貨を導入すると発表しました。
普段あまりデジタルに接していない方の場合、「デジタル通貨とは?」「お金がデジタルで支払われるということ?」と困惑するかもしれません。
今回はゆうちょ銀行のデジタル通貨導入の話題に触れながら、
- デジタル通貨とは?
- 日本の主なデジタル通貨
- デジタル通貨の今後の動向
などについて解説します。
ニュースや資産運用で「デジタル通貨」という名前を耳にした記憶のある方は、読み物としてさらっと読んでいただければと思います。
目次
ゆうちょ銀行が導入予定!「デジタル通貨」とは?
ゆうちょ銀行は2026年にデジタル通貨を導入し、「預金者を中心に使えるようにする」「有価証券の決済手段として使えるようにしたい」と発表しました。
各メディア・媒体も大きなニュースとして取り上げています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB011HZ0R00C25A9000000/
ゆうちょ銀行が導入を決めたデジタル通貨とは、デジタルデータ(電子情報)だけの通貨のことです。
日本円には現物の紙幣や貨幣があります。
デジタル通貨にはこうした紙幣や硬貨などの現物はなく、電子データだけで管理・保有することになります。
- 紙幣や硬貨などの現物がない通貨
- 電子データ(デジタル)だけの通貨
これがデジタル通貨です。
デジタル通貨のメリット
デジタル通貨はいろいろな国や会社で導入が進んでいます。
デジタル通貨を導入する国や会社が増えているのは、デジタル通貨にメリットがあるからです。
- 支払いに使える
- 現金のように管理に手間がかからない
- 紛失や盗難のリスクが低い
メリット①デジタル通貨も支払いに使える
デジタル通貨は買い物などの支払いに使えるケースがあります。あくまでその店・会社が対応しているデジタル通貨に限られ、さらに店・会社がデジタル通貨払いに対応しているケースに限られますが、現金と同じように支払いに使えるところがメリットのひとつです。
メリット②デジタル通貨は管理が楽(重さがなく場所も取らない)
デジタル通貨には実際の硬化や紙幣がありません。そのため、管理が楽な点もメリットになります。
たとえば大量の現金を紙幣や貨幣で管理する場合、金額に応じて紙幣や硬貨の量が増えます。量が増えるため、置き場所に困ってしまうことも少なくありません。持ち運びしようにも、金額が増えるとそれだけ重さも増えます。お金はたくさんあった方がいいですが、たくさんあると管理が大変になるところが現金の困ったところです。
対してデジタル通貨は実際の通貨や紙幣がなく、すべてデジタルデータです。そのため、重さもありませんし、場所を取ることもありません。管理が楽なところがデジタル通貨の魅力だと言えるでしょう。
メリット③デジタル通貨は盗難や紛失のリスクも低い
デジタル通貨は現金のように盗まれるリスクや、紛失するリスクが基本的にありません。
なぜなら、現物がないからです。
・財布をすられた
・自宅の置いてあった現金を盗まれた
・現金の入った財布を落とした
現物がないからこそ、こういった盗難や紛失のリスクは基本的にない、あるいは限りなく低いと言えるでしょう。
デジタル通貨のデメリット
デジタル通貨にはメリットもある反面、デメリットもあります。
デジタル通貨のデメリットは4つです。
- 支払いに使えないことも多い
- 逆に管理に手間がかかってしまう
- 盗難や紛失のリスクがゼロではない
- 災害のときに使えないリスクがある
デメリット①デジタル通貨は支払いに使えないことも多い
すべての支払いにデジタル通貨が使えるわけではありません。
デジタル通貨が使えるのは、
- 店や会社が「使用OK」と定めている
- 店や会社が対応しているデジタル通貨である
場合に限られます。
デジタル通貨での支払いができない店・会社では、そもそもデジタル通貨払いができません。
また、使用できるデジタル通貨に「A通貨、B通貨」とあった場合、C通貨での支払いができません。
現在の日本では、デジタル通貨払いができないケースも少なくありません。
現金と比較すると使える範囲が少ない、使えない可能性がある。
これがデジタル通貨の第一のデメリットです。
デメリット②デジタル通貨は逆に管理に手間がかかってしまう
デジタル通貨は現金のように財布に入れる、金庫に入れるといった管理上の手間がありません。
ただ、デジタル通貨はデジタル通貨で別の方法で管理する必要があります。
管理にまったく手間がかからない、管理が大変ではないという意味ではありません。
デジタル通貨はデジタル(インターネット、データ)で管理します。現金とは管理方法が違っているわけです。
そのため、人によっては「デジタル通貨の方が管理するのが面倒」と感じることがあります。
デメリット③デジタル通貨も盗難や紛失のリスクがゼロではない
デジタル通貨は現金のように「財布を落とした」「お金をすられた」「自宅から盗まれた」と困るリスクは基本的にありません。ただ、データが消えてしまうリスクや、データを盗まれるリスクはあります。
現金の紛失や盗難とは違ったタイプの紛失・盗難は有り得るわけです。
デメリット④デジタル通貨は災害のときに使えないリスクがある
日本は地震や台風など災害の多い国です。
自然災害の際にネットやシステムが使えなくなり、クレジットカードやデジタル通貨で買い物できないことも少なくありません。対して現金は、災害などでシステム障害があっても問題なく使えることが多いです。
デジタル通貨には災害時に弱いというデメリットがあります。
加えて、停電やシステム障害などの際にも使えない可能性がある点もデメリットです。
日本の主なデジタル通貨にはどんなものがあるの?
