老後資金・FIRE・早期リタイアなどで欠かすことができないのが投資です。仕事で収入を得て投資でさらに資産を増やし、早々に老後やFIRE、早期リタイアに必要なお金を準備する。早期リタイアやFIREを成功させている人や、早々に老後資金を準備している人は、基本的に投資を有効活用していると言えるでしょう。
老後資金・FIRE・早期リタイアでおすすめする金融商品や投資方法の記事はよく見ますが、反対におすすめしない金融商品や投資方法の情報はあまり見ませんよね(人によって投資方法や金融商品のおすすめがかなり違うという理由からかもしれませんが)
今回の記事ではFIRE達成を目指して投資をしている行政書士が、老後資金・早期リタイア・FIREを目的にしたときにおすすめしない投資方法や金融商品について解説します。「あくまで私の経験で」という断り書きがつきますが、金融商品や投資方法選びの参考にしていただければと思います。
目次
おすすめしない投資方法や金融商品とは?
投資については人によって方針が異なります。そのため、方針に照らし合わせて、方針と合わないような投資方法や金融商品は基本的におすすめできません。
個人的には、実際にFIRE達成を目的とした投資をしてみて、老後資金・早期リタイア・FIREなどには次のような投資方法・金融商品はマッチしないと感じました。個々人の投資方針も関係してきますので、あくまで投資の際の参考にしてください。
資産を預金に置きっぱなしにする/定期預金のみ
老後資金・FIRE・早期リタイアを目的にしている場合、預金を中心にした資産運用はおすすめしません。
ゼロ金利。マイナス金利。雀の涙。日本の預金金利を表現する言葉は多数ありますが、共通しているのは「酷く低い」という点です。実際に日本の預金金利は低いのですから、表現としては正しいとしか言えません。
日本の預金金利は低く、預金にお金を入れていてもほぼ増えません。したがって、老後資金・FIRE・早期リタイアを目的にしている場合の投資には、預金に大部分のお金を入れておくという方法はおすすめできません。増えないからです。
仮に預金に大部分のお金を入れておくという方法で資産運用したい場合は、お金を投資で増やすのではなく、老後資金・FIRE・早期リタイアに必要な資金を自分の稼ぎですべてまかなうくらいの努力が必要になります。それだけの稼ぎがあればいいのですが、日本の年収の中央値が430万円ほどと言われている時代ですから、生活費も出しながらほぼ自己資金だけで老後資金・FIRE・早期リタイアのためのお金を準備するのは難しいことでしょう。
自己資金で老後資金・FIRE・早期リタイアのお金を捻出できる人でなければ、預金を中心にした資産運用や投資はおすすめしません。
高リスクの金融商品にだけ投資してとにかくリターンを求める
金融商品にはリターンが低くリスクの低いもの、リターンはそれなりでリスクもそれなりのもの、リターンが高くリスクが高いものがあります。金融商品や投資方法に関しては、基本的にリターンの高いものほどリスクも高いと考えた方がいいでしょう。
資産運用で使われるサービスの中でリスクが低くリターンも低い最たるものは預金です。債券などは日本の国債を中心に、一般的にはリターンが低くリスクも低い金融商品として知られています。リスクが低い金融商品はリターンも低いのが基本なので、そういった金融商品にばかり投資していると、どうしても資産を増やすことができません。
だからといって高リターン高リスクの金融商品にだけ投資すれば良いというわけでもありません。株式や債券の銘柄によっては高いリターンが見込めますが、それは「高いリターンを提示しなければ投資してもらえないから」です。高リターンの金融商品に投資することで一気に資産が減ってしまう可能性もあります。
老後資金・FIRE・早期リタイアを目的とした投資は資金を準備すること、リターンを堅実に得て資産を増やすことが重要ですから、あまりにリターンに重点を置いている金融商品にばかり投資するのはおすすめしません。
高リスク高リターンの金融商品に投資する場合は、堅実な金融商品にも投資するなどバランスが重要になります。
ほとんど値動きのない安定感抜群の投資信託への投資
投資信託は1つの金融商品で分散投資できる優れものです。投資信託自体の複数の銘柄や複数の金融商品がプロの視点で組み込まれ、なおかつプロが運用しています。投資信託は金融商品や銘柄のセットメニューですから、投資信託1銘柄に投資するだけである程度の分散投資ができてしまうと言えるでしょう。
ただ、投資信託にはかなりの種類があり、リスクやリターンもさまざまです。かなり堅実な金融商品や銘柄ばかり組み込んで、あまり値動きしない、リターンの少ないタイプもあります。
基本的に投資信託は預金よりもリターンが期待できますが、堅実すぎる投資信託にばかり投資すると、資産はあまり増えません。
老後資金・FIRE・早期リタイアを目的とした投資では投資信託は定番中の定番的な金融商品ですが、投資する銘柄はよく選んだ方が良いでしょう。また、堅実路線はかまいませんが、同じような堅実な金融商品にばかり投資している場合は金融商品・投資について再考した方が良いでしょう。
老後資金・早期リタイア・FIREのために不動産投資をする
不動産投資にもさまざまな種類があります。J-REITなどもあれば、不動産そのものを買って売却する方法、不動産を買って賃料を得る方法などがあります。J-REITにつては、ある程度お手頃な投資金額からはじめることもできますが、不動産を購入しての投資はまとまった資金が必要です。
賃料収入を得るための不動産投資や、不動産そのものを転売する不動産投資などは、専門的な知識も要します。失敗したときの損失も大きいことから、元から地主や不動産経営をしていた人でもなければ、老後資金・FIRE・早期リタイアでの投資方法としてはおすすめできません。
保険を使った資産運用をメインにするのはおすすめしない
保険と言えばいざというときの備えという印象があるのではないでしょうか。医療保険や火災保険などは、病気になったときや家財に損害が出てしまったときの備えとしてよく使われていますよね。自動車によく乗る人は自動車保険なども身近な備えかもしれません。備えとしての印象が強い保険ですが、保険内容や種類によっては投資に使うことも可能です。養老保険や低解約返戻金型終身保険などです。
これらの保険は貯蓄性が高く、解約払戻金が設定されています。解約時の払い戻しに関しては、保険に加入していた期間が長いと、100%を超えることがあります。払ったお金より解約時の払い戻しの方が多くなるわけですね。解約時の払い戻し金を利用することで、保険を使った投資・資産運用ができるわけです。
ただ、保険はあくまで備え。保険自体も「いざというときの備え」をメインにしたサービスです。投資・資産運用がメインのサービスではありません。そのため、保険契約の期間などを考えると、リターンでお得に増やせるとは言えません。
いざというときの備えと資産運用を両立させたいときは良いのでしょうが、老後資金・FIRE・早期リタイアでの投資方法・資産運用方法として保険を主軸に据えるのはおすすめしません。
最後に
老後資金・FIRE・早期リタイアのための投資でおすすめしないのは、
・預金にだけ資産を置きっぱなしにすること
・高リスク高リターンの金融商品にばかり投資すること
・堅実で安定感のある投資信託だけに投資すること
・不動産そのものを買うなどおおきなしきんを使った不動産投資
・保険を使った投資をメインにすること
以上の5つです。
老後資金・FIRE・早期リタイアのために資金を準備したいなら「増やす」「大幅に減らさない」という視点は重要ではないでしょうか。こうした視点から考えると、上記の5つの投資はおすすめしません。
投資ではリターンを得ることももちろん重要ですし、資産を守ることも重要です。ただ、最終的な目的は老後資金・FIRE・早期リタイアの達成であることを忘れないよう、投資方法や金融商品選びをすることが重要ではないでしょうか。