資産運用に使える金融商品の中に「保険」という名前が出てきて戸惑っている人はいませんか。
保健といえばいざというときの備え。医療保険や自動車保険などはまさに「備え」という印象ですよね。そんな保険がなぜ資産運用に使えるのでしょう。「もしや不正に保険金を申請するということ?」なんて、不安になる人もいるかもしれません。
この記事では「資産運用に保険を活用できるのはなぜなにか?」について説明します。
・保険で資産運用できるのはなぜ?
・保険を使った資産運用は違法なの?
・保険で資産運用する仕組みとは?
・保険を資産運用に使うメリットとデメリット
・保険を資産運用、投資、FIREに使うのはおすすめ?
保険で資産運用する仕組みなど、資産運用・投資・FIREしたい人にとって気になるポイントを解説します。資産運用や投資の話に「なぜ保険が出てくるの?」と疑問に思っている人は、ぜひこの記事で疑問を解決してください。
目次
保険で資産運用できるのはなぜ?
はじめに「保険で資産運用できるのか?」という疑問ですが、これについては・・・できます。
すべての保険でできるわけではありませんが、保険契約を運用に使うことにより資産を増やすことが可能です。
資産運用に使えるということは、お金を増やせるということ。「保険を資産運用に使えるの?」と疑問に思う人の多くは「資産を増やせる」と「いざというときの備え(保険)」が頭の中でなかなか結び付かないのではないでしょうか。
結論から言うと保険は資産運用に使え、運用によりお金を増やすことも可能です。保険と資産運用が頭の中で結びつかない人は、まずはこの結論だけはっきりさせておいてください。
保険を使った資産運用は違法なの?
保険を使った資産運用は特に違法というわけではありません。
保険を使った資産運用で想像しがちなのが、保険金の不正請求や受給などかもしれません。保険を使った方法は、不正請求・不正受給のようなリスク・違法性のある方法ではありませんので安心してください。
保険を使った資産運用は「保険の特徴」を利用して資産を増やす方法です。
保険と資産運用が結びつかない、違和感があるという人は「違法性やリスクのある方法ではない」「保険の特徴を使って資産を増やす方法である」という点もはっきりさせておいてください。
保険とは?目的や種類など基礎知識
保険で資産運用する仕組みについて説明する前に「そもそも保険って何?」という基本的なポイントをおさらいします。仕組みを理解するためにも基本的な知識は重要です。
保険とは
偶発的に起きる事件や事故、事態の損害を金銭的に補償する制度・サービスになります。
偶発的な事件や事故、事態により起きた損害に対して「損害が出たので助けて欲しい」と請求すると、損害や事態・事件・事故、保険の契約内容などに応じて保険金を受け取れる仕組みです。
保険金は多くの契約者が払い込んだ保険金を運用・プールして、そこから出しています。契約者がいざというときにお互いを助け合う制度・サービスが保険だと言えるでしょう。
保険にも種類がある
保険には公的保険や私的保険などの種類の他、企業保険などの種類があります。
これらの保険種類はさらに細かな種類に分かれます。
たとえば、公的保険に含まれる主な種類は国民健康保険や国民年金などです。私的保険は個人保険とも呼ばれ、主に個人の備えとして契約される保険のことになります。医療保険や自動車保険、火災保険などはこの種類になります。
企業保険とは法人用の生命保険や企業の財産保険など、主に法人(企業)が契約や補償の対象になっている保険種類のことです。
保険の中でも資産運用に使うのは基本的に私的保険(個人保険)になります。
保険でなぜ資産運用できるの?仕組みとは
保険での資産運用は「保険の解約払戻金」を利用した方法です。
養老保険や生命保険の中には解約払戻金や満期保険金を受け取れるタイプがあります。解約払戻金や満期保険金の額はそれぞれの保険の払戻率によって決まり、中には一定期間の加入で100%を超える保険があるのです。
分かりやすい例で説明します。たとえば、一定年数加入した保険の解約払戻金が110%だったとします。その保険に払った保険料が100万円であれば110万円受け取れる計算です。保険の契約内容によっては、保険会社が保険金を運用して利益が出た場合はおまけ(上乗せ)してもらえるケースもあります。
このような保険を契約して一定年数加入し、解約払戻金や満期保険金を受け取ることで資産を増やすわけです。
これが保険を資産運用に使う方法であり、保険で資産運用する仕組みになります。
保険を資産運用に使うメリットとデメリット
保険で資産運用する仕組みはシンプルです。ただし、すべての保険を資産運用に使えるわけではない以上、契約する保険を厳選する必要があります。そこまでして保険を資産運用に使うメリットはあるのかが問題です。
資産運用に保険を使うメリット
保険を資産運用に使うメリットは「資産運用と共にもしもの備えができること」です。
株式や投資信託には当然ですが保険のような「もしもの備え」はついていません。保険を資産運用に組み込むことによって、いざというときの補償を受けられ、資産を増やすことが可能です。
また、保険に払った保険料の多くは基本的に生命保険料控除の対象になるため、節税効果も期待できます。
資産運用に保険を使うデメリット
保険で資産運用するためにはある程度の年数契約を続けなければいけません。契約している間は保険料を払い続ける必要があります。
保険で期待できるリターンを受け取れるとは限りません。契約期間が短いと受け取り解約払戻金などは低く、損する可能性もあります。
保険は投資を目的としていません。そのため、株式や投資信託の個別銘柄などと比較すると利回り自体も低いことが多いと言えます。
保険を資産運用・投資・FIREに使うのはおすすめ?
資産運用や投資、FIREの方針によります。
資産運用や投資をしながら「もしもの備えが欲しい」と考えるなら保険を活用しても良いかもしれません。保険料や加入期間などがネックになるという人や、より利回りの高い金融商品に投資したいという人にはあまりおすすめしません。
ポートフォリオなども踏まえて「保険でバランスが取れるか」「分散投資に役立つか」「投資や資産運用の方針に合致しているか」「必要な備えか」などを考えて決めることがポイントです。
保険を資産運用やFIREに使うのがおすすめの人
保険を資産運用に使うのがおすすめの人は、保険の備えが必要で資産運用も一緒にしたい人などです。株式や投資信託などではやはり保険の代わりにはなりませんので、備えと資産運用を両立したい人には保険の利用が向いています。
また、自分からなかなか投資や資産運用をはじめられない、できないという人にも向きます。
保険料を口座引き落としにしておけば強制的に資産運用・投資になるため、「貯められない」「投資できない」「資産運用をはじめられない」という人は保険から一歩を踏み出しても良いでしょう。
最後に
保険を使って資産運用する仕組みについて紹介しました。
保険は工夫して使うことで資産運用・投資と備えを両立させることが可能です。ただし、株式などの金融商品と異なり本来は投資・資産運用を目的としていません(一部の保険についてはこの限りではありませんが)。この点はよく考えて利用すべきです。
保険を資産運用や投資、FIREなどに組み込むなら、契約内容などもよくチェックし、保険を厳選しておきましょう。