日本にはすでにいろいろなデジタル通貨があります。
「デジタル通貨」という言葉をあまり聞いたことのない方でも、すでに日本に導入されているデジタル通貨を知れば「あれがデジタル通貨だったのか!」と理解しやすいかもしれません。
日本で導入されているデジタル通貨には次のようなものがあります。
- 仮想通貨(暗号資産)
- 電子マネー
デジタル通貨の代表格は仮想通貨(暗号資産)と電子マネーです。
仮想通貨はよく投資にも使われますので、資産運用をしている方の場合、「デジタル通貨の代表格は仮想通貨」と言えば、大体デジタル通貨について理解できるかもしれません。仮想通貨にはビットコインやアルトコインなどがあります。
電子マネーはよく店の支払いや交通機関の支払いに使うタイプのデジタル通貨です。中にはバーコードを使って決済するタイプの電子マネーもあります。電子マナーはかなり種類豊富ですが、デジタルで管理するタイプのものは支払い方法に限らず、基本的に電子マネー(デジタル通貨)だと考えて差し支えありません。
デジタル通貨という言葉を普段使わない方でも、当たり前のように支払いに使っていることも少なくありません。
デジタル通貨は意外と身近な存在です。
デジタル通貨の今後の動向とは?日銀の導入予定は?
デジタル通貨はすでに日本でも仮想通貨や電子マネーといったかたちで導入されていますし、すでに日常生活の中でよく使われています。
ただ、今回大きなニュースになったのは、ゆうちょ銀行が導入を発表したからだと言えるでしょう。
今後も日本の店や会社はデジタル通貨の導入を進めていくのではないかと予想されています。
日本のデジタル通貨に関する動向について簡単に説明します。
日本では給与をデジタル通貨払いできるようになった
日本ではデジタル通貨での給与払いがスタートしています。
デジタル通貨で給与の支払いができるようになったのは、2023年からです。
しかしながら、日本では「デジタル通貨で給与を受け取っても困る」という方が多いのが現状です。日本では口座振込で給与を受け取るケースが多いですし、地域によってはデジタル通貨で受け取っても対応しているお店やサービスが少ないことでしょう。デジタル通貨自体をメインで使っていない方も多いかもしれません。
そのため日本では、デジタル通貨による給与払いはあくまで条件を満たしたケースに限られています。現状は「条件を満たした場合のみデジタル通貨で給与を渡せる」に留まっています。
日銀がデジタル通貨を導入する予定はない
日本の日銀は日本円のデジタル通貨版を発行する予定は今のところないそうです。
ただ、日銀は日本の経済や円の動きに目を光らせていますから、将来的に広く使えるデジタル通貨を出す案が検討されるかもしれません。今後のデジタル通貨や日銀の動きに注目したいですね。
福井県では地銀がデジタル地域通貨のプラットフォームに出資
福井県では地銀はデジタル地域通貨のプラットフォームに出資しています。
福井県では地域のデジタル通貨があり、デジタル通貨のプラットフォームとして「ふくアプリ」が提供されています。
ふくアプリを開発・提供しているのは「株式会社ふくいのデジタル」ですが、こちらの会社に出資しているのは福井新聞と福井銀行です。地域の新聞社と地銀が共同出資して作った会社が株式会社ふくいのデジタルです。
https://www.chiginkyo.or.jp/association/report/assets/rbareport_vol15_report02.pdf
このように地域でデジタル通貨を活用する取り組みも行われています。
ゆうちょ銀行が導入する「デジタル通貨」とは?|まとめ
ゆうちょ銀行がデジタル通貨を導入するということで話題になりました。
「デジタル通貨」という単語はゆうちょ銀行のニュースで一気に話題になった感がありますが、実のところはすでに日本でも導入されています。
代表的なものに仮想通貨や電子マネーなどがあります。
地域や会社、店によってはすでにデジタル通貨が使われていますので、単語自体を聞いたことがなくても、かなり身近なものです。
デジタル通貨については、今後もいろいろ新しいニュースが出てくる可能性があります。
資産運用にも関係してくる可能性がありますので、ぜひニュースをチェックしてみてください。